中編6
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安すぎる2DK

1年半付き合った遠距離の彼が、私の地元で働くことになった。

これを機に同棲しよう。ということになり、2DKの安いアパートを探していた。

実家から40キロほど離れた場所に私は勤務していますが、このアパートを探しているタイミングで

「Aさん、会社の近くに引っ越したりは特に考えてないの?」

と言われたから

「彼がこちらに越してくるので、

これを機に同棲しようと部屋を探しているところです。」と伝えた。

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すると上司が

「2人で住むなら、ちょうどいい物件がある。うちのお得意さんが大家さんやっててね。

家探してる人いたら紹介してと言われてたんだよ。

内見してみない?」

と1件の物件を提案してきた。

そこは会社からも近く、歩きでスーパーやコンビニに行ける神立地であり、リフォーム済み。

家賃はなんと45000円

彼にも連絡し、物件のことを伝えるとすぐ食いついてきた。

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すぐに内見の日が決まり、休みの日に上司、彼氏と待ち合わせそのアパートに向かった。

アパートの駐車場に着くと、優しそうなおばあさんが待っていた。

アパートの外装は…ボロい。一階にはテナントが入っている。

入口にすぐ階段が見えるのだがものすごく暗い。

これは正直部屋も期待できないかなと思っていた。

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いざ部屋に入ってみると…

綺麗で広い部屋、大きなクローゼット…

とくに文句はない良い物件だった。

気になるところは…外の階段や通路が、昼間のくせに暗いなと思ったくらい。

4万5000円でこんなに広い家に住めるんだ。

他にこんな物件ないだろう。と。

私と彼はこの物件をすぐ契約した。

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ドタバタと始まった恋人との生活。

きっと幸せだろうと思っていた。

だけどこのアパートに住んでから、私と彼の関係は悪化するばかりだった。

私が、引越しそうそう風邪をひいてしまった。

これが始まりだった。

咳やくしゃみがでる訳でもないしと、

無理して仕事に行くが、会社でも「インフルエンザだと困るから」と言われ帰されてしまい。

アパートでゆっくり寝るしかなかった。

だけど…部屋に帰った途端

ここにいるの、いやだな

と思ってしまった

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なんとなく、ただなんとなく

この部屋にいたくなかった。

なんだか

部屋にいると

空間が歪んで見える。

ドラ〇もんのタイムマシンの背景みたいな感じを想像してほしい。

なんか気持ち悪くて

体の調子悪いけど無理やり40キロほど運転し実家に戻った。

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彼にはメッセージにて、実家に帰っていることを伝えていた。

そうすると彼から、「鍵家に忘れたから、鍵だけ借りに行くわ」と返事があった。

彼の職場は実家のすぐ近くなので、間もなく実家に来た。

「なんでマスクしてないの。移ったらどうするんだよ」という彼に少しカチンと来てしまった。

同棲してる以上、移ることは少なからずあるだろうに、冷たく言われたことが嫌だった。

マスクしてなかったのは、ゴメンだけどさ

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同棲して初めての風邪だった訳だが、風邪をひいたことをひたすらLI〇Eで責められてしまい

頭痛い、気分悪い、メンタル不調でここで別れ話。

そこでやっと彼が謝ってくる。

この時、本当に彼と別れてやろうと思うほど体調やメンタル状況が良くなかった。

彼が勝手に窓を開けたのに「窓を閉めて寝ないからだ」とせめて来られたらさすがに腹立つよね。

まぁ後にこの彼とは別れる訳だが

このアパートに住んでからほんとにやばかったのでどんどん書くよ。

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ここでベタな話。

私、隣の部屋、誰か人住んでると思ってたの。最初から。

でもね、いないらしいんよね。

確かにカップルの話声が隣から聞こえてくるのにね。

ちなみにうちは角部屋だったんやけど

どうしても隣から生活音が聞こえるのが気になってた。

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風邪の話に戻るけど

実家近くの病院で検査したらインフルでもコロナでも無かったんだよね

実家にいると体調が戻ってきたので例のアパートに戻った。

普通に仕事に行けそうだったんやけど、アパートに着くとここでまた体調不良。

また無理やり会社行ったけど、様子がおかしいからと帰された。

今回は運転する気力も残ってなく実家には戻れず

倒れるようにベッドに寝転んだ。

2時間くらい寝たのかな。頭痛で目が覚めた。

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今までにないような、鈍器で殴られたような痛み。

体は言うことを聞かずバタバタと手足が動き、暴れてしまってベッドから転げ落ちる。

息も苦しくなり、涙も止まらない。でも体が止まらずバタバタし続けた。

この時、母に電話をかけていたみたいだが、私は電話の内容を全く覚えてない。

自分の体が言う事聞かない。っていう状態だった。

記憶がはっきりしているのは、母から電話がかかってきたところから。

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「今すぐ、その部屋から出てみなさい。すぐに!」と言われた。

母から強く言われたのを拍子に体が自分の意思で動くようになり、走ってアパートから飛び出した。

鍵もかけ忘れ無我夢中でアパートから逃げた。

近くのコンビニに着くと…恐ろしいことに頭痛が全くしないんだよ

ここでまた母から電話が来る

「あんた、私に電話してきた時のこと覚えてる?喋り方があんたじゃなかったよ。なんかおかしかったよ。」

「あんた、あんなに取り乱すことないよね。頭が痛いって泣き叫んでたんよ。子供みたいに。」

と。

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自分はその電話で、母に言ったことを本当に覚えてなく…ただ涙が止まらず体が勝手に動いていたことしか覚えてなかった。

その日は母から彼に連絡してくれて

「A、調子悪いみたいだから実家にまた連れて帰るね。」と。

その時母が、私のことを詳しく話してくれたらしいが、それに対し彼は「それ聞くと怖いけど、俺そういうの何も感じなくて…」と言い、特にアパートを怖がる様子はなかったらしい。

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その日の夜は彼から心配している旨の連絡があった。

今日あったことを正直に伝えた。

彼は、幽霊の類はよく分からない人だが、友人に見える人がいるらしく、私が実家に帰ったあと友達を呼んだらしい(勝手にw)

ただその友人は見えはしなかったものの、「たまに足を引っ張られるのがこわいかなー」と言ったらしい。

高校卒業したばかりの弟がいるんだけど

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弟にこの話をしたら食いついてきて

「俺、見に行くわ!」と言い出し…

がちでうちのアパートに向かった弟。

病み上がりでボロボロな私の前をずいずい歩いてアパートに向かっていく弟。

弟は階段1段目のとこで立ち止まった。

「あぁ、そゆことな。子供の幽霊やね。アパート自体についてるから…部屋についてるとかじゃないわこれ」

と語る弟。

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弟は、自称見える人なんだけど

弟が言うにはこのアパートにいる子供の霊はちょこまか動いてるらしく

特定の場所に居座ることは無いらしい

「子供がこのアパートで亡くなったとか、ないよね?」って言われるが

特に事故物件というのは聞いてなかった。

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この出来事があってから、彼氏との関係はどんどん悪化した。

週末が来る度に喧嘩をしていたくらい。

結局別れたんだけど

同棲して本性を見たって言うよりは

こんな子だったっけ?って言うような終わり方だった。

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同棲してから、怒鳴るようになったり

とてつもなくワガママになったり

自分で車をぶつけたくせに私に八つ当たりしたり

優しい彼はどこに行ったのか?と思うほどに変わってしまっていた。

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ちなみに…

うちの母は全く霊感がないのだが

荷物の回収を手伝ってもらった。

その際に、何か映るかな?

と興味本位でスマホで動画を撮っていたらしい。

その際、母親は膝から崩れ落ち金縛りにあってしまった。

後々動画を見てみると、何故か写っているものが歪んだりモヤがかかっており気味が悪かった。

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別れてからというもの、約2ヶ月が経つというのに彼からは悪口を言われ続け円満な別れにはならなかった。

やはりあのアパートの影響でおかしくなってしまった所もあるのだろうか…

別れたばかりの時までは「戻ってきてよ」「まだ好きだよ」と言ってた彼が

突然豹変し悪口を言い始めたのは

なんだか変な気もするので、正直彼の安否が心配ではある。

Concrete
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