中編4
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ホテルに渦巻く歪んだ愛

私は、プチ遠距離恋愛をしている。

私 セールス 20歳 (書き込み時)

彼 スーパー社員 22歳(書き込み時)

元々はSNSで知り合ったのだが、

出会った当初は同じ市内に住んでいた。

出会った時は私は高卒の社会人で

彼は大学生だった。

彼はおっとりした男の子。

お互い真反対な性格に惹かれた結果に付き合った。

4月から彼が隣の県の1番遠い市に就職になり

私は住んでいる県の1番西、彼は隣の県の1番東

そんな私たちの中間地点は、某観光地付近だった。

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綺麗な海を見たり、美しい形をした神社があったり

水族館でロマンチックな気分にもなれるとても素敵な場所。

そこは海に囲まれた島なので、車はフェリーの駅付近にある有料駐車場に停める。

その日は安いパーキングが空いていたのでそこに停めた。

私たちはもともとスポーツカーが好きな仲間で

普段はツーリングをして楽しむ。

だから、車を置いて歩いてデートするのは新鮮だった。

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夕方になって、駅でフェリーを降りた。

車に乗り込む前に、彼に誘われた。

もちろん私も乗り気でOKした。

いつもこういう時は、じゃんけんで負けた方が車をだす。

その日は私が負けたので、私の真っ赤な派手な車でホテルに向かった。

近くにあったホテルは少し古くて、駐車場も狭かった。

幸いにも仕事柄狭いスペースに駐車することは慣れていたので無事に車は停めることが出来た。

自分の車は軽自動車だが、それでも狭く感じるほどの駐車場だった。

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入口を入るとタッチパネルがあり、そこで部屋を選択する。

かなり空きがあったので選び放題だったが

お互い金欠だったのでいちばん安い部屋にした。

角部屋だった。

前払いのホテルだったので、受付の人にお金を払い

鍵を渡され部屋へ向かった。

フロントまではまぁまぁ明るく、よくあるホテルだったけど

エレベーターで、選んだ部屋がある階で降りてみたら

廊下のブラインドはボロボロだし

なんとなく全体的に暗かった。

しかもめちゃくちゃ寒い。

ストレートに言うと、なんか出そうな感じ

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いつもは私は彼の真横か前を歩くのだが

その日だけは彼の背中にくっつく形じゃないと歩けなかった。

separator

部屋に着いてみると案外部屋は綺麗で

割と可愛らしかった。

部屋で彼氏に甘えられると

廊下で抱いた違和感が少しずつ和らいで行った。

だがしかし。

行為のクライマックスを終えて、お互いぐったりしている時に先程の違和感が確信に変わる。

間違いなく、いるということに気づいた。

笑い声がしているんだ。

この部屋から。

大きな笑い声にビビって私に身を寄せる彼

私はやけに冷静だった。

隣の部屋の人がうるさいだけかも。と言い聞かせたが。

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「隣の声ってこんなに聞こえる?」

「こういうホテルって防音なんじゃないの?」

「てか1人の声じゃないよねコレ。男二人いるよね。」

と、彼が珍しくパニクった。

普段は2回戦目まで突入する私たちだが、その日はもう乗り気になれず

すぐに部屋を出た。

一応隣の部屋のドアに目をやったのだが

部屋は開いており、中には誰もいなかった。

電気ももちろんついていなかった。

怖くなって私と彼氏はエレベーターまで走った。

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鍵を返したあと、急いで車に乗り込むと

「やっぱり、部屋にいたよね。」

と、助手席の彼が不安そうな顔をして呟いた。

「隣りいなかったし、角部屋やったしな」

「ほんとに何だったんかね」

その話は一旦そこで終わらせて

あとは、「今日のデートで食べた〇〇美味しかったね。」など

明るい話にシフトチェンジした。

お互いそこから車で3時間近く走るのだから

あんまり変な話を長引かせるのはお互いに良くなかった。

その後、ファミレスで食事をして解散した。

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その後日談

そのホテルが気になった私は、ホテルの名前をネットで検索してみた。

ヒットしたのは

「ホテル〇〇(ホテル名) 殺人事件」

「ホテル〇〇 男性死亡」

それも、ネットニュースの記事だった。

モザイクはかけられているが

独特な外装からそのホテルで間違いなかった。

男性2人が利用し、片方が殺されている。

内容を言ってしまうとホテルがバレるので言わないが

SMプレイの度が過ぎたのでは…という内容。

搬送先の病院で亡くなったそうです。

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あれからずっと気にしていた彼に、上記の事をLINEで共有したら

「だから男の声だけだったんだ……」と言った。

被害者の男性は彼と歳も近かったので

若くも、突然亡くなってしまった悲しさを

彼に同情して欲しかったのかもしれないですね。

Concrete
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