中編4
  • 表示切替
  • 使い方

姿の見えない誰か

separator

これは、私(男)がまだ実家に居た時の話です。

separator

私の実家は、二階建ての一軒家です。

私の部屋は2階の一部屋に居ました。私の部屋の窓からは玄関脇と道路が見える場所に面した場所、部屋を出て左が妹の部屋、正面が両親の部屋右側にはトイレと一階への階段があります。一階には犬を飼っていて喧嘩をしない様に二階に猫を飼っています。

猫が一階に降りないよう階段には、ちょっとした柵を設置してあります。

nextpage

私は自室で猫と陽に当たりながらゲームをしたり昼寝をしたり、窓から親が犬の散歩をしてるのを一緒に眺めたりグータラな生活をしていました。

ゲームは大体深夜2時くらいまでしていつも寝ているんですが、深夜1時くらいになると毎日ヒールを履いた人の足音が聞こえるんです。

その時は気にもしていなかったので

「毎日仕事かなー大変そー」と思ってたくらいでした。

ですが毎日聞こえるもので、その日はどんな人か気になり窓から見ようとしたんですが足音だけ聞こえて姿が見えなかったので

「タイミング悪かったな」と思い就寝しました。

私も諦めが悪くその後も足音が聞こえると窓から外を見て

「またタイミング悪かったな」とカツカツ足音が聞こえると窓から見てを繰り返していました。

separator

ある日、昼間に部屋から親が犬を散歩してる姿を見ていて気付いたことがありました。

「ん?深夜に足音聞こえる場所ってあの道路だよな、親の足音なんか聞こえないんだが」

その後も気になり通り過ぎる人を見ても足音なんか全然聞こえる事はなかったんです。

「ま、でもいつもは深夜だしあの人は大体ヒールだから良く聞こえるんだろ」そう思う事にしました。

その後も足音は毎日聞こえるのですが、しばらくした後少し変化がありました。

nextpage

ある日の足音が聞こえた時なんですが

「あれ?実家の方に歩ってきた?この辺の人なのか?ヒール履く人なんていたっけ?ま、いーや」

実家の周辺は全部て10軒ほどの住宅街なので近所付き合いもあり、皆の顔も知っていたので普段会う時もヒールを履いて出掛けてる人なんて見なかったんです。

ですがその時も気にせず就寝しました。

その後も足音は聞こえたんですが、とある日からだんだん怖くなる事が増えてきました。

しばらくした時から深夜1時くらいに誰かが玄関の門を開ける音が聞こえる様になりました。

玄関の門に関してはその家ごとで開けた時の音が違うので、「キィー」と音が聞こえてすぐ我が家の玄関の門の音とわかりました。

しかも家族全員帰宅して私以外もう寝ているので、誰か知らない人が我が家の門を開けたのがわかり

「空き巣?え?ヤバくね」と思いすぐに部屋にあった懐中電灯を取り玄関の方を照らしました。

ですが私の部屋から玄関が丁度見えないので誰か居たのかはわかりませんでした。ですが本当に空き巣だったら危険だと感じ押し入れにある木刀を握りしめて一階に降りて玄関まで確認しに行ったのですが人の気配はなく、とりあえず安心しました。ついでに爆睡してた犬を起こしてしまい申し訳なく思いその日は就寝しました。

nextpage

その後も何度か門を開ける音が聞こえて誰か入ってくる事がありましたが姿だけは確認できなかったのです。

いつか捕まえてやろうとは思っていたのですが、ついにそんな気もなくなる日が来てしまいました。

深夜ゲームしていたら誰かが実家の一階の廊下を歩いてる音がしたので

「は?皆寝てるよね?誰?え?玄関開けた音しなかったけど」

流石にヤバイと思い私の部屋の最強兵器護身用ナイフを取り出して勢いよく一階に降りましたが、誰もいないのです。

「流石に気のせいじゃないよね?」と怖くなっていたら二階から親が降りて来て

「何してんの?こんな時間に」と言われ私は何故か

「いや何でもないゴメン起こして」と何があったかを言わなかったんです。多分怖くて言いたくなかったのかと今は感じてます。

nextpage

なんだか日々何かが近づいてきてるのが怖くなってきたある日深夜ゲームをしていると、ついに誰かが階段を上がって来たんです。最初は親かと思っていたのですが、考えてみると私以外全員寝てる

そもそも我が家はスリッパを履いていないと母怒るので裸足禁止です。家族の誰かが階段を上がってくるとバタバタと分かりやすい足音がするので、知らない誰かとわかり

「・・誰?完全に上がって来てるよね?」

「しかも電気点けないで来てない?」

誰かは階段の電気も点けないでヒタヒタっと裸足の足音が聞こえてついに2階に上がって来てしまったんです。

流石に私は固まり

「どうしよう、階段上がりきった所で止まってる・・・よし部屋出た瞬間蹴飛ばして突き落とすしかねぇ!」

と決心し部屋のドアを開けて思い切り蹴飛ばそうと出たんですが

「あれ?誰もいない?マジで何なんだよ」

そこには誰も居ませんでした。

nextpage

後日家族にこの事を話すと妹も別の日に誰かが裸足で階段を上がってくるのを聞いたみたいです。

妹は流石に誰かを確認する勇気はなかったみたいですが、我が家は私と妹だけ変な現象によく合います。何故かは当然分かりません。

ただあの時の誰かの姿を見てしまったら私どうなっていたのでしょう。

separator

もし呪い殺されるんだったら恐ろしい姿を見て死ぬのではなく、めちゃくちゃセクシーで美しい天使のような幽霊を見て天に召されたいです。怖いのだけは本当やめて

Normal
コメント怖い
0
5
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ