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短編2
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二十歳まで。

今から2年前ーーー中澤君が高校3年生の時のことです。

学校から帰ってきた中澤君が1人留守番していると、母親が帰ってきました。

その顔は青ざめており、表現も随分険しいものでした。

母親は中澤君を呼び寄せ、「これから大切な話をするから、真面目に聞きなさい」と切り出したそうです。

母親が語った話の内容は次のものでした。

その日、いつものように仕事を終えた母親は、車に乗って帰宅する途中でした。ふとバックミラーを見ると、黒い人影が後部座席に座っていたそうです。

モヤモヤとした濃い霧が人型をとっているような…さんなわけの分からない、不気味なものがいたのです。

「これは生きている人間じゃないーーー怪異だ」

母親は瞬間的に察知したそうです。すると人影が言いました。

「私は死神。お前を迎えに来たのだよ。お前はこの後、事故に遭って死ぬ運転なのだから」

「し…死ぬんですか?私が?」

「そうだ。だから私がここにいる」

その時、母親の脳裏を掠めたのは、1人息子である中澤君のことでした。

早くに夫を亡くし、女手1つで育ててきた中澤君のことを思うと、どうにも死に切れません。

母親は一か八かこんな条件を出しました。

「待って下さい。私には息子がいて、まだ高校生なんです。あの子が二十歳になって自立するまで、何とか待って頂けませんか」

必死の思いで頼み込むと、「ではあと2年後だな。分かった、待ってやろう」そう言い残し、人影は消えたそうです。

話し終わると、母親は険しい表情のまま、何度も中澤君に言いました。

「分かった?私はあと2年、2年しか生きられないんたからね。その後のことは、あんたが自分で何とかするしかないの。いい?しっかりしないとダメよ…」

今年の秋。

中澤君は誕生日を迎え、二十歳になる。

Concrete
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バニー様。コメントありがとうございます。

人間の寿命が予め決まっているものだとすれば…それは切ないですよね。

因みに私は親友から「あんた、神経ほっそいから早死にするタイプだよね(笑)」と言われました。

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