今は90歳を過ぎてコロナで老人ホームで会えない母方の祖母との思いでです
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祖母は祖父とうまくいかず離婚して、親戚の建材店の経理をして暮らしていました
祖母の家は京都の田舎にあって
私は小さい頃よく預けられ
小学校高学年には新幹線で一人で行ったりしました
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祖母はいつも自分の家から車で建材店に行き
仕事用の和室でパソコンもない頃だから手書きで作業し
私もそばで遊んで暇していると
たまにハンコをつくのを手伝わせてもらったりしました
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祖母の家から建材店までは車で10分ぐらい?
田んぼに囲まれた単純な道路で
祖母は何年もその道を車で仕事場に通っていました
その日も仕事が終わり車で
祖母の家まで帰ることになりました
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ただその日は何故か
10分以上経っても家に着きません
私は10才くらいでしたが
祖母の運転しながら
「あれーおかしいわな狐にでも馬鹿されたんだろか」
という呟きを覚えています
延々車で運転し続け、三十分以上かかってやっと家に着きました
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不思議なのは
祖母は何年も同じ道で通勤していて
田舎の簡単な道で迷う方が難しいし
まだ60代くらいで
経理の仕事するくらいだから認知症も始まってない
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でも祖母の息子(私の叔父)は
「お母ちゃんまたボケただけやろ」
といってそれで終了してしまいました(汗)
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私の父にこの話をすると
父の曽祖父は夜釣りが好きで
年に何度か見知った道を帰れなくなることがあり
やはり「狐かたぬきにやられた」
といっていたそうです
終わり
作者尾白
祖母との実際にあった不思議な話を書いてみました