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超短編小説「猫角家の人々」その8

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超短編小説「猫角家の人々」その8

蜜子は、介護事業を通じて「老人を金に換える」方法を考える。痴呆老人の成年後見人になって、財産を取り上げる算段だ。成年後見人等による過去の犯行の履歴を調べる。

2012年、64歳の社会福祉士が、成年後見人となって、痴ほう老人の口座から、2年間で969万円を引き出した事件があった。だが、この手口は発覚し、社会福祉士は後見人を解任され、私的流用分を全額弁済させられた。

九州弁護士会連合理事長だった67歳の弁護士が、成年後見制度を悪用して、北九州市の高齢女性の預金から4400万円を自分の口座に振り込ませた。また、依頼人3人から預かった訴訟費用1370万円を着服した。老女の成年後見人だった弟に裁判所から指示があったと偽った犯行であった。九弁の理事長をやったおかげで本業がおろそかになり、収入が減ったのが犯行の動機だという。この先生は結局懲役5年の刑を宣告されている。

89歳の認知症の実母の口座から、1億3000万円を着服した61歳の息子。2004年に成年後見人に選任され、2009年に横浜家裁が行った監査で横領が発覚。解任され、告訴された。逮捕。

うーむ。成年後見人の立場を利用した老人資産の取り込みは、なかなか、ハードルが高いようだ。弁護士会のトップだった弁護士ですら、発覚して実刑を受けているではないか。(続く)

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