おとうちゃんがかってきてくれたおにんぎょうがこわいです…
わたしがわがままをいったからかってきてくれたのに…
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妻が死んだ…
誰が悪いわけではない…
あえて言えば運が悪かった…
突然の地震で脚立から落ちて頭を強打したのだ。
年末の大掃除…
娘も喋れるようになり年末を越す事を楽しみにしていたのに…
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おかあちゃんがうごかなくなってからとうちゃんはいっぱいないてた…
わたしがげんきだしてというとわたしをいっぱいだきしめてないていた…
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娘がわがままを言った…
お人形さんが欲しい！
妻が死んでから元気がなかった娘のわがまま…
私はオモチャ専門店で娘の気に入ったお人形を買ってあげた。
妻と３人で来た時の思い出の人形だった…
娘にはわがままを言うな！
我慢しろ！
と、言い含めたが内心は物凄く嬉しかった…
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おかあちゃんがいなくなってからおとうちゃんとおばあちゃんとさんにんでおうちにいる…
よるもさんにんでねてるからさびしくはないよ？
だからおかあちゃん…
しんぱいしないで…
こっちにこないで…
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この頃、孫娘の夜泣きが酷い…
娘が亡くなってからというとの良い子にしている孫娘…
毎日のようにうなされて起きている…
夢の内容は覚えてないようだが…
来ないで…
来ないで…
と、うなされいる孫娘が可哀想で仕方がない。
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お義母さんには申し訳ない気持ちで一杯だ…
どうせ1人暮らしだから気にしないで？
と、言ってくれた時はどんなに心が軽くなったか…
夜もお義母さんがいるから安心して仕事ができる。
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おとうちゃんがいないことがおおい…
おばあちゃんがいるからさびしくはないけど…
さびしい…
おとうちゃんに手を【ギュッ】としてほしい…
おにんぎょうがあるいてくるから
くらいばしょから…
テクテク…
テクテク…
ってあるいてくるから…
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娘がおかしい…
お義母さんから相談を受けた…
毎日のようにうなされて【人形が近づいてくる…人形が怖い…】とうなされているという。
仕事も一段落ついたし早く帰るようにしなきゃいけない…
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ねるときにおとうちゃんがいっしょだ…
おとうちゃんがいっしょだとおにんぎょうがちかづいてこない…
やっぱりおとうちゃんはすごい！
…
…
…
だけどおとうちゃんとみゆがいるとおにんぎょうのおかおがこわい
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おにんぎょうさんはきょうもちかくにこない…
おとうちゃんがいてくれるからだ…
ただおにんぎょうさんが…
みゆちゃんのおとうちゃんはちがうひとでしょ？といってくる…
なんでそんないじわるをいうのだろう？
おにんぎょうきらいだ…
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娘が人形で遊ばなくなった…
私はお人形はどうした？
と、聞いた…
娘はお人形さん怖いもん…いらない…
おとうちゃんごめんなさい…
謝る娘を｢そうか…｣ とつぶやき慰めた…
お前が連れていこうとしているのか？
お前の娘だぞ？
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孫娘の様子を圭介さんに伝える…
彼はできた婿殿だ…
娘の不義理も責めずに全て受け止めた…
血の繋がりもない娘を本当に愛してくれている…
娘よ…
何故死んだの？
貴女の罪は大きく重いのに…
美憂になにかしているなら止めなさい…
これ以上…
罪を重ねてはいけないよ…
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私は夫を愛していた…
恋愛結婚ではない…
昔ながらのお見合いで出会い結ばれた…
ある出会いで失恋した…
遊ばれていたのだ…
遊ばれているのは気づいていた…
だけど彼は戻ってきてくれると信じていた…
なのに…
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美憂と私に血の繋がりはない…
あの子は妻が知らない男の間に産まれた子だ…
しかし、妻は悪くない…
私の知らない男が悪いのだ…
そう…妻は悪くないのだ…
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遼子が他人に依存しだしたのは私が原因だろう…
私は遼子を甘えさせて虐待し洗脳した…
飴と鞭…
私の夫へのストレスを娘にぶつけたのだ…
娘を洗脳し依存させたなのだ…
私が悪いのだ…
孫娘を苦しめているのは私が…
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彼は戻ってきた…
私が夫と結婚し新しい暮らしを築いた時に彼は戻ってきた…
彼には逆らえない…
私は夫を愛している…
しかし逆らえない…
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おとうちゃんがきょうはかえってこない…
おとうちゃん…
おとうちゃん…
おかあちゃんはきらい…
おかあちゃんはしらないひととわたしをいじめる…
おかあちゃんなんかきらい…
しらないひともきらい…
みんないなくなればいいのに…
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遼子…
美憂は私の娘だ…
お前の娘ではないよ…
血は繋がってない…
お前とは違う…
美憂は私の…
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私は昔に1人の女性を捨てた…
嫌いなわけではない…
彼女の愛の重さに耐えられない…
重すぎる…
彼女と付き合って以降は女性と付き合えない…
怖いのだ女性が…
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遼子にお見合いをさせた時はどうかなるか解らなかった…
私への依存が暴力へと変わる…
因果応報なのか…
娘が遼子が怖い…
解放されたい…
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きょうもおとうちゃんはかえってこない…
…
…
…
おにんぎょうがちかづいてくる…
テクテク…
テクテク…
ちかづいてくる…
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女性が苦手になり1人で生活していた…
都会では暮らせない…
私は田舎に生活場所を移した…
今はインターネットを使って生活ができる…
個人で使用する野菜を作りながら趣味に没頭して傷を癒したい…
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私は玩具メーカーの課長をしている…
自社開発もするが新規開拓も欠かせない…
色々な人材を探し発掘する…
今までもこれからも…
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私は趣味の人形が人気らしい…
趣味でお金が稼げる…
最高だ…
何よりも…
あの人と話せるのが嬉しい…
あの人と会えるのが嬉しい…
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おかあちゃんときらいなひと…
おうちにきたのはあついときがさいご…
おとうちゃん…
おとうちゃん…
かえってきてよ…
おとうちゃん…
かえってきて…
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私は身籠った…
美憂を授かったのだ…
お母さんは激怒した…
｢誰の子だ！｣と罵った…
だけど圭介さんは黙って話を聞いてくれた…
私は全てを告白した…
圭介さんは…
私の頬を平手で殴り抱きしめてくれた…
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おとうちゃん…
おとうちゃん…
おかえりなさい…
おかあちゃんもうれしそう…
みゆもうれしい…
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私は夫を愛している…
娘も愛してる…
母も愛してる…
だけど夫の愛は…
私から離れて…
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私は愛しい人に会いにきた…
人形を…
依頼された人形を納品しに…
あの人と会える短い時間…
私の幸せの時間…
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私は夫を愛している…
夫を裏切った私を許してくれた…
あの人を一生離さない…
あの人の愛が私から離れても…
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おとうちゃんだいすき…
おかあちゃんもいまはすき…
ふたりともやさしい…
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娘は人形が好きだ…
夫と３人で玩具を見に行ったときにも変わった人形を気に入っていたのが印象に残る…
あの人形は…
見た事あるような気がする…
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上司の奥さんから人形の購入したいと相談される…
あの人形作家の視線が怖い…
私が女性なら解るけど…
上司のポイントを稼ぐ為にも我慢するか…
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手紙を書いた…
夫に書いたラブレター…
心がウキウキする私がいる…
だけどあの人の心は…
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おとうちゃん…
テクテク…
テクテク…
テクテク…
おにんぎょうがちかづいてくる…
おとうちゃん…
かえってきて…
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夫は娘を愛している…
夫は娘を愛している…
夫は娘を愛している…
夫は娘を愛している…
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テクテク…
テクテク…
テクテク…
テクテク…
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夫は宗教に傾倒していた…
結婚してわずか１０年ほどで亡くなったが…
日本でも表にだせないほどの邪教…
私には理解できない…
だが娘を洗脳できたのは宗教のおかげだ…
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お父さんの形見…
本…
呪い…
人形…
形代…
生け贄…
…
…
…
私は…
夫を…
愛している…
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おとうちゃん…
おとうちゃん…
にんぎょうが…
みゆちゃんを…
はやくかえってき…
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人形作家が殺された…
私の部下が取引を担当していた作家だったが…
連絡をとれなくなった作家の自宅を訪ねた時に死体で発見された…
死因は服毒での自殺らしい…
娘にも買い与えた人形作家…
亡くなった妻が買い与えた人形の製作者…
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夫の遺品が荒らされてる事に気づいたのは娘の葬式後…
幾つかの本が失くなった事は解ったが何の本かは解らなかった…
お葬式での圭介さんの姿は…
圭介さんの悲しみは計り知れない…
娘の為にあんな疲れた顔をして…
娘を本当に愛してくれていたのだと…
圭介さん娘を愛してくれてありがとう。
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私には前妻がいた…
いわゆるバツイチだ…
破局したのは娘が亡くなったから…
私は悪くない…
妻も悪くない…
運が悪かっただけ…
もちろん…
娘も悪くない…
…
…
…
いつか、再び娘ができたら子供ができたら全力で愛してあげよう…
全力で…
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わたしはみゆちゃん？
私は遼子ちゃん？
私はりょうこちゃん？
わたしは美憂ちゃん？
わたしは…
私は…
…
…
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部下に付き合って訪れた人形作家の家…
重要参考人とい扱いになった私は５日ほど勾留された…
妻と人形作家が繋がりがあり私にも殺人の容疑がかかってもおかしくなかったとの事…
私は久々に我が家に帰れた…
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おとうちゃん…
おかえりなさい…！
娘が迎えてくれた…
いらないと言っていた人形を脇に抱え…
妻にプロポーズした時の指輪をチェーンで通し首からさげて…
奥からお義母さんの泣き声が聞こえてくる…
遼子ごめんなさい…
遼子ごめんなさい…
私を叩かないで…
美憂ちゃんもごめんなさい…
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あなた…
お食事にしますか？
お風呂になさいます？
それとも…
…
…
…
私の娘が妻の声色で語りかけてくる…
…
…
…
私はまた娘を子供も護れなかったのだらうか？
どこで道を間違えたのだろうか？
作者まー
今回の作品は登場人物が複数います。
特に誰がどうとは言及しませんが問題を抱えています。
上手く表現できたか解りませんが楽しんでくれたら幸いです。