これは、成宮さんという女性が実際に体験したという実話である。
成宮さんは幼少期の頃から英会話を習っていた。
そのため、グングンと語学力が身につき、中学に上がる頃には、日常会話が英語で喋れるくらいになっていた。
大学生となった成宮さんは、2年生の時、アメリカに留学した。アメリカの大学では、ノートを取るのではなく、パソコンに打ち込むのが常識だ。なので彼女も小さなノートパソコンを購入し、それを授業で使っていた。
ある日のこと。カフェでレポートを仕上げていた彼女は一旦休憩を取ることにした。注文していたアイスティーを口に含み、しばらくぼんやりしていた。
その時、彼女は大学の友人から教えて貰った、あるサイトの存在を思い出した。それは俗に言う「犯罪サイト」というものである。
サイトの管理人は自称「俺は今までに50人は殺した犯罪者」であるらしい。彼は自分が殺した人間の画像は勿論、被害者の名前、殺害現場や殺害方法なども詳しくアップしているという。
何となく興味をそそられた成宮さんは、早速そのサイトにアクセスした。
「うわっ…」
のっけから彼女は声を上げた。ホームページからしてグロテスクなものだった。片腕や片足がないという、激しく損傷した人間の画像で飾られていたからだ。
「diary」と記された欄をクリックしてみると、生々しい犯罪状況を綴った日記と、目を覆いたくなるような痛ましい人間の画像が出てきた。
その画像は、どう見ても合成されたものではなかった。リアルを感じた成宮さんは、すぐさまそのサイトを閉じた。
額に浮かんだ冷や汗を拭うと、パソコンに1通のメールが来た。日本にいる家族か友人からだろうと思い、彼女はメールボックスを開いた。
そこには何故か成宮さんのステイ先の住所が書かれており、更にその下には赤い英文が1言、
「The next is you」
…成宮さんはパソコンを処分すると、その日の内に日本へと逃げ帰った。
作者まめのすけ。