夜の公園にいた一人の少女

短編2
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夜の公園にいた一人の少女

母親から聞いた話。

当時住んでいた家の前には公園があった。

滑り台、ブランコ、ジャングルジム。

ある程度は揃っている公園だった。

ある日、母親はそこに俺を連れて砂場で遊ばせていた。

夕方近くということもあり自分達以外には誰もいなかった。

それでも俺は一人で楽しそうに遊んでいたらしい。

そして辺りが暗くなり始めた頃、母親は俺に

「帰るよー」

と声をかけた。

俺は「わかったー」

と母親の方に走っていった。

母親の元に着き、手を握って、

後ろを振り返った。

「バイバイ!」

俺は誰もいない砂場に向かって手を振ったらしい。

母親は血の気が引くような思いで家に駆け込んだ。

別の日

夏の夜だった。

母親は近くの自販機に飲み物を買いに出た。

歩いても30秒ほどで着く近い場所にあった。

それでも家の前の公園はみえてしまう。

買いに行く時は何もなかった。

それは帰るときだった。

ふと、公園に目をやると

女の子が一人いた。

ブランコの近くに。

ブランコは誰も乗っていないが大きく揺れている。

女の子はじーっと揺れるブランコを見つめていた。

(なんでこんな時間に…?一人で…)

母親は不思議に思ったがおかしなところに気づいた。

気づいてしまった。

その女の子は着物を来ていた。

時間も夜遅く。

その女の子は公園にいた。

一人で。

(生きてる子じゃない…?)

そんな考えが頭を過った瞬間。

ブランコが止まった。

(まずい)

と本能的に悟った母親は慎重に家に帰った。

決して公園を見ないように。

Concrete
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