1人暮らしの寂しさを紛らわせるため、インコを飼うことにした。名前は「ピピ」。
ピピは人間の言葉をすぐ覚えた。「オハヨー」から始まり、「コンニチハ」「オカエリ」「オヤスミ」…よくお喋りしてくれるので、話し相手が出来たみたいで嬉しかった。
ある夜、ガサガサとした物音で目が覚めた。
何だろう…と耳を澄ませる。
ガサガサ…バリッ、ボリボリ…
電気を付けてみる。音はどうやらピピがいる鳥籠の中からしているようだ。
「ピピ…?」
そっと名前を呼び、籠の中を覗き込む。
ピピがえらい勢いで餌を貪っていた。
なあんだ、びっくりした…。安堵の息を吐いた瞬間、ピピが視線を上げ、私を見た。
そして目を細め、ニヤリと笑うかのような表情を浮かべると、
「ミタナ」
そう呟いた。
作者まめのすけ。