百物語【第十一話~十三話】

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百物語【第十一話~十三話】

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ロビたんと沙羅ねぇのお話が怖すぎて、アタシのお話をさせて頂くのが恐れ多いのですが。。。

よろしければ、箸休めにお聞きください。

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【十一話目】

今から半月程前のお話です。

その頃、アタシは重度の不眠症と、悪夢に悩まされていました。

不眠症といっても全く眠れないという事はないのですが、とにかく夜は絶対に眠れなくて。

目も開けていられない程に眠いのに、頭が寝ないんです。

必死に目を瞑り、寝ようと試みるものの、明け方近くまではどうしても眠れない。

なんとかようやく明け方近くに眠っても、悪夢に魘されて1時間おきに目が覚めてしまうんですよね。

悪夢は毎回はっきりと内容を覚えていて、目を覚ますと激しい動悸とパニックに見舞われていました。

この頃頻繁に見ていたのは、ゾンビの群れに襲われる夢でした。

それも、よく知る人ばかりなので、夢から覚めても現実との区別が付かずにパニック発作を起こしていました。

そして━━━、毎回必ず、体が動かなくなっていて、恐ろしい程の睡魔に襲われるんですよ。

心臓がドキドキ言って呼吸もままならない程苦しいのに、起きようという気持ちに逆らって寝てしまうんです。

その日も、やっと眠りについたと思った矢先に悪夢に魘されて目を覚ましました。

体が動かせず、恐怖でパニックになりながら、自分の意思で開けられない瞼の向こう、自分の顔の前に、黒い人影があるような気がしました。

ええ、そうなんです。悪夢に魘されて起きると必ず、自分の体のすぐ近くに、人の気配を感じるんですよ。

それも、生きている人間のそれとは違う、実体を持たないナニカの気配。

アタシの感じたイメージは、悪意を持った女の人でした。

その女の人が、アタシの顔の目の前で、顔をものすごく近づけて覗きこんでいるような感じ。

アタシはこの気配が一番恐怖でした。

早く起きなくては。

そう思うのに、体が全く言う事をきかなくて。

それどころか、あれほど必死になっても眠れなかったのに、今度は起きていられないんです。

おまけに寝入るとすぐに悪夢の続きが始まります。

うつらうつら。。。とした瞬間にまた夢の続き。魘されて目を覚ます。起きようとしても体が動かずまた睡魔に襲われる。

これを何度も繰り返して、再び眠る事への恐怖、それに加えて得体の知れないナニカに覗き込まれる恐怖で精神的に追い詰められ、渾身の力を込めて死にもの狂いで起き上がるんですけど。。。

起き上がっても、あまりの恐怖でしばらくは落ち着きません。

ベッドにそのままいる事さえ怖くて、台所でお茶を飲んだり、タバコを吸ったりして気を紛らわせていました。

あまりにも毎日悪夢に魘されるので、睡眠不足によるストレスが限界を超えて、アタシはある人物に助けを求めました。

麗菜という、アタシの友人です。

彼女は、本人は認めませんけどかなり強い霊感を持っています。

昼夜関係なく悪夢に魘され続けている事、悪夢から目が覚めると妙な気配があって、怖くてその場にいられない事などを話しました。

応急処置的に、枕の下に鏡を入れて眠るように言われて、すぐに試してみました。

そうしたら、ゾンビの夢はそれっきり見なくなりました。

でも、それ以外の悪夢は見るんです。

殺されかけているような恐怖こそ感じないものの、得体の知れないナニカに追い回される、気分の悪い夢でした。

そしてやっぱり起きると動けなくなっていて、あの嫌な気配もあるんです。

しばらく様子を見ていましたが、家の中にナニカがいるような不安が拭えず、再度相談しました。

色々話していくうちに、どうもそのナニカは押し入れにいるという事がわかりました。

そして、女の人の他にも、男の人もいると。

でもその男の人の方はそれほど強いわけではなかったそうで、麗奈さんが持ち帰ってくれました。

問題は、女の人の方らしく、結構タチが悪いかもしれないと。

とりあえず、押し入れの中を綺麗に整頓する事と、ペーパーナイフのような小さな物で構わないので包丁を用意し、正方形に切った半紙を対角線で三角に折り、その折り目の部分に包丁の刃を当てて包んだ物を、枕の下に入れ、刃先を押し入れの方向に向けておくようにと言われました。

睡眠不足によるものなのか、体調がすごく悪くなっていたので、押し入れの整頓は翌日にまわし、包丁を枕の下に入れて眠りました。

その夜━━━━━、アタシは久しぶりに、朝までぐっすりと眠る事ができたのです。

普通に眠れる事が、そして不安もなくスッキリと起きられる事が、これほど嬉しかったのは人生で2度目です。

彼女に報告がてら連絡をいれると、持ち帰った男の人は、ある方法を用いて消滅させたとの事でした。

今は、悪夢を見る事もなくなりましたが、まだあの女の人がどうなったのかはわかりません。

麗奈さんにも、まだ捕らえる事ができないらしいのです。

もう、諦めてどこかに行ってくれていると良いのですが。。。

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【十二話目】

先程の話の、続きのような感じになるのですが。。。

アタシは某サイトで、怖い話を作って投稿する事が趣味なのですけどね。

悪夢に悩まされていた時から少しずつ書いていた作品が完成し、あとは投稿するだけの状態でした。

しかし、悪夢から解放されるべく、麗奈さんと何度もやり取りをしている時でもありましたので、優先すべきは何かを考え、投稿は保留している状態でした。

無事悪夢から解放されたようでしたので、麗奈さんとのやり取りが終わった数日後、アタシはその作品の仕上げに取り掛かりました。

場面場面のイメージに近い画像を挿入していき、最後に完成品として確認をしてから、公開します。

麗奈さんも某サイトでの交流を趣味としており、すぐに読みに来てくれました。

そして━━━━━━━

投稿してからそう時間も経たないうちに、麗奈さんから連絡が入りました。

「あれ、どこで調べたの?」と。

その作品には、構想を練っていた時から使いたくてたまらなかった、ある呪文を登場させていました。

そしてその呪文を用いた時にふと浮かんだ、印も使用していました。

神様の名前も入っている呪文なので、使い方に誤りがあったり、失礼があってはいけないと、ネットをあちこち彷徨って膨大な量の資料を調べた末に選んだ呪文です。

彼女にそれを説明すると、

「あの呪文、まりかちゃんの所から男の念を連れ帰った時に、まさにあの呪文を使ったんだよ私!それに印も使ってたから、あの作品読んですごくびっくりしたんだよ!鳥肌立っちゃった」

と、少しだけ興奮気味にそう教えてくれました。

彼女とは普段から、色々とシンクロする事が度々あって、「まるで双子みたいだね♫」なんて話していたのですが、この時は本当に、アタシ達はチャンネルが合いやすいのだなと、感慨深くなりました。

全然怖くはないお話ですが、麗奈さんが呪文を唱えていたであろうまさにその時、アタシも、同じ呪文を作品の中に書き込んでいただなんて、ただの偶然とは思えない、そんな体験でした。

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【十三話目】

これは、今から20年以上も前のお話です。

当時アタシの家は、100名程のお客様をお迎えできる広さの中華料理店を営んでいました。

過去作でも数回書いた事があるのですが、このお店は土地が悪く、良くない物が巣食っていたようなのです。

それなりに集客できていた頃は、人間関係のトラブルが絶えず、常に何か揉め事が起きていました。

その後養父が愛人を作り、家にも店にも姿を見せなくなった頃から、雇用していたアルバイトのコックがいい加減な料理ばかり出す事をいくら注意してもやめなかった為、一時期は本当に存続が危なくなった事もありました。

その為やむを得ずアルバイトを全員解雇して、身内だけで切り盛りするようになった頃の事です。

世間ではバブル崩壊で連日テレビや新聞では不景気が騒がれていましたが、アタシの住んでいた土地にバブル崩壊の波が押し寄せて来たのは、それから更に数年後でした。

アタシ達の土地も遂にバブルが崩壊し、軒並み倒産していく企業や飲食店を見ながら、うちも例外ではありませんでした。

100名ものお客様をお迎えできる程の広さのお店に、お客様が誰も来ない日も珍しくなくなっていきました。

営業していても、わかりにくい造りになっている為、以前から一見さんはほとんど来ない状態でした。

毎日予約も入らず、かと言ってお店を閉めておいたら収入の見込みが完全なゼロになる為、来るはずもない一見さんを待ってお店を営業する日々。

予約のない日は、みんなで座敷で寛ぐのが恒例となっていました。

その日も、全く予約はなく、時折下まで降りて街の様子を見に行っても、繁華街にも関わらず閑散としており、一見さんさえ見込めそうもない状態でした。

お店に戻り、アタシと母、従姉妹のお姉ちゃんは「南京の間」で、コック代わりの叔父は、部屋の名前を忘れてしまったのですが通路を挟んで向かい側の部屋で寛いでいました。

午後11時、もうお店を閉めて帰ろうという事になり、叔父以外は後片付けをする為、座敷からホールの方へ移動したのですが。。。

ほんのしばらくしてから、叔父が、真っ青な顔をして部屋から走り出て来たのです。

あまりの慌てぶりに、アタシ達は口々に

「どうしたの?」

などと尋ねました。

叔父は、両腕を激しく擦りながら、

「ああーーー!怖かった!」

と。。。

━━アタシ達がホールへ移動した後も、叔父は新聞を読んでいたそうです。

アタシ達女性陣がいなくなったことで、無音になった座敷に、叔父が捲る新聞紙のパラパラという音だけが聞こえ━━━━

突然、左の耳元で、

「く や し い 。。。。」

という、掠れた女の声がしたそうです。

いきなり左半身に鳥肌が立ち、慌てて飛び出て来たという事でした。

よほど怖かったのでしょう。

叔父が先程までいた部屋の間接照明だけが、ぼんやりと通路を照らしていました。

まさか電気をつけたままで帰るわけにもいかないので、何故かアタシが消しに行かされ、生きた心地がしませんでした。。。

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残り二話ありますが、長くなったのでここで一旦終わらせて頂きます。

ご静聴頂き、ありがとうございました。

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バンビさんこんばんは(*´ω`*)
コメント怖ポチありがとうございます♡
楽しいですねぇ、イベント(*´艸`*)
大好きですイベント♡
まだ募集枠残ってるから、バンビさんも参加すれば良いのにー(*´ω`*)
待ってますよ(ΦωΦ)フフフ…

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夏にぴったりのこの祭り
3話目がジワ〜と恐怖を誘います
大好きな方達の短編がこんな形で読めるなんて嬉しいです‼️
まりかさんの新作だし
後の2話も楽しみにしてます〜

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Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎
Ⓜ︎Ⓜ︎ひひひⓂ︎Ⓜ︎Ⓜ︎
Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎Ⓜ︎

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そのMしかないのよー
○で囲まれたMが。。。
ロビたんがそんなややこしい名前にするのが悪いんだ!ヽ(`Д´)ノプンプン

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ラグトさんコメント怖ポチありがとうございます♡
( ゚Д゚)ウヒョーお褒めの言葉、めちゃ嬉しいです(*´艸`*)

百物語、実話引っさげて来られる方や、実話に思えるように構成されたお話を引っさげて来られる方の後に、残りの2話を投稿しなければならないプレッシャーに((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルしておりましたが、何が怖いって、皆さんから「残りの2話も楽しみにしてます♫」って言われてハードルがどんどん上がってる事です( ºΔº )〣
が。。。頑張ります。。。( ;∀;)

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怪談前後の前置き等が入って百物語のイベントっぽい感じがさらに増しましたね。
まりか様の実体験も生々しくて百物語にはぴったりで怖かったです。
残りの二話も楽しみにしています。

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ととととともすけさん!!
なにそれ怖すぎますよ!そんなのに慣れちゃっただなんて。。。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
そのお話は、ぜひ百物語で!w

キヨミン、コメント怖ポチありがとう♡
お股がキューンとなるほど怖がってもらえて、めっちゃ嬉しい♡

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