妻が亡くなった。
連れ添って10年。楽しい時も、哀しい時も、辛い時も、苦しい時も、いつだって隣には妻がいた。
明るくて優しい、気の利いた妻だった。それが突然の交通事故で亡くなるなんて…誰が想像出来ただろう。
妻のいない家の中はガランとしていて静かだ。掃除好きな妻がいなくなったため、床中にゴミが散らばっている。カーテンもずっと閉めっぱなしだから、空気がどんよりと重い。
俺は仏壇を見た。遺影の妻は楽しそうに微笑んでいる。そうだ…遺影に使われた写真は、去年旅行に行った時に撮ったものだ。
俺は泣いた。
わんわん泣いた。
…どうしてお前だけ天国に行けたんだよ。
作者まめのすけ。