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お礼に、お茶でもどうですか?

短編2
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お礼に、お茶でもどうですか?

携帯の液晶がモノクロでアンテナがついていた頃の話

駅に向かうためタクシーを待っていたら

年配の女性に声を掛けられた

年配の女性(仮にAさんとする)は、言った。

「もし駅に向かわれるなら一緒に同乗していただけませんか?一人でタクシーに乗るのが怖いので。」

特に断る理由もなかったので一緒にタクシーに

乗った。特に会話はなく数分後タクシーは駅に着いた

Aさん「ここは私が払いますね。」

と言い千円札をタクシーの運ちゃんに渡して

タクシーを降りた。

私は、運ちゃんからお釣りを受け取ると

Aさんを追いかけてお釣りを渡した。

Aさん「ありがとうございます。考え方をしていたものですから、ウッカリお釣りを受け取る事を忘れてました。本当にありがとうございます。」

軽く会釈をして帰ろうとしたら

Aさんは言った。

「もしご迷惑では無ければお礼にお茶でもどうですか?」

私は急いでいるわけではなかったが、

Aさんがタイプの女性では無かったので断った。

その時はあまり気にしてはいなかったのだが、

よくよく考えるとAさんの不自然な言動に

不信感を感じたが、特に気にすることでも無いと

思い忘れることにした。

それからしばらくして、コンビニの雑誌コーナーに

置いてあった「本当にあったエッチな話」

って雑誌が目に止まった。

何気無く手に取り読んでみると

あの時のAさんの言動と同じような出来事が書かれていた。

雑誌の内容によると、不倫をテーマにした映画が

公開された事により一部の人妻の間で

不倫ごっこらしき遊びが流行っているらしく

あの手この手を使って男性を誘い出し最終的には

ホテルに誘って○○を楽しむと言う事らしい。

もしAさんはその不倫ごっこをするために

私に声を掛けてきたのだろうか?

もしAさんがタイプの女性で、

お茶の誘いをOKしてたら

どうなっていたのかと思うと

ある意味ゾッとする。

Concrete
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