先ず始めに…
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これからお話する事は、【全て実話です。】
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7月に投稿した【Nくんの怪異】を覚えてくださっていますか?
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私が《アサシン(暗殺者)》と敬意を込めて呼ぶ、愛すべき変人のNくんの体験した、人もどき、人に非ず者…の話である。
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彼に怖話に投稿をした事の報告を兼ねて、彼の身近で起きている怪異のその後を聞きました。
この話は前回の続編になるので、未だお読み頂いていない方は申し訳ありません。
先に前作【Nくんの怪異】をお読み下さいm(_ _)m
そして…
続編と言っても…
Nくんの怪異、今回はかなりバージョンupしてます(ll゚д゚ll)
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私なら堪えられない程…
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では、本編に入ります。
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Nくんは、地方で無農薬の野菜を育てている、所謂、農家の人だ。
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ご近所のお爺ちゃんやお婆ちゃんに頼まれれば、他所の畑仕事も手伝ったり、庭仕事をしたり、簡単な大工仕事まで無償でこなしている。
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そして、山に入る他県(同県かもしれないが)から来る無法者を退治する、闇の仕事も請負っているのだ。
その為彼は、日々の訓練を怠らず、ナイフの腕も上げた。
まぁ、最近はNくんもオッさんになり、そろそろ引退を考えてはいる様。
それと言うのも、いつもの様に裏のT宅のオバちゃんに頼まれた庭仕事をしていた時、梯子を使い、高い木の剪定をしていたNくんは、誤って梯子から落ちてしまった。
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いつもの様に身軽に受身が取れなかったせいで頚椎をやられてしまい、何カ月かの間、後ろから声を掛けられても振り向く事すら出来ない痛みに苦しめられたそうだ。
頚椎だから、それこそ下手したら、全身麻痺になってもおかしくないのだが、野生の血の濃いNくんが痛みだけで済んだのは、不幸中の幸いとも言えるのかもしれない。
そんな理由もあり、現在は山のパトロールも控えているそうだ。
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以前のダブルトラップを仕掛けた犯人も未だ見付かっておらず、今の山がどんな状態になっているか…
今のNくんがそんな山に入っても、まんまとトラップにかかってしまう可能性も高いから。
・・・
前回の話で、Nくんの家はお化け屋敷だと話したのだが…
先ず、家の周りの砂利を踏み歩く足音。
何を思ったか、Nくんは、死神が手にするような大鎌を使い、姿の見えないソイツをぶった切ったそうだ。
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何でそんな大鎌が?
と、聞いたら…
彼の亡きお祖父ちゃんが持っていたらしく、物置にしまってあった物を取り出して来たそうだ。
家の周りの足音は、よく聞くと一定の法則がある事に気付いたNくん。
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1周目→走り抜ける
2周目→途中で止まる
3周目→走り抜ける
4周目→走り抜ける
…
毎回、上記のパターンを繰り返すそうだ。
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そして、いつものソイツが現れる時間の少し前から、家を見下ろす高台で待ち、ソイツの足音が聞こえて来たところで庭に行き、4周目を走り抜けるソイツの身体目掛けて2メートルほどの大鎌振りかざしたそうだ。
姿は見えないが、ソイツは走り抜ける途中の不意打ちで、足音も消え去り、それからは家の周りも静かになったそう。
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しかし…深夜、ふと見た先に、そんな大鎌を振りかざしているオッさんを見てしまったら、私ならトラウマになりそうだ…(笑)
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そして…Nくんは一人暮らしなのに、部屋が8つも有る家に住んでいる。
食事をする部屋、就寝の為の部屋、まったりと過ごす居間のような部屋など、時々、定位置は変えるそうなのだが、彼が食事をする部屋にたまたま選んだその場所には、婆さんがいた。
婆さんと言っても、多分血縁のない、多分赤の他人の婆さんが、壁に居座っている。
前回の話では、その婆さんの胸の辺りにナイフを刺したと言ったのだが、よくよく聞くと、胸ではなく、顔のド真ん中に刺したらしい。
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最初はNくん、その婆さんの存在にも気付かずにいたそうだけど、ある時ふとみた壁のシミが、くっきりと婆さんの立ち姿だった事にハッとなったそうだ。
時代の頃は、明治から大正くらい?の、地味な着物を着た婆さんだそうだが…
真っ直ぐにNくんを見詰めて立っている姿が不気味で、顔面にナイフを突き立てたそうだ。
(前回では、胸にナイフと書きましたが、顔面にだそうです^^;)
しかし、月日が経つ毎に、少しずつ突き立てたナイフの位置が変わって来る。
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Nくんは一人暮らしだ。
Nくんが刺し直さなければ、ずっと同じ位置にナイフが有って然るべきなのに、少しずつ婆さんの顔面からズレて来ていたそうだ。
それなのに、変わり者と言うか…ワイルドと言うか…
変人のNくんは、今度は食事をする部屋ではなく、そんな婆さんのいる部屋を寝室にしてしまったそうだ。
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Nくんの眠りは浅く、何かの気配を察知すると飛び起きる習性がある。
その日もNくんは、壁の婆さんのいる部屋で眠っていた。
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夜中…
何か違和感を感じ、飛び起きると…
自分の足首を誰かが掴んで引っ張っている。
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見ると、壁の婆さん…
上半身だけ、壁から抜け出てNくんの足首を掴んで自分の方へと引っ張っていた。
若い綺麗なお姉さんに寝込みを襲われたなら、きっと鼻の下を伸ばして喜ぶNくんなのだろうが、そんな得体の知れない婆さんに寝込みを襲われ、酷く腹が立ったらしい。
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なのでNくん、力いっぱい、もう片方の足で、婆さんを蹴り飛ばした。
勿論、手応え…ではなく、足応えはなかったそうだが…
それでも婆さん、ガッシリ掴んだ手を離さない。
Nくんの怒りは頂点に達したそうで、足を引っ張られながら、自分も上半身を起こすと、壁から抜け出た婆さんの頬辺りに思い切りのグーパンチを何発か食らわしたそうだ。
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勿論、婆さんには実体がないので、いくら殴ったところで手応えはゼロ。
でも、Nくんの足音を掴んでいた手を離したそうだ。
未だ上半身は壁から抜け出て、何かを探す様に足音を掴んでいた手で何かを探っていたそうだが…
普通の人なら、もうそんな部屋には行けなくなる。
私なら、その部屋だけでなく、その家に入る事さえ出来なくなるだろう。
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でも、そこはNくん。
寝込みを襲われた腹正しさで、婆さんと一晩睨み合い、又壁に戻った婆さんのズレた顔面のナイフをもう一度顔面のど真ん中に突き刺し、両手の平、両足と、合計7本のナイフで婆さんを壁に貼り付けたそうだ。
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だけど…
又しても、婆さん…
少しずつ突き立てたナイフの位置からズレて来ているそうだ…
いったい、婆さんは何がしたいのだろう?
…と、言うか…
Nくんも、少しは怖がれぇぇぇ〜(汗)
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そして…
本当なら嬉しい筈の、若い女に寝込みを襲われたNくん。
ふと嫌な気配で目が覚めた瞬間、両手で掴んだ斧をNくん目掛けて振り下ろす女がいた。
その寸前、Nくんはベッドから転がり出る。
その時に、いつも枕下に仕込んであるナイフを取り出し、空になったNくんのベッドに斧を振り落とした女の眉間に突き刺す。
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何度も。
何度も。
だが、この女も実体がないから、ナイフは空を切るだけで、女にダメージを食らわす事は出来なかった。
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女は恨みを込めた目でNくんを見詰めると
『また来るからな』
そう言い残して消えた。
…
その女も、それからはNくん家の常連さんになり、ストーキングされているらしい。
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女の出で立ちはと言うと…
髪は肩から先は黒い靄に包まれ、長さまでは分からない。
着ている物も、着物なのか洋服なのか、身体は黒い靄というか、モヤモヤした物でボヤけて見えない。
唯一ハッキリ分かるのは女の顔だけで、目から血の涙を流しているそうだ。
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女との2回目の再会の時、Nくんは女が振り落とす斧の刃を、真剣白刃取りの様に両手の平で受け止めようと試みたそうだ。
だが、斧も実体が無く、Nくんの両手をすり抜けて腕に落ちる。
『やっぱ無理だったかッ!』
試みは失敗してしまい、Nくんは笑った。
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女はそんなNくんに向い
『殺してやる…』
そう言い残し、消えた。
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次の日の朝、着替えをしようと服を脱いだら…
前夜、女の振り落とした斧の刃先がすり抜けたその場所に、一筋のミミズ腫れができていた。
すぅーーー…
…
っと、一筋。
まるで腕を切り落とされたかの様にぐるりと一周。
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ミミズ腫れは暫く熱を持ち、ヒリヒリやズキズキする痛みを伴っていたが、いつしか自然に消えて無くなった。
女との3回目の再会の時。
今度はNくん、女の持つ斧よりも大きな斧を用意していた。
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女は、血の涙を流しながらNくんに向い
『目をよこせ
目をよこせ
目をよこせ…』と…
そして、相も変わらずNくんに向かい、斧を振り落とす。
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前回の真剣白刃取りの失敗も有った事から、Nくん、斧に気を付けながら、大きな斧で頭から真っ二つになる様に女に斧を振り落とした。
その瞬間、女の顔が奇妙に歪んだと思ったら、そのまま爆発する様に女の身体は弾けた。
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そして、天井に赤黒い点々としたシミを作る。
Nくんが天井を見上げていると、渦を巻いた雲の様な…
砂漠で陽炎の立ち上るかの様な…
…
モヤモヤとした物が天井に広がる。
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そして、弾けた女から飛び散った赤黒いシミを巻き込みグルグルと回ると、その中心に全てを取り込み、消えた。
耳の奥に
『ふふふ…』
と、地の底から響く様な笑い声を残して…
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それから女と4回目の再会は果たせていないが、今度は斧を二本、ベッド横に仕込んで待ち構えているそうだ。
勿論、枕の下にはいつもの自作のナイフも共に…
五月ちゃんとメイちゃんの住む家に
『お前ん家、おっ化け屋敷ぃ〜!!』と言ったカン太と同じ心境の私は、Nくんに向かって、カン太と同じセリフを大声で叫びたかった。
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何と言っても、メタル◯アソリッドの◯ネークの様なNくんだから、平気でそんな得体の知れない者達とバトルが出来るのだろうが…
人間、いつも元気で健康でいられるかと言えばそうではない。
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だから
『お祓いに行け(-ω-;)』と言う私に…
『ガッハッハッ!お祓いしちまったら、俺のネタがなくなるぞ!』などとホザいていたが
『いつもいつも勝てると思うな!そのうち、殺られるぞ!』と言うと…
少しだけシュンとした声で
『ああ…やっぱマズイよなぁ〜ガッハッハッ!』と
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Nくんの事だから、襟首引き摺って連れて行かなきゃお祓いなんて行かないかもしれない。
けどねぇ
……
ネタなんて良いから、兎に角そのお化け屋敷をどーにかしろ!!
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おいおい!
そう言えば、Nくんの家で飼ってた猫が唸る部屋の甲冑姿の人も、それもどーにかしろ!
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Nくんの怪異は、続く…
…
…
かも…
しれない…
作者鏡水花
このお話しも、初投稿は2015年です。
初投稿は、2015年の7月だったようですね(゜□゜||)
Nくんシリーズをまとめましたので、興味がおありでしたら、お読み下さるとNくんも私も喜びますww
斧女の話しや、壁ばばあの話しのその後もちらほらとあります(^^;)
・Nくんの怪異~初投稿編~
https://kowabana.jp/stories/34185
・Nくんの怪異~樹海編~
https://kowabana.jp/stories/28084
・Nくんの怪異~独白・幼少編~
https://kowabana.jp/stories/29482
・Nくんの怪異~白い女編~
https://kowabana.jp/stories/31434
この度もお読み下さった全ての方へ
ありがとうございました(*´ω`*)
-by.kyousuika-