以前、友人達から聞いた話を、少しずつ、ご紹介したいと思います。
nextpage
[1・ぐるぐる]
友人のAさんは、お父さんがそこそこ大きな会社の社長さんで、庭の広い大きな家に家族4人で住んでいました。
部屋数は有るのに、小学生の頃、Aさんは妹さんと同じ部屋で寝ていたそうです。
nextpage
勉強机を2つ並べ、その前にお布団を並べて眠っていたそうです。
その日も宿題と復習を終え、お布団を敷き、妹さんと眠っていたそうです。
nextpage
夜中、何か物音がして起きたAさん。
何の音かと、顔を音のする方へ向けると、勉強が終わった後に机の中にしまった筈の椅子がAさんの頭のすぐ上にあり、それがぐるぐると音を立てて回っていたそうです。
nextpage
寝ぼけていた事もあり、(なんだろう?)そう思い、回る椅子をしまわなきゃと、布団を持ち上げようとした所…
ふと、気付いたそうです。
nextpage
(誰が椅子を出したのか?
Aさんより先に寝ていた妹がする訳ない。
お父さんかお母さん?
そんな筈ない。)
そう考えた所で疑問は恐怖に変わったそうです。
nextpage
そして、未だ回り続ける椅子を見ると、そこには座る誰かが。
椅子と一緒にぐるぐる回っていたそうです。
恐怖でパニックになりつつも、Aさんは回る椅子と、その椅子に座る人を布団の中から眺めていたそうです。
nextpage
スカートから覗く白い両足。
それがぐるぐると回り、猫背気味に背中を丸めているが…
その者には、首から先に有るべきものがなかった。
頭だけがなかったそうです。
nextpage
Aさんは、そのまま気絶し、気付いたら朝になっていたそうです。
妹さんに聞いても、眠っていたから知らない。見ていない。
お母さんに聞いても、そんな夜中に行っていないし、椅子を回してもいない。
nextpage
ただ、幽霊を視たんだろうなぁと思ったそうだが、何も分からないので、そのまま忘れた。
nextpage
[2・影]
Aさんの続編。
回る椅子に座る、頭のない女性を見てから数年経ったある日。
既にAさんは中学生になっていた。
nextpage
あの事があってから、暫くは夜が怖かったそうだが、思春期になり、記憶も薄れて来たある夜。
nextpage
又、夜中に目覚めたAさん。
前の事があったからか、先ずは椅子が回っていないかの確認をしたそうだ。
だが、椅子は寝る前と同じ位置に、ちゃんと机の下にすっぽりと収まっていた。
nextpage
それで安心したAさんは、身体を横向きにして目を瞑り、寝ようとした時に、違和感を感じたそうです。
窓にはカーテンがかかっているが、月の明かりが薄らと白い壁に反射し、浮き立たせている。
それはいつもの部屋の中と同じ状況。
nextpage
だけど、その日は白い壁に、ポッコリと、まるで影の様に女の頭が浮かんでいた。
暗くてよく見えないが、横を向いた女の顔。
目鼻立ちも分からず、白い壁に浮かんだ影の様だったそうです。
nextpage
その口は小さく、なにかを呟く様に動いていたそうですが、声はおろか、なにを言っているのかさえも聞こえなかったそうです。
そして、又してもAさんはそのまま気絶。
nextpage
回る椅子に座っていた、頭のない女と、壁に浮かんでいた頭だけの女。
果たして、それが同一人物なのか、何を訴えようしているのか、家の建つ前に何か有ったのかまるで分からないと、Aさんは言っていました。
作者鏡水花
若い頃から、霊感のある友人に怖い話をしてとおねだりしていた私が、直接聞いた話を、少しずつまとめてご紹介して行こうと思います。
酒の肴として、わぁ〜きゃ〜言いながら聞いた話が殆どですが…⊂( ・ ̫・ )⊃
この度もお読みくださった全ての方へ
ありがとうございました(๑Ő௰Ő๑)❤️