短編2
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再会

俺は5年前、この街を出ていった。

仕事も、彼女も、とにかく全てから開放されて、新しい生き方を手に入れたかったんだ。

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だけどそんな新しい生活にも、もう疲れた。

俺はふと昔、あの街で付き合っていた彼女を思い出した。今はどうしてるだろう?

あの頃は全てが面倒くさかったが、やはり俺には彼女との生活が向いていたんだ。

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俺は今更ながら、彼女とまたやり直したくて帰って来た。

そして今、彼女の家の前にいる。

玄関先に、あの頃、彼女が使っていた傘がまだそのままある。

横の小窓から部屋の明かりが漏れている。

今更どういうつもり?って追い返されるかな。

もう新しい男が出来ちまったかな。

俺はそう考えながらドアをノックした。

しばらくするとドアがカチャッと静かに開いた。中から、彼女がこんな時間に誰?といった表情で顔を覗かせた。

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俺が「久しぶりだな」そう言うと、

彼女は一瞬驚いた顔をしたが

「本当、久しぶりね。きっと貴方は帰って来ると思ってたわ」とドアを開くと、俺を家の中に招いた。

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あの頃と変わらぬ部屋、変わらぬ小さなテーブルを挟み俺と彼女は向かい合った。

「どこにいたの?」

「どうしてたの?」

ぽつりぽつりと聞く彼女の問に俺は答えた。

そして「もう一度、初めからやり直そう」

そう彼女に言った。

暗い部屋をカーテンから差し込む月の光が、ぼんやりと部屋を照らしている。

畳に並べて敷いた布団に俺と彼女は、あの頃の様に並んで寝た。

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それはまるで時間が逆戻りしたかの様に、あの頃のままだった。

俺はふと時計を見たが、それは止まっていた。

彼女に目を遣ると、彼女は背中をこちらに向けて眠っている。

その時、突然彼女が、ふふ…ふふふ…と肩を揺らして小さく笑い始めた。

俺は「なんだよ?」と聞き、彼女の方へ寝返りを打った。

彼女はそれでも何も答えず、ふふ…ふふふ…と、ただ笑っている。

俺は「だから何だよ?!」と彼女の肩に手を掛けた。

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すると彼女は下側になった手で俺の手首を掴み、ゆっくりこちらを向き

ワタシハ

アナタヲ

ユルサナイ

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そう呻くように言った。

その顔は片側が朽ち果て、

白骨と化していた。

Concrete
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@ねこじろう
ねこじろう様、怖いとコメントを頂いて、とても嬉しいです🥰 有難うございます❣️

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あんみつ姫様、怖いとコメントを頂いて、とても嬉しいです❣️ 有難うございます🥰

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