短編2
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寂しがり

彼女の命日を迎える度、思い出す出来事。

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あの日、些細な事で喧嘩をし

夜中、家を飛び出した俺を

きっと、捜しに来ていたんだろう。

それからサエは帰ってこなかった。

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交通事故だった。即死だった。

深夜のその広い道路は、車通りも人も少なく

ドライバーもそれなりの速度で走っていたことだろう。

歩道橋がある為、歩道に死角が出来やすく

歩行者信号が無い為、歩行者が歩道の隅から出てきて・・・

なんて事がよくある場所だった。

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俺「だから夜中は外に出るな。って約束したのに・・・な」

すっかり葬儀なども終え、俺は彼女の遺影の前で呟いた。

涙も出なかった。ただただ後悔でいっぱいだった。

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それからある程度の月日が流れ、

少しずつ俺は前の生活を取り戻し、仕事に出ていた。

その頃からだろうか。毎晩、サエの姿を見かけるようになった。

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いつも切ない顔で何かを何度も呟いている。

「・・・・こ・・・・う・・・・こう・・・・」

俺の名前はコウジ。サエには「コウ」と呼ばれていた。

俺『(サエは今でも俺を捜しているのだろうか・・・)』

そんな風に思いながら、何も出来ない俺は黙ってサエを見つめていた。

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サエには俺が見えていないのだろうか?

いつも切ない顔で部屋に立ち、何かを呟いている。

何か伝えたいのだろうか。どうにかしてやりたい気持ちでいっぱいだった。

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ある日の事、ふと気が付いたんだ。

サエの言葉が段々ハッキリと聴こえる様になっている事。

だから俺は、サエに話しかけられる様な気がしてさ

サエに向かって言ったんだ。

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『俺はここに居るよ。心配しなくても大丈夫だよ・・・』と。

そうしてサエの言葉に耳を傾けた

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サエは切ない顔で、俺の方を見た。

薄らと笑みを浮かべて呟いた。

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イコウイコウイコウイコウイコウイコウイコウイコウイコウイコウイコウイコイイコウイコウイコウイコウイコウイコウ 一緒に

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