僕の通っている高校って、いわくつきで。
なんか、元はお墓があったらしく、まあ、怖い話の定番みたいな感じ。
校舎自体はそんな古くないんで、夜中の廊下を幽霊がさまよっているとか、そういう話とかは無いのだが…
1年の時の話だけど、見てしまった。
幽霊を。
霊感は少しある方だけど、今まで、この校舎で何かを感じたとかは無かったのだが…
幽霊を見た日はなんか違った。
外はすごく晴れてるのに、校舎内はどんよりとしていて。
なんか今日はヤバいな、とか思ったけど、学校休む訳にもいかないので、気のせいだと思うことにした。
そして昼休み。
今思えば、友達と行けば良かったっておもうのだけど…
トイレ行こうと思って、廊下を1人で歩いていたんだ。
そしたら、女の人がいて、キョロキョロしてんだよ。
最初は、お客さんで、職員室でも探してるのかな、とか思ったけど、校内に入るには、職員室で許可とらなきゃいけないから、違う。
しかも、その女の人に近づくにつれて、息が苦しくなる。
あ、ヤバい。
死ぬな。
コイツに殺される。
瞬間にそう思った。
顔が見えないけど、見たらヤバいってことは本能的にわかった。
もう生きてる人間じゃないってわかった。
恥ずかしいけど、恐怖で足がすくんで、動けない。
どんどん近づいてくる。
こっち来るな!って言いたくても、声が出ない。
で、見ちゃった。
女の顔。
思い出したくもない。
右の眼球が無く、そこは空っぽ。
ドス黒い穴があいていた。
口から血を垂らしていて、何故か笑っている。
顔の1部の骨が見えている状態。
みんなしている想像をはるかに超えるものだと思う。
「…して」
何か喋っている。
ボソッと言ったのでよく聞き取れない。
「私の事が見えるんでしょぉぉぉぉぉ!?
だったら探してぇぇぇぇぇぇぇ!
探せよぉぉぉぉぉぉぉ!」
声を荒げる女。
ものすごく恥ずかしいけど、ちびった。
けど、それぐらい怖かった。
高校生にもなってもらすなんてありえないけど、この時は、本当にそれくらい普通のことだった。
しかも、何を探して欲しいのかがわからない。
「………何を?」
やっと声が出た。
女は片目で私のことを見つめる。
「お墓。
私のお墓。
お墓探して。
家族も一緒にいたの。
けど、お墓なくなっちゃったし、家族みんないなくなっちゃったの。
お願い。
お願いします。
お願いです。
探して…」
女は急に落ち着いて言う。
僕は女をかわいそうだと思った。
だが、お墓を探すことはできない。
「…ごめんなさい。
あなたのお墓を探すことはできない。
僕じゃ無理なんだ」
自然と涙が出てきた。
初めて会ったのに、しかもものすごくグロテスクな外見をしているのに。
そんな幽霊に涙を流している。
「…ありがとう」
そう言うと、女は消えた。
今、僕は3年生。
あの時以来、あの女の幽霊を僕は見ない。
僕の涙で成仏してくれたようだ。
天国で、彼女の家族達と楽しく過ごしていることを願う。
作者しば子
どうも、しば子です。
最近、自分でも何が書きたいのかわからないです。:゚(。ノω\。)゚・。
ごめんなさい。