冬
夜の誰もいなくなったスキー場
その駐車場に車を停めて助手席にいる友人と2人車内で雑談をしていた
笑い話 相談事 愚痴
色々な話を遅くまでしていた
途中、気分転換に車から出て外の空気を吸うことにした
冬の夜
ましてやスキー場の空気は刺すように冷えている
ふと周りを見ると目につくものがあった
雪につけられた足跡
それは近くの林からこちらに近づいてきている
2人のものではない足跡
その行き先は
車の後部座席のドアに向かって伸びていた
気味が悪い
二人はそろそろ帰ることにした
車内にもどって
助手席に座った友人は
後部座席に置いていたカバンに手を伸ばした
掴んだカバンは
雪に埋まっていたかのようにビショビショに濡れていた
作者カスタネット