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《これはただの作り話なんだけど、》

中編3
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《これはただの作り話なんだけど、》

これは、僕が小学5年生だったときの話だ。そして、今日に至るまで続いている、僕の腐れ縁の話と言ってもいい。

僕の家の近くに、小さな神社がある。神社と言っても、何故かグラウンドや砂場、滑り台等があるため、神聖な雰囲気など欠片も無い。だが、近所の子供達には絶大な人気を誇っている。そんな神社だ。彼と初めて会ったのも、その神社だった。

ある日、僕はいつもの様に神社の縁側に寝そべって本を読んでいた。なんの本を読んだのか今となっては覚えていないが、オカルト関係の本だった。そうしてると、上から声が降ってきた。

「ねえ、怖い話、好きなの?」

僕が声のした方を見ると、そこには狐目の少年が立っていた。

「・・・うん。好きだよ。」

狐目の少年は、ニヤッと笑って言った。

「じゃあさ、ちょっと俺の話を聞いてよ!」

・・・これが、僕と今日まで腐れ縁を繋いでいる友人、《薄塩》との出会いだ。

無論、《薄塩》というのは本名ではない。このサイトに投稿させてもらうに当たって、僕が考えた渾名みたいな物だ。かといって、適当につけた訳ではない。理由は2つある。

・僕の渾名が《コンソメ》だから。

・彼が、《薄塩ポテチ》を色々な事に使うから。

である。色々な事とは、主に、お清め等だ。薄塩は、幽霊が見えるのだ。だが、薄塩はある事件までその事を僕に隠していた。なので、この頃の僕は薄塩が《見える人》という事を知らない。

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薄塩は、ものすごく怪談が上手かった。周りにオ

カルト好きな子供が居なかったため、僕らはすぐに

仲良くなった。暫くすると、僕はあることに気付いた。薄塩は怪談を始める前に、必ずある文句を言う

のだ。それは、

「これは、ただの作り話なんだけど。」

と、いうものだった。普通、こんなこと言わないと思った僕は、薄塩に何か意味があるのか聞いてみた。

「薄塩って、毎回怪談を始めるとき、《これは、ただの作り話なんだけど。》て言うだろ。あれ、何か意味あるのか?」

薄塩は、少し考えてから言った。

「おまじない・・・みたいな?」

「おまじない?」

「うん。・・・ちょっと待って。今説明する。」

そして、薄塩はそこら辺に落ちてた枝を拾って説明を始めた。

「あのさ、コンソメは《怖い話をしてると、幽霊が出やすくなる》て、聞いたことある?」

「・・・ああ。怪談中に本物が出たとか、よく聞くな。」

「あれって、あながち間違いでも無いんだよ。」

「え?」

僕が薄塩の方を見ると、薄塩は拾った枝をペン回しの要領で回しながら、続けた。

「えーと、例えばさ、コンソメ。知らない奴らが皆で、コンソメの悪口言ってたら、どう思う?」

「え・・・?うん。普通に嫌だな。」

「だろ?幽霊だってそうだよ、元は人なんだから。」

「あ・・・!」

「自分の悪口を言ってる、勝手にちょっかい出して来たのはそっちなのに。自分が全部悪いような言い方してる。・・・てな。で、気が荒い奴らは、つい手が出ちゃうってわけ。ま、ガチで悪霊化してるのもいるけど。」

「そう・・・なのか。」

「さらには、ずっと寂しくて、自分達の話をされているのが嬉しくて、受け入れてもらいたくて来るのもな。」

「寂しい・・・。」

「どんなになっても、良くも悪くも人間だからな。寂しさも、憎悪も、愛情だってあるよ。」

薄塩は、どこか労るような口調で言った。目を閉じて、溜め息を一つ。

「でもさ、ダメなんだよ。この世の者に、あの世の者が、干渉するなんて。・・・だからさ、おまじないをする。」

「・・・これは、ただの作り話って?」

「そう。話をフィクションとして扱うことによって、干渉しないよう、繋がりを切るんだよ。」

僕等は、暫くの間、黙って縁側に座っていた。先に口を開いたのは、薄塩だった。

「さて、じゃ、ぼちぼち続き、行きますか!」

僕はにこやかに笑う薄塩を見て、何でか少しだけ安心した。薄塩の怪談が、始まる。

「これは、ただの作り話なんだけど・・・」

Concrete
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おもしろかったです。
読みやすいだけはなく、二人の会話が楽しくて。
シリーズなんですね。
がんばって続けてください。

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分かりやすくて、おもしろい! 続き待ってまーす。\(^o^)/

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続きが早く読みたいです(⑅´∀`)σ)∀`*)♡”

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薄塩&コンソメ..ポテチ味コンビですね。続き楽しみです。

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いい雰囲気(*´ω`*)
シリーズ楽しみに待ってます(*^_^*)

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