夜闇に跳ねる、白兎。
鼻歌交じりにぴょん、ぴょん、ぴょん。
餌を見つけてぴょん、ぴょん、ぴょん。
餓えには勝てない性分で。
手当たり次第に貪り食べる。
どうやら満足したようで。
食いかけ残して大あくび。
残りは無視して踵を返し、
自由気ままにぴょん、ぴょん、ぴょん。
汚れまみれも気に止めず、住みかを目指してぴょん、ぴょん、ぴょん。
後に残った食いかけは、
ハエの餌になりました。
ブラウン管から漏れ出る殺人事件の報道を聞きながら、ひとりの女は昔話をするかのように、楽しげに
……とさ。
そう呟いた。
作者宵時雨