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中編7
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背中を向けるな(実話)

初めて投稿します。upaです。

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初めての投稿なので文の構成が変かも知れませんが目を瞑って下さい。

彼の目線で書いていきます。

もう一度言います。

これは本当にあった出来事なんです。

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「まじで行きません?」

「お前はあの場所の危険度知らねぇの!?やめとけ」

「いいじゃないスか!!T先輩!!まさか先輩…ビビってんすか!?」

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俺を止めるT先輩と、先輩を焚き付けるA。

「…別にビビってねーけど、知らねーからな?」

Aの挑発にのっかった先輩は

渋々了承した。

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俺は中学の時からヤンチャな男で警察のお世話に何度もなった事がある札付きの悪だった。

高校は一応行っていたが、毎日の夜遊びはやめられなかった。

今日もクソ暑い真夏の夜でAとバイクを転がし、一息ついていた時にT先輩と合流した。

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先輩は車も持っていて、他の先輩達に比べたら取っつきやすい先輩で

よく3人でつるんでいた。

そしてこのクソ暑い時期恒例の怖い話になったんだ。

先輩は霊感が強めにあるらしくたまに見えちゃったりするみたいでこの話も最初から乗り気じゃなかった。

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俺らが住む県にはいくつも心霊スポットがある。

なかでも有名所が〇〇〇橋。

この橋は下の川まではかなりの高さがあり

周りも森に囲まれていて外灯がポツラポツラとある

薄気味悪い場所だった。

夜になると人はまず歩いていない。

仕方なくその道を通らなければならないバイクや原チャは猛スピードで走り抜ける。

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自殺の名所で有名の橋だ。

あまりにも自殺者が多いため、フェンスがつけられた。

それでも多いからフェンスの高さを4メートル程高くして一番上は内側に返しと、鉄のイガイガしてる針金で登れなくした程だ。

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その訳あって、薄気味悪いこの場所は好んで近づく人はまずいない。

肝試しや、俺らみたいな意味わかんねープライドをかけてくるバカ以外は。

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そして一番最初に話していたあの場所

〇〇〇橋に根性かけて行きましょう!!

ってことになったんだ。

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「あそこ下に降りれんの知ってっか?」

ニヤニヤしながらハイテンションのAは先輩の車の後部座席に乗り運転席と助手席の間に顔をグイッと出して、まだかまだかと待ちきれない様子。

「降りんのはさすがにヤバくね!?」

俺はそこまで本格的には望んでなかったし。

「うわぁっ!!根性ねーな?あーあ。ガッカリだ!ねぇ?先輩!!」

ふざけた口調で俺をバカにし、先輩に同意を求めたA。

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「…俺は別にどっちでも…」

予想外の返答が返ってきた。

絶対拒否すると思ってたのに…

「決まりだな♪よし!!降りるぞー」

やたらテンションが無駄に高くなったAは鼻歌まで歌い始めた。

「…ただし、下に降りたら、俺が言うことは絶対に守れよ?」

その時それを言った先輩の額にはジンワリ汗が滲んでいた。

冷房がガンガンかかっていて冷えきっていた車内で。

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「…着いたぞ」

そう言った先輩の言葉を合図にとりあえず車内から辺りを見渡す俺達。

車のライトを消すとポツラポツラある外灯の灯りで不気味さが膨らむ。

やはり人はいない。

今の時間は深夜1時。

俺達は車から降りて、橋から下を覗こうとしたがフェンスが邪魔であきらめた。

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「おい!!こっちこっち♪」

Aに誘導され、森の中に入った。

道はないが俺達の前にも何人も通った形跡があった。

そのお陰で、草などを掻き分けずとも踏まれて潰れた草を携帯のライトで照らしながら進み簡単に下へ降りる通路を見つけた。

「…おい、待て」

下に降りてすぐ、橋があった方をバッと見て、眉間にシワを寄せた先輩。

さすがにAもマジかよみたいな感じでキョロキョロし始めた。

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「…まだ行くか?…行くならここは足場が悪い。3人一列になって足下気を付けながら進んだ方がいい。」

いつになく真剣な顔の先輩。

まだ若かった俺達は行くという答えしか頭に浮かばなかった。

「…そんじゃあ俺が先頭に立つからお前らは前の奴の肩から絶対に手、離すなよ?」

そう言ってゆっくり足を進めたT先輩。

「…?どうしたんすか?」

先輩が突然足を止め、真ん中にいた俺は先輩に声をかけた。

…いや、聞かなくてもうすうすは気づいていた。

きっとAも俺と同じだったと思う。

ここは橋の下で、橋から下までは高さはかなりある。

今は深夜一時半。

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外灯もない、辺りは木で生い茂っていて明かりも届かない橋の下にいる俺達は、

なぜ足場が悪いとわかった?

見えるからだ。

うっすら少し遠くまでも見える。

俺達は両手を前の人の肩の上に乗せているから携帯のライトなんて使ってない。

前を歩く先輩は腕組みをして自分の正面を守る体制をとっていた。

なぜか日暮れ時のように薄暗い橋の下。

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先輩は足を止めて

固まっている。

俺は先輩が見ているであろう方向に視線をうつした。

Aも、俺に続いて一点に目を向けた。

「…なんだあれ?」

「…白い柱?」

「…もう少し近くに行ってみましょ?」

Aがまた好奇心に負けた。

先輩はなにも言わず一歩一歩慎重に足を前に進めた。

「…おいおい、うそだろ…」

Aが声を震わせ、今にも泣きそうな声を出した。

白い柱との距離3メートル位まで近づいて柱の正体にようやく気づいた。

それは白いワンピースを着た

顔半分グチャグチャの顎はぶら下がっている状態でこちらを見ていた女性の霊だった。

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首から上を小刻みにカクカク動かして俺達を見ている。

「…おい、やべぇって!俺、霊感とかねえのにハッキリ見えてっぞ!?」

テンパり始めたAを落ち着かせるため、ゆっくり静かに口を開いた先輩。

「…いいか?このままゆっくり下がっていくぞ?注意しろよ?コイツに背中を向けるな。絶対に正面を向けたまま下がれ…いいな?」

その時は何言ってんだよ!!

今すぐ走ってダッシュで逃げようぜって思ったが…

先輩と約束していたのを思い出した。

「下に降りたら言うことは絶対に守れよ」

ここはもう、霊感がある先輩の言う通りにするしかないんだ…

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「いいぞ、そのまま…」

「…うわ!!」

「…え!?」

一番後ろにいたAが下の石につまずいて転んでしまった。俺もつられて転んだ。

「……ってぇ!!…!!?」

気づけば、すぐそこにさっき降りてきた、上と繋がっている通路があった。

「先輩!!すぐそこに通路がありますよ!!登りましょうよ!!」

俺達は転んだ反動であの女に背中を向けてしまったんだ。

この際、正面も背中も関係ない。

「先輩っ!!」

「………」

呼んでも返事はない。

………?

恐る恐る先輩の正面を覗いた。

「う、うわっ!!な、なんだよコイツ…先輩!!逃げるっすよー!!先輩!!」

立ったまま硬直し、左手だけを真っ直ぐ垂直に伸ばす先輩の目の前にはさっきの女が立っていた。

結構距離はあったのに、

霊には距離なんて関係ないんだ。

一瞬で先輩は腕を女に掴まれ、金縛り状態になっていた。

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ドンっ!!

俺は先輩の背中を本気で殴った。

その反動で金縛りも解けた先輩は逃げろー!!っと一言だけ叫んで、走り出した。

俺達は後ろを振り返らずがむしゃらに車に逃げこんだ。

俺と先輩が車に戻るとすでにAは車に乗っていて、尋常じゃないほど震えていた。

一人で逃げて来たことを責めようと思っていたが、責めるに責められなくなってしまった。

先輩はすぐにエンジンをかけて車を走らせた。

とりあえず人が多い所に行こうということになり、24時間営業しているお店へ向かった。

その間終始無言。

お店に付き、車を降りるとAは失禁していた。

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「…うわー、だっさ。お前…」

「…まじ、明日なんでも飯おごっから誰にも言わないでー」

俺達はようやく普通に喋れる位に落ち着いた。

「先輩は?」

なかなか車から降りてこない先輩に声をかけたが返事はない。

運転席のドアは僅かに開いている。

俺達は不思議に思い、運転席側に回り込んだ。

「……………」

先輩は石のように固まってただ一点を見つめている。

俺はその視線がサイドミラーに向けられていると思い、

先輩とサイドミラーの間に顔を入れ、ミラー側に顔を向けた。

「っっっ?!」

ミラーにはさっきの女の顔がドアップで写されていた。

首から上をカクカク動かして笑っているようにも見えた。

俺とAは先輩を引きずるように車から降ろして、店内に連れていった。

失禁したAはその店で、ズボンとパンツを買って履き替え、俺達は朝がくるのを待った。

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その間は何事もなく、Aと俺はバイクを止めていた場所まで先輩に送ってもらった。

先輩はお祓いに行くって言ってたから、俺らもついていくと言ったんだけど、

「大丈夫だっつの!!…じゃあな」

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それが先輩の最後に見た姿だった。

先輩とはその日以降、連絡がとれなくなった。

家も引っ越し、携帯も解約さていて、誰に聞いても俺らと〇〇〇橋に行った後の先輩の行方は今も分からないんです。

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ゆ様、コメントありがとうございます(。・・。)
おめこ橋ではないです(T ^ T)

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ばっくん様、コメントありがとうございます!
本当ですよね(;´д`)
元気で生活していることを祈っています。

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関わったひとが行方不明とか生死不明とかになるオチが一番怖いというか(^^;;

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兎様、コメントありがとうございます!
今もまだ見つかっていないそうで、生死も分からないみたいです(つд⊂)

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先輩どこ行っちゃったんでしょうね(;´д`)

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uruからupaに変更しました。
テイラーさんコメントありがとうございます!!
私もそう願います。

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先輩…ご存命だといいですね(((・・;)

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