携帯の液晶がモノクロでアンテナがついていた頃の話
駅に向かうためタクシーを待っていたら
年配の女性に声を掛けられた
年配の女性(仮にAさんとする)は、言った。
「もし駅に向かわれるなら一緒に同乗していただけませんか?一人でタクシーに乗るのが怖いので。」
特に断る理由もなかったので一緒にタクシーに
乗った。特に会話はなく数分後タクシーは駅に着いた
Aさん「ここは私が払いますね。」
と言い千円札をタクシーの運ちゃんに渡して
タクシーを降りた。
私は、運ちゃんからお釣りを受け取ると
Aさんを追いかけてお釣りを渡した。
Aさん「ありがとうございます。考え方をしていたものですから、ウッカリお釣りを受け取る事を忘れてました。本当にありがとうございます。」
軽く会釈をして帰ろうとしたら
Aさんは言った。
「もしご迷惑では無ければお礼にお茶でもどうですか?」
私は急いでいるわけではなかったが、
Aさんがタイプの女性では無かったので断った。
その時はあまり気にしてはいなかったのだが、
よくよく考えるとAさんの不自然な言動に
不信感を感じたが、特に気にすることでも無いと
思い忘れることにした。
それからしばらくして、コンビニの雑誌コーナーに
置いてあった「本当にあったエッチな話」
って雑誌が目に止まった。
何気無く手に取り読んでみると
あの時のAさんの言動と同じような出来事が書かれていた。
雑誌の内容によると、不倫をテーマにした映画が
公開された事により一部の人妻の間で
不倫ごっこらしき遊びが流行っているらしく
あの手この手を使って男性を誘い出し最終的には
ホテルに誘って○○を楽しむと言う事らしい。
もしAさんはその不倫ごっこをするために
私に声を掛けてきたのだろうか?
もしAさんがタイプの女性で、
お茶の誘いをOKしてたら
どうなっていたのかと思うと
ある意味ゾッとする。
作者酔隨落楽節