今日もあの子の机には花が飾られている。
毎日誰かが水を替え、花が萎れてくれば新しい花に入れ替える。
ことの発端はイジメだろう。
最終的には命を失う形になった。
誰も止められず、時間は過ぎてしまった。
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あれから一週間。
クラスのA子がよく休むようになった。
ある日から花が飾られている。
あの子の机に飾られている花と同じ花だった。
悪いイタズラだと問題になったが、結局犯人は分からないまま。
水を替え、花を替え。
それから少しして、A子は亡くなった。
自殺だったらしい。
相変わらず、花は綺麗に咲いている。
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今度はB子が休むようになった。
そうなると、花がB子の机に飾られるようになった。
今度はB子が死んでしまうと噂になった。
これを重く見た学校は花を飾る人を突き止めることになり、教師が見張ることになった。
見張るといっても、花が新しくなるのは翌朝だから、子どもが下校をしてから夜までだ。
それで解決するかわからないが、糸口にはなるかもしれない。
早速始まった。
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一日目…
夜の10時まで見張っていたが、何も異常はない。
翌朝は花に変化はないが、水が入れ替えられている感じがある。
二日目…
夜の10時まで見張ったが異常なし。
三日目…
夜の10時まで見張ったが異常なし。
四日目…
夜の10時まで見張ったが異常なし。
しかし、翌朝には新しい花にかわっていた。
信じられない教師達は、二名体制で夜も見張ることにした。
その一日目…
何も異常はない。
二日目…
教師二人で見廻りをした。
その教室の前に着いた時、教室の中に何かがいる雰囲気を感じ取った。
証拠が必要であるため、一人の教師はカメラを構えた。
教室の扉を一気に開き、誰だ! と叫ぶ。
そこには…
髪は乱れ、目が血走り、ボロボロのジャージを着た女性が机の花を差し替えている。
教師は怯んだが、写真を何枚も撮影した。
その女性は奇声を発しながら教師に迫ってくる。
怖くなった教師二人はその場を逃げた。
逃げながら警察に電話をし、学校に向ってもらった。
警察が来るまでの間、二人は必死に逃げまわった。
やがて警察が到着して二人は無事に逃げ切れたことになる。
撮影した写真を警察に見せ、この経緯を説明する。
翌日には全貌が明らかになり、犯人は捕まった。
それと同時にB子も遺体で見つかる。
自殺だった。
捕まったのは、最初に自殺した子の母親だった。
イジメを苦に自殺した娘の復讐だった。
しかし、花を替えているだけでどうやって人は死ぬのだろう。
それは、母親宛てへの手紙に書かれていた。
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お母さんへ
私はイジメにあっています。
もう、辛いので楽になります。
一つだけ、お母さんにお願いがあります。
私が死んだら、教室の私の机に花を咲かせてください。
そして、後ろの机には一週間後に花を咲かせてください。
その一週間後には右側の机に花を咲かせてください。
お母さんが悲しむから、私が連れて行きます。
お母さん、ごめんね。
こんな内容だった。
母親は精神に問題有り。
手紙以外に分かるすべはない。
花を咲かせて引きずりこむ…
何も解明されていない。
作者げげげの怖男