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短編2
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入りたがる男の人

これは僕の夢の話なんです。

でも何度も何度も見る夢なんです。

駐車場も兼ねた広い庭がある僕の家は、玄関の横にリビングの大窓があります。

それはどこでもよくある家の設計ですよね。

あと、僕の家は他の家よりも小窓が多いんです。

夢の中で、僕は学校から帰宅しました。

家の前はそこそこの大通りで2m幅の歩道があります。この歩道を歩いて家の門の戸をあけようとすると、ふと後ろに気配を感じるのです。

そちらに目を向けると、車道を挟んだ向こうの並木の隙間に黒い服の男の人が立っているのです。

その人は中肉中背、短髪黒髪。そして真顔でまばたきひとつせず、僕を見つめています。

僕は何か嫌な気分になって、いつもすぐに門を開けて玄関に駆け込むのです。

場面は変わって、僕は2階の部屋で本を読んでいます。ふと、風が冷たく感じて、窓をしめようと近寄ると、歩道からまたあの男の人が僕の部屋の窓を見上げていたのです。

まばたきひとつしない男の人と目が合う僕。

さっきは車道の向こうにいたのに、いまはもう手前の歩道にいます。

そして、口をにたーっと笑ったように見せてきます。

僕はすごく気味が悪くなって、家中の窓やドアの鍵を確認しに行くのです。

まずは危険な1階から…

玄関、窓、窓、窓。格子がついているバスルーム含めて、すべての1階の窓を締め切ろうとしたときです。

最後の窓にかけよると、その窓のすぐ向こうにその男の人は立っているのです。

僕は、思わずあとずさりをしましたが、急いで鍵を締め切りました。

そして、カーテンをしたときに目が覚めるのです。

さて、この夢は最初にも伝えたとおり、何度も見る気味が悪い夢なんですが、どうやらその夢を見る度に、最後の窓でのその男の人との距離が近づいているようなんです。

最初は、何mも離れていたのに、いまでは1mほどしか離れていません。

手が届いたらどうなるのか、続きがあるのか、もうこの夢を見ることはないのか、とても恐ろしいのです。

Concrete
コメント怖い
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少しずつ…というのが怖いっ

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怖いよぉー(>_

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