短編2
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遣冥使文献

元テレビ局員の方に見せて貰った日記帳です。

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6月20日

 私の名前は・・・・・(ページ欠損により判読不能)・・・

偽史学者だ。

「遣冥使」にまつわる古文書がこの山村に残っているという噂を偶然耳にして調査にやって来たのだ。

確か空襲で殆ど焼失してしまったとされる「毛人國風土記」だ。

遣冥使・・・つまり冥界への使者という意味になるが・・・・

著したのは多遅摩毛理とされる。

勿論、古史古伝の類だろう。

マトモな歴史学者で実在を信じている者は居ない。

私の様な者を除けば・・・

(ページ欠損により判読不能)

・・・また記紀によれば病に伏せる垂仁天皇は不老不死の霊薬である登岐士玖能迦玖能木実(非時香菓とも)を求めて家臣の多遅摩毛理を常世の国へと遣わしたと伝わる。

この記述に関連して西暦188年、当時の倭の国々が後漢に遣漢使を送っていたのではないかという説が過去に唱えられた事もある。

勿論、今の学会の主流な考え方という訳では無い・・・

(ページ欠損により判読不能)

6月21日

明日、神主の多島さんが穴倉まで案内してくれる事に決まった。

古文書は断崖絶壁の穴倉に納められているという。

多島さんはとても親切だ。

朝から山の幸でずっとご馳走責めだ。

(ページ欠損により判読不能)

6月22日

最悪だ

ケータイも通じない

片目はもう駄目だ

右眼の失明は免れないだろう

完全に閉じ込められた

まさか多島さんが

この穴倉はどこまで続いているのか。

とりあえず助けを呼ばねば

秘密を知ってしまった以上ここへ留まれば殺される

不気味だが穴倉の奥の洞窟に沿って何とか外に出ねば。

死にたくない。

この手帳を読んだ者は警察に届けて欲しい。

まず何があったのか

状況を一から説明する。

多島さんは恐らく・・・・

(ページ欠損により判読不能)

6月184日

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ここえおいういえ

でられたいであえない

とこなんたここ

モアいみたピみラッドすごいここムーたいるく

たいようあおい

あおいいろのたいよう

すごくあつい

(記述はボールペンではなく血文字。ページ欠損により判読不能)

6月190日

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アれはまちがなくあおさうるすだた

あしくわれた

おどろろたけがはえいてる

いたいいたいいたいいたい

ちがとまらんぞ

(以下ページ欠損により判読不能)

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