短編2
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音声認識プログラム

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俺の身に起きた不可解な現象を投稿させていただきます。

このサイトに投稿された怖い話を読んでいるうちに、俺にも創作意欲が湧いてきました。

「何書こーかなぁ?…あ、そうだ。」

俺は自身のある体験を思い出し、早速執筆に取り掛かりました。

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「〜〜〜。そして、」

俺なりに工夫して書いたその話は、大分終わりに近付いていました。

「…よし、出来た。投稿しよう。」

投稿のアイコンを押そうとしたとき、ふと思いました。

「なんかベタな話だ。どうせならちょっと捻った話にしよう。」

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俺は自身の体験談に少し創作を加え、話を完結させました。

「俺にしては中々の出来だな。」

上機嫌で投稿しようとした、その時。

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突然液晶画面がブラックアウトし、人の顔が映りました。

「うわぁぁぁっ‼…って俺じゃん。」

タイミングがタイミングでプチパニックに陥った俺。

「バグかな…?それとも電波障害?」

原因など、電子機器初心者の俺には皆目分かりません。

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それでも色々いじっていると、音声認識プログラムのSiri(iPod touchで書いているので…。)が起動してしまいました。

「あ、マズイマズイ。」

すぐ切ろうとしましたが、Siriは何やら認識したようでした。まあ、認識してたとしてもさっきの俺の声くらいだろう。そう思って画面を見ていた俺は絶句しました。

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画面に表示されたのは、たった一言。

「適当な事書かないで」

Siriの「残念ですが理解出来ませんでした」という言葉がまた怖くて、俺はそのままiPodの電源を切り、風呂に入ってしまいました。

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風呂から上がり、好奇心に駆られた俺は懲りずにiPodを手に取りました。

「…あれ?」

無い。怖話のアプリが無いのです。という事は俺の努力の結晶であるあの話も⁉

結局アプリはもう一度インストールし、アカウントも作り直しました。(話は勿論おじゃんになってしまいました…。)

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それで今この話を書いています。「書くな」と言ったのは、誰だったのでしょうか?

で、その出来事自体を書いてしまった俺は…。

バカですね。

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バケモノガタリ様、コメントありがとうございます。いやぁ、彼等のような存在を甘く見てはいけませんね…。身をもって知らされました。やはり体験談はありのままを書くのが1番、という事なのでしょうか…?

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もしかしたら「人ならざる者」も、このサイトをチェックしているのかもしれませんね。
下手に作り話を投稿しようものなら取り憑かれるかも・・・

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