6歳の誕生日
ママとパパにプレゼントをもらったの。
箱を開けるとピエロの人形が入っていました。
今思えば薄気味悪いのですが、
当時、遊園地やサーカスで人気者だったピエロが大好きだったんです。
「ママ、パパ!ありがとう!!今日マイはこの子と一緒に寝るー!」
「大切に扱ってあげなさいね」
ママがにっこり笑って言った。
私は枕元にピエロのぬいぐるみを寝かせて眠りにつきました。
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気がつくと私は遊園地にいました。
すぐに夢だと気づきました。
周りの景色が全て白黒だったんです。
遊園地は楽しい場所なはずのに色がないと少し不気味で、心細くなりました。
ポポーン ポポポーン ---
何だかおかしな音が聞こえて来ました。
マリオがジャンプした時の効果音に似た音です。
振り返ると、一輪車に乗りながらジャグリングをして、こちらに向かってくるピエロがいました。
「あ!ピエロさんだ!!」
私は大好きなピエロに会えたことで一気にテンションが上がりました。
ピエロは私に向かってニコッと笑って、コミカルな動きをしながらジャグリングの道具をしまい、手を差し伸べて来ました。
私はピエロの手にしがみつき、そのまま2人で色んな乗り物に乗って遊びました。
私とピエロ2人だけしかいないので、遊び放題、乗り放題!!
いつもみんなに人気者のピエロさんも独り占めで
しかも私達だけ色はカラーなんです。
なんだか特別になった気分になりました。
メリーゴーランドやコーヒーカップ。
汽車に観覧車、乗りたい乗り物は全部乗りました。
夢の中のピエロは喋れないみたいで、全てジェスチャーで会話をします。
口は動いているんですが、声は聞こえません。
私はピエロさんに「お友達になって?」とお願いをしました。
ピエロさんは大きく首を縦に振ってまたコミカルな動きをして私の手を握りました。
すると突然、目の前の景色が歪み始めました。
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「マイ?マイ!!マイ、起きなさい、マイ?」
視界が徐々に暗くなり、頭の中でママの声が聞こえました。
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ハッ!!として目を開けると、ママは凄く不安そうな顔をして私の顔を覗き込んでいました。
「ママ、どうしたの?」
「何度も呼んだのに、全然目を覚まさないから…」
ママの目には涙が溜まっています。
「…ママ?ごめんね?泣いてるの?」
私が謝るとぎゅッと私を力強く抱きしめました。
そして私の手を握って、
「ううん、何でもないよ!マイが元気ならそれでいい」
って笑って言ってくれました。
「・・あれ?マイ?なんでお手てにマメ出来てるの?」
そう言って、私の手のひらに出来たマメをさすりました。
私にも心あたりがなかったので
「わかんない」
とだけ答えました。
唯一あるとするならば、夢の中で遊んだコーヒーカップを一生懸命回した時。
でも6歳の私でも、夢で起こった出来事が現実に影響しないことなど知っていましたから
わざわざ言いませんでした。
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その日の夜、いつもより早く眠たくなって私はピエロのぬいぐるみを自分の横に寝かせて早めに眠りにつきました。
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今度は学校の中にいます。
また周りの景色が白黒なので、夢だと分かりました。
ポポーン ポポポーン ---
「あ!ピエロさん!!」
昨日と同じ音が廊下に響きました。
ピエロさんはヒョイっと突然現れて、またコミカルな動きをしながら私に手を差し伸べました。
もちろん私はピエロさんの手をギュッと握ります。
何して遊ぶ?とジェスチャーで聞かれたので、
「かくれんぼ!!」
と答えました。
ピエロは大きく頷いて、自分が鬼をするから隠れていいよ!
って、ジェスチャーで言いました。
「わかったー!」
ピエロが顔を隠して、数を数え始めたので、私は違う階にある図書室のテーブルの下に隠れました。
私は友達とかくれんぼをしても絶対に最後まで隠れていられる程かくれんぼは大の得意遊びだったんです。
身体を小さくして、ピエロが探しに来るのをワクワクしながら待ちました。
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どのくらいたったでしょう。
全然探しに来る気配がありません。
ソっとテーブルの下から身を出した時でした・・・
バーン!! ガシャーン!! ガシャーン!!
凄い大きい音が遠くの方から聞こえてきて思わずまた隠れました。
さっきまでのワクワク感は消えて
今は恐怖で支配されています。
「……ママァ……ッ!!」
恐怖に耐え切れず泣いてしまいました。
ババーン!! ガシャーン!! ガガガ!! バターン!!
大きな音は徐々に近づいてきます。
「ヒッ!!…ママ・・怖い、よぅ……!!」
バターンッ!!
「ッッ!?」
とうとう私が隠れている、図書室のドアが勢いよく開けられました。
ピエロさん、早く探しに来てよぅ…。
心の中でピエロさんを何度も呼びました。
ギュッと瞑っていた目をゆっくり開けると、
目の前を通る足が見えました。
「ッ?!」
その足が履いている靴はピエロが履いていた先が尖っている赤色の靴でした。
私達以外は白黒なので、赤は物凄く目立ちました。
バターンッ!! ガシャーン!!!
すぐそばでまた大きい音が響きました。
本棚を勢いよくなぎ倒し、テーブルや椅子を蹴っているピエロが視界に入りました。
恐らく私を探しているのでしょう。
酷くイラついていて、私が見つからない事に腹を立てている様子。
「ッッッ!?」
ピエロが勢いよくこちらに振り向きました。
その表情は私が知っているピエロさんとは別人で般若のような本当に恐ろしい顔をしていました。
私はすぐに目を反らして音を立てないように後ろにゆっくり下がりました。
私は心の中でママを呼び続けました。
「ママ!ママ!ママッ!」
ギュッと目を瞑り、早く目を覚ませとお祈りしました。
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shake
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ドンッ!!
「ひっ」
私が隠れているテーブルの上に何かが乗った音がしました。
私はギュッと目を瞑り祈りを続けました。
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「…見ぃつけたぁ♪」
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なんと気味の悪い声でしょうか・・・
初めて聞いたピエロの声は
この世の人の声ではありませんでした。
スローモーションにした時の声のようなドスの聞いた声。
私は恐る恐る目を開けました。
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「ひっ」
テーブルの上から顔を覗かせている逆さまのピエロの顔がありました。
ニヤァっと気持ち悪い不敵な笑みを浮かべて笑っています。
「イヒヒヒヒヒヒ!!ギヒヒヒヒヒヒ ギヒヒヒヒヒヒ」
その時です。
あの感覚を感じました。
景色が歪んでいき、視界が徐々に暗くなっていきます。
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「マイー!!マイ!!起きてー!!マイー!!!」
ママの泣き叫ぶ声が頭の中に聞こえて来ました。
「行かせるかぁああ!!」
そう言ってピエロが私に向かって手を伸ばして来たところで、完全に目の前が真っ暗になりました。
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身体がガクガクと揺れ動いている感覚で目が覚めました。
「……ママ?」
ママは私を強く抱きしめて泣きながら、私の名前を呼んでいました。
パパも涙を浮かべてママの横に座っています。
「ママーッ!!うわぁーん…怖かったよー・・ヒック!!」
私はママに抱きついて
喉が枯れるまで大声で泣きました。
「マイー!良かった、本当に良かった…!」
ママも泣いています。
どのくらい経ったかは分かりません。
ようやく落ち着いた私はフと横に寝ていたピエロのぬいぐるみに気づきました。
「いやッ!!こんなのいらない!!ピエロなんて大嫌い!」
そう言って、壁に投げつけました。
「どうしたの?!マイ?あんなにピエロさん好きだったじゃない!…もしかして昨日も今日もこれが原因なの?」
私は最初ママが何を言おうとしているのか分かりませんでした。
「…ママ?」
「…………」
少し沈黙が続き、
ママはゴソゴソと自分の携帯を取り出して少し操作をし、私に差し出しました。
それは私が寝ている時の姿が映されている動画でした。
しかしそこに映っている私は私であり、私ではありませんでした。
目は白目を剥き
「イヒヒヒヒ ギヒヒヒヒヒヒヒ」
とニンマリして笑っているのです。
「…これ、私なの?・・ママ、、」
そんな動画を6歳の子供に見せるなよとか思いますよね?
しかしこれを私に見せないと何も解決出来ないとママは思ったそうです。
そして私も、夢の内容、ピエロの事、かくれんぼの話……
全て打ち明けました。
ママとパパは目を合わせ、私に「大丈夫だからね!」
と一言かけ、ピエロのぬいぐるみをビニール袋に入れ、
ダンボールに入れ、ガムテープでグルグル巻きにして厳重に密封しました。
すぐに出かける準備をして、3人で何かしら問題がある人形を供養してくれるというお寺に向かいました。
車で走ること3時間・・・
ようやくお寺につきました。
人形を供養しているお寺というだけあり、外にも沢山の色々な人形が所狭しに並んでいます。
「・・あぁ、ようこそ、あらまぁ、また随分な物をお持ちになってますな?」
お寺の住職さんが表に出ていました。
待っていたと言うべきだろうか。
「あの~、これなんですが・・・」
そう言って、ピエロが入ったダンボールをパパが住職に差し出しました。
「うんうん。…お嬢ちゃん?お嬢ちゃんは聞いてしまったのかい?声を。」
私もパパもママも、
まだ何も住職には話していないのに、全て知っているかのように私に優しく問いかけました。
「…うん」
私はコクっと頷いた。
「いやはや、そーかー、少しコイツは厄介かも知れませんなぁ」
そう言って住職はダンボールを受け取り、広い部屋に案内してくれた。
そこで儀式みたいなものが始まった。
6歳の私にはとても退屈で寝てしまいそうだったけど、
「絶対に寝てはならん!最後まで見届けなければまた怖い思いをするぞ?」
と住職に脅され、必死に儀式の最中は目を見開きました。
2時間くらいかかったと思います。
儀式が終わると、住職は静かに私達の前に座りました。
そしてゆっくり口を開いて言いました。
「んん~、恐らくお嬢さんの夢に今日もまた現れると思うんだが・・・」
その言葉を聞いてパパもママも、頭を抱えた。
「お嬢ちゃん?いいかい?またお嬢ちゃんの前に現れても、夢でも!・・絶対に話したらいかん!!全て無視しなさい。私にはお前さんの姿は見えないよ~って態度を取り続けるのじゃ。何があっても話したらいかん!やつに対して言葉を返しちゃいかん!…おじいちゃんの言ってること分かるかな?」
「はい!」
「もしかしたらお嬢ちゃんにとって耐え難い事をするかもしれん…、だがそれは全て幻…作り物。嘘じゃ。目の前で何が起きても喋っちゃダメだぞ?」
「…はい!」
ピエロはまた今日も私の所に来る!
無視してやればいいんだ。
話してあげなければいいんだ!
「約束してくれるかのぉ?」
と言って、住職さんが小指を立てて私に突き出した。
私も住職の小指に自分の小指を巻きつけ、しっかり約束しました。
住職「お嬢ちゃんが寝るのは何時くらいかな?」
ママ「いつも21時には寝てます。」
住職「じゃあ今日は21時に就寝して、0時に一度、お嬢ちゃんを起こして。21時から0時の間はお嬢ちゃんがどうなっていても起こしちゃならん。30分経ったらあとはそのまま眠らせてあげなさい。」
ママ「…え?どういうことですか?何が起きるんですか?」
住職「また明日来なさい!その時全て終わらせることが出来るでしょう。そして全てお話します。」
パパとママは藁にも縋る思いだったのでしょう。
住職の言うとおりに深くは聞かずお礼を言って、お寺を後にしました。
帰りの車の中でもパパとママは落ち着かない様子でした。
「マイ?ママとパパとも約束して!何があってもピエロさんと喋ったらダメよ?」
「大丈夫!おじいさんとも約束したもん!」
家に着いた時は既に19時でした。
お風呂に入り、ご飯を食べたらあっという間に20時半でした。
私はベッドに入り、パパとママは私のベッドの横で
「大丈夫。明日になったら全て終わるんだから!ママとパパはずっとここにいるから安心して」
と言って私の手を握ってくれました。
私を怖がらせないために平然を装っていたけど…ママの手、震えていました。
「ママ、パパ。大丈夫!約束は守るから!」
そう言って私は静かに目を閉じました。
当事者の私のほうが冷静だったのかもしれません。
多分、丁度21時位に眠りについたと思います。
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……え?ここって・・・
さっきまで見ていた馴染みのある場所、
私の部屋の天井です。
「ッッッ!?」
突然ピエロの顔がグイっと目の前に現れました。
驚きと恐怖で叫びそうになり必死に口を押さえました。
・・・・?
いつもなら
ポポーン ポポポーン ---
っていう音の後に現れるのに今日はそんな音もなく、
いつもと様子が違いました。
なにか違和感を感じました。
ピエロはいつもニコニコしていたのに、今日は無表情です。
グンとピエロの身体は浮いて私の足元に移動しました。
ピエロのメイクで無表情・・・
もの凄い怖いんです・・。
「・・ギヒヒヒヒヒヒ」
ピエロはニヤッと笑って、下を指さしました。
「!?」
ピエロの身体がまたフワッと浮いて、突然、般若の形相に変わりました。
「オマエ、よくも裏切ったなあぁぁぁあアア」
相変わらず恐ろしい声で私に話しかけてきます。
でも私は喋りません・・・。
「・・・!?」
ピエロの手に光るものが見えます。
包丁です。
そしてさっきまで感じていた違和感・・
ここは夢のはずで
いつも白黒なのに・・・
今日はカラーなのです。
見慣れた自分の部屋なので、気付けませんでした。
見慣れた景色、
あまりにもリアルすぎて・・・
「それは全て幻…作り物。嘘じゃ。目の前で何が起きても喋っちゃダメだぞ?」
あの時の住職の言葉が頭をよぎりました。
「ママとパパ、殺しちゃうよおぉぉぉお~?いいのっかなぁぁあ♪」
それでも私は喋りません。
「ギヒヒヒヒヒ、止めるならぁ イマノウチに・・ね?」
そう言って少しづつ私にユラユラと近づいてきます。
そして私の顔の前まで来てピタッと止まりました。
「あーあ ジカンギレー イヒヒヒヒヒ」
そう言って勢いよく私の部屋を飛び出して行きました。
「キャアア!!来ないでぇぇえ!!」
「やめろーーー!!」
!?
ママ?!パパ?!…なんで?!
私とピエロの夢の中に今までは私達以外に登場人物なんていなかった。
だけど聞こえる・・・
間違いなくママとパパの悲鳴が・・・
・・・違う、これは夢なんだ。全部嘘なんだ、、
聞いちゃダメ見ちゃダメ喋っちゃダメなんだ。
私は耳を塞いで目をギュッと瞑った。
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「見に来ればよかったのにぃぃいい イヒヒヒ」
「ッッ!!?」
直ぐそばで突然声がしてビックリして目を開けると全身真っ赤になっているピエロがすぐ傍に立っていた。
「・・・・・・・・!!」
私は涙を目にいっぱい溜めて、声が出ないように口を必死に抑えた。
これが本当だったらどうしよう・・・
パパとママが死んじゃってたらどうしよう・・・私のせいだ・・・
私、パパとママを見殺しにしたんだ。
私は悪い子・・・
私は悪い子・・・
大粒の涙を流しながらそれでも夢だと信じ続けた私は口を塞ぐ手を緩めなかった。
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「ッ!?小娘がぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
頑なに口を開かない私に怒り狂い、目は血走り、包丁を振り回し暴れ始めた。
心なしか、ピエロの顔が、徐々にたるんできているようにも見えた。
「!?」
そしてピエロが突然苦しみ悶え始めた。
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「クソ坊主がぁぁぁ!!!何をしたぁぁぁああああああ!!!」
そして見る見るうちにピエロの身体は溶け始めた。
「・・・・終わらせん・・・終わらせんからなぁぁぁあ!?」
最後、振り絞るような声で、そう言って、ピエロは消えていった。
そして景色が歪み始めた・・・。
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「マイ!マイ!!?起きて!!マイ!!」
「マイ!起きろ!マイ!!」
ママとパパの声が聞こえた。
「・・・ママ・・・・パパ」
私は声も出さずに泣いた。
ただただ、本当に嬉しくて・・・。
またママとパパの顔が見れた。
ママとパパも私を強く抱きしめて、声にならない声を出して泣いていた。
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私はそのまま泣き疲れて寝てしまった。
翌朝、ママに起こされて、お寺に向かった。
「おぉ!よく来た!待ってた待ってた!」
そう言って、前に儀式を行った広い部屋に案内された。
「お嬢ちゃん、よく我慢したねぇ?怖かったろにぃ。」
「約束したから、喋りませんでした!本当です!!」
私は必死に約束を守ったことを訴えた。
その様子を見て住職は笑って言った。
「お嬢ちゃんが今、ここにいるって事は約束を守ったっていう証なんだよ?」
「?」
わたしとママとパパは3人で顔を見合わせた。
住職はよっこいせと言って、私達の前に座った。
住職「あの人形はどこで手に入れた?」
パパ「ネットで取り寄せました」
住職「ふむ、あの人形はあの人形自身がお嬢ちゃんの夢に出てきていたピエロなのじゃ」
ママ「どういうことですか?」
住職「あのピエロ稀に見ぬ強い力を持っておった。ピエロが夢に出てきている間は、お嬢ちゃんは眠れていないんじゃ。ご両親は気づいておるじゃろ?」
ママ・パパ「・・・・・・・」
住職「一回目はお嬢ちゃんの心を開くのが、2回目は自分を信じきったお嬢ちゃんに声を聞かせるのが、3回目はお嬢ちゃんに残った長い寿命…まぁ命を取るのが目的じゃ。3回目にピエロと会話してしまっていたらお嬢ちゃんはそのまま目を覚まさなかった」
ママ「…そんなッ!!」
住職「わしは21時からピエロを火で炙り、経を唱えとった。ピエロの人形から魂を一旦外に出さんと力が強すぎて、手を出せなかったんじゃ。わしの力不足でお嬢ちゃんに怖い思いさせてすまんかったのぅ。」
私「大丈夫です!もうピエロは私の所に来ないですよね?」
住職「恐らくお嬢ちゃんに口を開かせるために、恐怖心を煽りに来ると思った。きっと辛かったろうに…。優しい子じゃな!今日はお嬢ちゃんの言うとおり、ピエロがまた現れたりせんようにまだ残っているピエロの力を完全に抹消するために来てもらったのじゃ。」
そう言って住職は私の頭に手を当ててお経を唱え始めた。
同じようにママとパパにも。
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住職「・・・今日の観光はいかがじゃったかのぅ?」
私達「楽しかったです。また遊びに来ます!!!」
住職「お嬢ちゃんは…ピエロは好きかのぉ?」
私「…うーん。なんか怖いから嫌い!!」
ママ「あら?マイはピエロ好きじゃなかったかしら?」
私「何言ってるのよママ!ピエロを好きだったことなんてないよ?」
ママ「え~?そうだったかしら…?」
住職「…きっと、観光で疲れたんじゃろ、今日はゆっくりお休みなさい・・」
作者upa
長文です(ーー;)
誤字脱字あれば教えて下さい!
『ピエロシリーズ』1作目です(´・ω・`)