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僕の家はマンションだ。小学生の時、しょっちゅう最上階へ行っては双眼鏡で景色を眺めていた。最上階とはいえ、8階だ。だけど、絶景とまではいかないが、見ていてとても気持ちが良かった。
山、家、何もない空き地、スーパーマーケット…。一度にたくさんのものが目に飛び込んでくる不思議な感覚が、僕の中の冒険心を誘い出した。
次の日僕はもっとたくさん面白いものを見ようと遠くの空き家の窓や山の木々の間などを隅から隅まで見尽くした。
それからしばらくして山を見ている時のことだった。僕は木と木の間にコンクリートでできた何かの建造物を見つけた。注意深く見てみると、それは砂防ダムだった。木々に囲まれたその砂防ダムの周辺にはフジのような花が咲き誇っていた。
そしてもう一つ、僕はおかしなものを見てしまった。
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それは、形は人間だが、体が苔に覆われているという奇妙なものだった。顔は、遠かったのでよく見えない。
僕は見たことのない、生物なのかも定かではないそれに目が釘づけになった。
するとそれは僕の方を向いた。その時僕はなぜかわからないが、そいつに気づかれたと確信した。
全身の毛穴から冷や汗が噴き出る。
気づくと僕はマンションの階段を何段かとばしながら必死に駆け下りていた。
そしてようやく自分の部屋の前までくると、ドアを乱暴に開け、またまた乱暴にドアを閉めた、鍵をかけた。
その後、僕は何とか落ち着きを取り戻そうとYouTubeを視聴したりネトゲをしたりして過ごした。
そして、就寝時間がやってきた。
僕は疲れていたため、すぐ眠りについた。
💤…
……
……
…
午前2時。僕は眠りから覚めた。何でだろう?しかし、眠いので再び寝ようとまた目を瞑った。
しかし、
「ズザー、ズズ、ザー…」
僕は変な音に気づいた。そしてその音は僕に近づいてきている。
そして、音の正体はまもなくベッドの真横まできた。
音の正体は
……全身苔
あいつだ!!!
恐怖が蘇る。
あの時見えなかった顔もはっきりと見えた。両目には木の枝が突き刺さっており、そこから血のような赤い液体がドロドロと流れていた。そいつの口は怒っているかのように歯をギュッと食いしばっていた。
他の怪談話では霊や化け物などは、「ニヤリと笑っている」ということが多いが、こいつは歯を食いしばっていた。
そいつの歯は黒ずんでいて、芋虫のようなものが複数付いていた。
僕はそのまま気を失った。
…
……
………
気づくと朝がきていた。僕は変な夢から覚めたことにほっとしてベッドからから出た。
「グチャ」
足の裏に何かを踏みつけた感覚が走った。
そして足の裏を見たんだ。
足の裏にはなにがあったと思う?
それはね
緑色の汁とペチャンコになった複数の芋虫だったんだ。そう、あいつの歯についてたやつがね..........
END
作者ミライ
中学生なりに頑張りました。作り話です。