短編1
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停電だね(短い話)

私はアラフォーの独身女性だ。

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これは、この間のことなんだけど、、、

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久しぶりの残業でマンションに帰り着いたのは、午後10時を過ぎていたと思う。

玄関を開け、誰もいない奥の暗闇に向かって「ただいまあ」と、声をかける。

リビングでドサリと荷物を下ろすと同時に怒涛のように疲れが押し寄せ、その場にへたりこみ、丸テーブルに顔を埋めた。

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すると、

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─パチ!

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電気のショートしたような音がし、次の瞬間、辺りは漆黒の闇に包まれた。

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正にその時だ。

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「停電だね」

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肩越しに耳元で確かに聞こえた、、、若い女の声。

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「そうみたい」

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何故か私は条件反射的に答えた。

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幸いすぐに周囲は明るくなった。

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違和感を感じたのは、その直後。

一気にゾワゾワと腰から背中が粟立っていく。

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「え!、、、え!、、、え~!?」

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座ったまま、必死に周囲をキョロキョロと見回すが、視界に入るのは、いつもの部屋の光景だ。

どんよりとした重い空気が辺りを包み、生暖かい汗が左の頬をつたっていく。

すると、、、

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─ドサリ、、、

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目の前のソファーに座る西洋人形が、カーペットに落ちた。

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私は固まったまま、仰向けに横たわる人形の無機質な瞳を、だだじっと見ていた。

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Fin

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