ろっこめ版『よくわかる古事記』⑥

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ろっこめ版『よくわかる古事記』⑥

『天孫降臨』

~高天原のプリンス降り立つ~

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大国主が出雲の国を治めることになり、大国主もなかなかの手腕を発揮して、それなりに安定してくると、高天原のアマテラスが

「地上の方も私のムチュコタンが治めた方がいいんじゃね?」

と思い立ち、使者を派遣して速やかに国を明け渡すように要求します。

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使者「大国主よ!アマテラス様に国を明け渡せ!」

大国主「これはこれは!ようこそお越しくださいました…せっかくなので、うちの国を見てってくださいよ」

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アマテラスからの使者の突然の来訪に慌てることなく、大国主は使者を上手いこと手なずけてしまいました。

さすが、何度も死地を乗り越えてきただけあります。

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使者を使わしてから、しばらくすると、アマテラスが気づきます。

「アイツ、遅くね?」

それもそのはず、使者を派遣してから三年も経過していたんですから。

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三年間放ったらかしたアマテラスもですが、使者も使者です。

仕事の基本である、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)をガン無視して出雲に入り浸るポンコツ使者に、

アマテラスは若干ナメられてるのでは?と思いつつも、使者のおかわりを追加します。

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今度の使者には天之麻迦古弓(あめのまかこゆみ)と天之羽々矢(あめのははや)というスゴそうな武器まで持たせました。

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使者テイク2「大国主!さっさと国を譲るのだ!!」

大国主「まぁまぁ遠いところお疲れ様です!…ささ!こちらに宴の準備をしておりますので」

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この使者テイク2も、大国主にまんまと丸め込まれ、さらには娘を嫁にもらうなどして、

「このままオレがここを統治したろ!」

などと、チョロい上に簡単に上司を裏切ろうとする、なかなかのクズっぷりを見せつけました。

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一方、二人目の使者が行ってから何の音沙汰もないことが気になったアマテラスは、側近に訊きます。

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アマテラス「アイツ行かせてからどのくらい経った?」

側近「八年くらいですかねぇ……」

アマテラス「いや、のん気か!!」

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それは貴女も含めてですよ?という正論はさておき、自身のカリスマ性に自信を失いそうになったアマテラスは、

「ちょっと誰か訊いてきて!」

と、使者に使者を出すというイカつい二度手間を焼く羽目になりました。

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使者への使者が、使者テイク2を呼び出すと、そこに居合わせたアマノサグメ(天邪鬼の語源らしい)という神に、

「アイツ、うるさいから殺っちゃえば?」

とそそのかされ、使者テイク2は使者の使者をアマテラスから授かった弓矢で射殺してしまいます。

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その矢は高天原まで飛んでいき、血のついた矢を見たアマテラスは

「ペロッ……この矢は、アイツに持たせたヤツ!!」

本当は舐めたりしてませんが、矢が持たせた物なのは間違いありません。

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いぶかしく思ったアマテラスは、使者に向けて

「あんにゃろぅに謀反の意志があったら刺され!」

という、祈りだか気合いだかを込めて、矢を投げ返しました。

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そして、それは見事に命中し、使者テイク2は胸を射抜かれて即死しました。

つまり、裁判の判決を待たずして死刑になった感じです。

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「もうアカン!こうなったらエリート送ったろ!」

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オコのアマテラスは、ついにアマテラスの懐刀『タケミカヅチ』が出雲の国に出陣します。

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刀の神タケミカヅチは、砂浜に剣を逆さに突き立て、その切っ先の上であぐらをかくという、ヨガの達人でも八億年修行して出来るかどうかの荒業で大国主を待ちます。

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タケミカヅチの斬新な待ち姿に、二つの意味でヤバいヤツがやって来たと思った大国主も、今度ばかりは観念し、判断を息子たちに丸投げしました。

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タケミカヅチはバカンス中の長男コトシロヌシを強制的に呼びつけて、クラスメイトのたけしくんの給食費を盗んだ犯人を探す担任くらいの威圧感で迫ります。

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コトシロヌシは、タケミカヅチのヤバさを敏感に察知し、二つ返事で了承しましたが、次男のタケミナカタはタケミカヅチに突っかかりました。

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「おぅおぅ!何処の誰かは知らんけど、勝手なこと抜かしとったらシバいたんど!」

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タケミナカタがタケミカヅチの腕をむんずとつかむと、タケミカヅチは腕を氷柱(つらら)に変え、腕から離れなくしてから、すかさず剣に変えて切りつけます。

まさに未来から来た液体金属製のサイボーグのような攻撃です。

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そして、次は俺のターン!とばかりに、タケミナカタの腕をつかむと、そのまま腕を引きちぎって放り投げてしまいました。

刀の神であるタケミカヅチは、二つの意味で『よくキレる』ようです。

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そんな、触る者みな傷つけるギザギザハートのリーサルウエポンこと、タケミカヅチの真の恐ろしさがわかったタケミナカタは、

科野国(しなののくに=今の長野県あたり)の洲羽海(すわのうみ=おそらく諏訪湖のこと)まで逃げます。

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しかし、すぐさま追ってきたタケミカヅチにぶち殺されそうになり、

「ぐにば譲りまずがら、ごろざないでぐだざいっ!!」

と、穴という穴から何かの汁を出しながら懇願し、国を譲ることを約束しました。

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タケミカヅチにすっかりビビったタケミナカタは、出雲に帰ることなく、そのまま諏訪大社の御祭神になります。

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かくして、余計な手間はかかったものの、出雲の国の統治権は高天原へ委譲されることになりました。

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この時、ちゃっかり者の大国主は

「住む所だけ作ってもらっていいッスか?」

なんて交渉して、作ってもらったのが『出雲大社』(いずもおおやしろ)です。

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転んでもタダでは起きないあたり、なかなかの策士です。

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タケミカヅチが上手いことやってくれたおかげで、出雲の国の新たな統治者として、アマテラスの息子が行くはずでしたが、その息子は

「うちの息子に任せませんか?」

と辞退した上に息子を指名したので、アマテラスの孫ニニギが行くことになりました。

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意気揚々とニニギが降り立ったのは、高千穂(現在の宮崎県にある山)でした。

そこ、九州やないか!

と言われても、そう書いてあるんですから仕方ありません。

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でも、このちょっとおっちょこちょいなニニギこそ、現在まで続く皇室の祖なのです。

続く?

Concrete
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