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『・・・を見るおじさん』

短編2
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『・・・を見るおじさん』

 「マンションの一室の窓から見つめる女性(又は「オリオン座を見つめる少女」)」って話が存在しますよね?

「星を見る少女」が実は自殺していたっていう有名な都市伝説です。

これからする話は80年代・・・もう40年以上前の話です。

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星をみる少女じゃないけど近所にいっつも窓に張り付いてる奇妙なおじさんが居た。

精神的に不安定で奇行してるだとか実はおじさん型のマネキンなんじゃないかとか色んな噂が立っていた。

気味悪くて近付きもしなかったが、ある日仕事でやむなくおじさん家の近くに立ち寄った事がある。

普通の神経してる人はおじさんを怖がって近寄らないし相手にしないんだけど今回の営業はそこをどうしても通らないといけない。

やっぱりおじさんは窓に立っている。

何だあのランニングオヤジは・・・

息臭そうだな・・・

窓絶対に開けないで欲しいな・・・

そんな事考えてる側からおじさんはガラッと窓を開けちまったよ畜生。

「君、私が見てる内に早く行きなさい!」

言われんでもそうするっちゅーに・・・

そう思ったがどうしてもおじさんの奇行の理由が気になる。

あのさぁ何で一日中いっつも窓の外を眺めてるの?

働きもせずさぁ・・・

近所の人達みんな怖がってるよ?

そう言うとおじさんは少しの沈黙の後に「アレを見てみろ」と言った。

おじさんが顎をしゃくった先に視線を向ける。

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!?

微動だにせず真っ赤なワンピースに身を包んだ長髪の女が空き地にポツンと立っている。

うわああぁ

悲鳴をあげ転倒した。

「何でみんなこっちばっかりに目が行ってアイツに気付かないんだろうな。

多分、あれは悪霊だ。

私が見張ってる内に君は早く逃げろ」

そう言われて一目散に逃げ出した。

おじさんご免なさい。

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