今日もまた、僕と友人Tと友人Yで12時頃心霊スポットに行っていた。
だが、今回の心霊スポットはハズレのようだ。
山の中をダラダラと歩かされた。
すると、イラつき気味のTが「チクショー、出て来いよ幽霊!」と、怒鳴った。
僕とYは無理矢理連れられて来ただけなので正直どうでもよかった。
だが僕自身、幽霊には多少興味があり、一目見てみたいとは思っていた。怖いけど…
Yはとても眠そうだった。
Yは幽霊には関心がなく、非現実的な事は信じない沙汰で、自称数学得意らしい。
そんなことはさておき、Tの機嫌が非常に悪い。
僕はTをなだめるために、「T、そんなに怒るなよ、町についたらお前の大好きなビビンバ丼おごってやるよ」と、焦りながら言った。
Tはよほど嬉しかったのか「おぉー○○(←My name)太っ腹ぁ!」
と、機嫌を取り戻した。
だが、この山を降りるのにはあと、30分程度かかる。
Yはめんどくさそうに「not重労働」などと呟く…意味不明(笑)
僕たちは相当疲れたのでそこから会話が途切れた…
深夜の森だ、耳が痛くなるほど静かで気味が悪い、今夜は満月で辺りが月明かりで照らされていて、一本道で、迷うことはまず無いだろう、10分くらいたったのだろうか、時間は2時くらいだろうか丁度、丑の刻だ…
すると、遠くから突然「ぐぎゃぁぁぁあぇぇ」このような奇声が聞こえて来た。
3人はすぐ気付いた。
Tは嬉しくなり「おっ?幽霊様のお出ましか?」と、言う。
僕は怖いけど興味があるので、「音源に行こう」と、言ってしまった。
Yは平常心を保ちあくびしていた。
音源の方に走って行くと、白い着物を着た男の人?女の人?どちらとも言えないが、髪が長いので恐らく女の人がいた。
Tは興奮して「来たーーーーーーーーー!」と、大きい声で言った。
僕は慌てて「わっ、バカヤロゥ聞こえる」これもまた大きい声で言ってしまった。
幸い聞こえてないようで行ってしまった。
すると、Tが「あれさぁ、人間じゃなかった?何やってんだあいつ」疑問交じりに言う。
女の人がいたところへ向かうと、そこには藁人形があった。
藁人形には高校生の男の子の顔があった。
髪は金髪で耳にはピアス、ヤンキーの様な人の写真だった。
Tは焦ったのか「お、落ち着いて警察に通報だ」と言った。
しばらく其処にいると背後から「カサッカサッ」と、木の葉を踏み潰す様な音が聞こえて来た。
あの、”女が来る"と言う感覚に襲われて、とっさに3人は大木に身を隠した。
案の定、女は来た。
50代くらいの中年で「ぎゃあぁぁえぇぇえ」と奇声を発しながら釘をハンマーで打ち付けていた。
僕たちはヒソヒソ会話をしていた。
T {おいおい、あのババァ絶対キチってるぜ}
Y {アベノミクスがある時代だ、あんなのもいておかしく無い}
僕 {いや、てか、アベノミクスって何?}
Y {アベノミクスはなぁ、阿部さんが色々ミックスさせた物なんだ}
僕 {初耳}
T {それどころじゃないだろ}
僕 {んだ}
と、その時だ。
Tがバランスを崩し木の影から出てしまった。
3人が硬直状態になってしまった。
女は気づき「見ぃたぁなぁ~」と言う。
女は目が憎悪に満ちており、表情が恐ろしく、「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」と奇声を上げて襲いかかって来た。
3人は驚いて絶叫しながら、猛スピードで逃げ出した。
途中、僕がつまづいて転んでしまった。
女は気持ち悪い笑みを浮かべ、「ぐへへへへ」と声を出し、手に持っていたハンマーで殴りかかってきた。
僕は”もう、終わりだ…”そう確信したときだ、Tがダッシュでこちらがわに向かってきた。
女が目を逸らした瞬間に僕は立ち上がり逃げた。
女は「ぐぅぞぉぉぉぉぉぉぉお」
と叫び、また追いかけてきた。
真夏の夜の運動会を繰り広げているとTの車が見えてきた。
あと、5mだ…
車に着いて、乗り込んだが、車にはTとYが乗っていない。
焦っている間に、女が来た。
焦りに焦って思わず「ごめんなさぃぃぃぃ」と、叫んでしまった。
だが通じる訳もなく、女は「ぎょぇぇぇええぇい」と叫び、ハンマーで窓ガラスを割ろうとしていた、「ガシャンッ!ガシャンッ!」少しずつガラスにヒビが入ってくる、「ガシャンッ!」もう、割れる…と思った時だった。
後ろからTが来て、木で女の頭を殴った。
女は「ぐひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ」と断末魔を上げて、気絶した。
Tは勝ち誇ったように「どんなもんだぃ」と勝利の一言を述べた。
僕は「助かった」と呟いた。
Tが車に乗り込んで、しばらくするとYも来た。
女が起きないうちに車を発進させ、森を出ようとした…が、女が起き上がった。
だが、こっちは3人、さらに車の中、スター状態だ。
3人は無言だった。
しかし、女は追ってこなかった。
僕は見たんだ、あの女が地面に僕たちの車のナンバーを書いているのを…
町に着いて、約束通りビビンバ丼をおごってやった。
あまり、美味しくは無かったようだ。
それからしばらくして、ある女が逮捕されたのをニュースで見た。
ニュースはごく一部の地域のみだった。
その女の顔を見て、僕は鳥肌がた
たったあの夜見た女というのもあるが、近所の人間だったのだ。
あの時は月明かりのみで見づらかったのだが、確信に変わった。
あの女は昔、精神病院に運ばれた女だったのだ。
どうだったでしょうか?今回は霊などではなく、人間の恐怖というものをモチーフに作ってみました。
僕の近所にもその様な人間がいて「こんにちは」と声をかけると、睨みつけてきて、少しうるさく話していると、急に「うるせぇぇ」
と叫んで来るおばはんがいました。
後に、精神病院に運ばれたそうです。
PS. Yのキャラ定まってない^_^;
作者MINT61147020