短編1
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鈴の音

母親が小さい頃の話。

当時一軒家に住んでいた母親の部屋は二階。

となると階段を昇るわけだが、1つ不思議なことがあった。

夜、部屋で寝ていると

チリン…

と階段から鈴のような音が聞こえるのだった。

それも1日だけではなく、毎日のように。

ある日、親が出掛けていて一人で夜を過ごす日に

母親は鈴の音の正体を突き止めようとした。

方法は簡単

階段の踊り場で座って音がするまで待つ。

しかし今日に限って音が鳴らない。

それでも根気強く待ったが音は鳴らなかった。

鳴らないならゆっくり眠れる、部屋で休もう。

そう思い、部屋に入ろうとした時だった、

耳元で

チリンッ!!

と音がした。

今までと違う音だった。

今までは鈴を軽く振るような音。

今のは鳴らした鈴の音を途中で手でつかんで止めるような音だった。

身も凍るような思いで部屋に滑り込み、布団に隠れた。

結局その音の正体は分からなかったが、母親は恐らく動物霊だろうと言っていた。

遊びのつもりなのだろうか?

やられたほうはたまったもんじゃない。

Concrete
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