これは、僕、薄塩、ピザポが高校1年生の時の話だ。
季節は秋。
10月の半ば辺りの話だ。
前回の話の直ぐ後にあった話である。
・・・いや、別に前回との関係性は皆無だが。
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・・・・・・・・・。
《中二病》と言う病を、御存じだろうか。
自分には無い力をあると思い込んだり、自分は特別な何者かであると勘違いをする思春期に多く見られる病の事だ。
しかし、一括りに《中二病》と言ってもジャンルは様々である。
有名な物を挙げて行くならば、
《DQN系》《サブカル系》《TUEEEE》
等だ。
そして、その中でも特に有名な物に、
《邪気眼》
と言うのがある。
まあ、ザックリ症状を説明すると、
・変な物が見える
・何かの特別な力を持っている
・自分は一般人とは違う特別な存在
・と思い込んだり演じたり。そんな感じ
である。
・・・で、何で今僕がそんな事を考えているのかと言うと、それには深い訳があるーーー
「コンちゃんまたボケッとしてるねー。考え事?高梨(仮名)君関係?」
・・・・・・。
「・・・・・・ふわっっ?」
いきなり話し掛けられたせいで、驚いて変な声を出してしまった。
話し掛けて来た相手はピザポ。
お世辞にも多いとは言えない僕の友人の一人だ。
「あれ?高梨君の事と違う?じゃー何?またセンチメンタル浸ってんの?」
うわぁ・・・またこいつ考えを当ててるよ。
・・・もしかして僕は分かりやすい奴なのだろうか?
僕はそんな事を考えながら僕は頷いた。
「・・・ああ。正解。」
「コンちゃんセンチメンタル好きだねぇ。」
ピザポが呆れた様に笑った。
・・・いや違うけど?
「高梨君の方。」
「ああ。そっち?」
何だー、とピザポが少し残念そうに言った。
そして教室の左端、前から二番目にある席を見る。
「最近、凄いもんねー。何でああなったかな。」
「全くだな。」
僕もその席をーーーその席に座っている一人の男子生徒を見た。
ブツブツと意味不明な事を口走っている。
そう。彼が高梨君ーー僕の数少ない友人の一人・・・の筈だったのだが・・・・・・。
今、彼は少し変になってしまっているのだ
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・・・・・・・・・。
元々、高梨君は少し暗いものの極々普通の高校生だったのだ。
マンガやアニメの趣味が合っていたので、話をする事も結構多かった。
・・・・・・一学期迄は。
二学期に入った途端、彼は変わってしまった。
何も無い場所に話し掛けたり、休み時間に小声で
「ちょっ・・・やめろこっちくんな・・・・!」
とか言ってたり。
・・・誰と話してるんだいおまいは(;´A`)
と、思わずこっちの口調が変わってしまう位の有り様なのだ。
彼的には、《幽霊》が見えているらしい・・・が。
僕には何も見えやしないよ。高梨君。
もし本当に君に《変なモノ》が見えているなら、何故、僕の背中にいる(らしい)巨大な爬虫類(ミズチ様)をスルー出来るんだい?
・・・失敬。また口調がおかしくなった。
まあ、ミズチ様も四六時中引っ付いている訳では無いから、偶々毎回タイミングがずれて御対面せずにいるだけかも知れないが。
こういう時、《ミズチ様フィルター》は少しだけ不便である。
何故なら普段の僕は、ミズチ様フィルターのお陰で《何処に何が居るか把握しないと見えない分からない》という事実上の零感なのだ。
故に、僕には高梨君が本当に何かを見ているのか、はたまた見えている振りをしているだけなのかがさっぱり分からない。
「本当に見えているのか・・・?」
「俺にも分かんないなー。」
・・・・・・!
何でこいつ毎回僕の考えている事を当てるんだ!!
僕は驚いてピザポを見た。
「どしたの?え?高梨君の事と違う?」
「いや、違わない。・・・どうして分かるんだ。」
すると、ピザポは頬をポリポリと掻きながら言った。
「・・・コンちゃん、口に出してたよ?」
「え、何だ・・・。」
・・・心を読まれた訳じゃなかったのか。
僕は大袈裟に反応して恥ずかしく思うと同時に、少しホッとした気持ちになった。
ピザポが不思議そうな顔をして続けた。
「当たってる時も外れてる時もあるんだよねー。多分、見えてないと思うけど。・・・でも、ね。」
ピザポは、そこで小さく溜め息を吐いた。
「《当たり》の回数が、だんだん増えてきてるんだよね。」
・・・え?!
見えてきてるのか?!
僕は驚いてピザポの方を見た。
「それって・・・!」
ピザポが頷く。
「うん。勘違いした構ってちゃん浮遊霊が滅茶苦茶寄って行ってる。」
「そっちか。あいつも大変だな。」
僕等は二人して、うんうんと頷いた。
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「まあ、お前等の会話も十分中二臭いけどな。」
「「!!」」
僕等がほぼ同時に後ろを振り向くと、そこには呆れた様な顔をした薄塩が立っていた。
「学校で堂々とそんな会話すんな。Twitterとかlineでネタにされんぞ。」
「僕はTwitterやってない。lineも基本的には薄塩としかやってない。故に、ネタにされてもダメージは0だ。」
「俺に至ってはTwitterもlineもやってない!」
薄塩が益々呆れた顔になった。
「あのなぁ・・・。」
「うるさいよ!薄塩のゴルゴ13!」
ピザポが言葉を遮る様に言った。
・・・ん?
悪態がおかしくないか?
薄塩もおかしく思ったらしく、聞き返した。
「ゴルゴ?何故に?」
「いつも背後から登場するから。」
「ゴルゴ別に背後に立ってないぞ。背後に立たれるのが嫌いなだけだからな。」
「でも自分が背後に立てば相手は自分の背後に立てないじゃん?自分の前に居るんだから。」
「成る程。だったらゴルゴがいつも相手の背後に立っていてもおかしくないな。」
二人の話がどんどんずれて行ってる。
「・・・というか、何故薄塩がここに。」
ポツリと呟くと、薄塩がこちらを向いた。
少しだけムッとした顔をする。
「・・・来ちゃいけなかったのか?」
「いや、別にそんな訳じゃ・・・。」
ただ・・・。
「・・・今回も、のり姉関連か?」
薄塩がわざわざこちらに来る何て、のり姉からの嫌なお誘い関係しか、思い浮かばないのだ。
しかし、薄塩は首を横に振った。
「違う。暇になったから来ただけ。」
僕はホッと溜め息を吐いた。
「・・・お前ら、何の話をしてたんだよ。」
「ん?あぁ。それはーーー・・・。」
薄塩が突然聞いてきたので、僕は高梨君の事を話始めた。
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・・・・・・・・・。
僕が話終えると、薄塩は言った。
「で、コンソメはその高梨君とやらをどうしたいんだ?」
「えっっ・・・?!」
いきなり聞かれても・・・。
個人的に友人としてはどうにかしなきゃとは思っているけど、本人からすれば余計なお世話かもしれないし、大体まだ《見えてる》のか《見えてない》のか分からないし、いや、でもこのままじゃ高梨君クラス内での孤立確定だよな。たとえ《見えてる》にしてもこのままじゃ駄目だ。
うん!駄目だ!何とかせねば!!
「取り敢えずあの感じを直させたい。」
「どうして?」
僕は何も考えていなかったので、思わず黙り込んでしまった。
薄塩がもう一度繰り返す。
「どうして?」
そして溜め息を吐く。
「・・・あのな、《小さな親切大きなお世話》って、知ってるか?」
僕は頷いた。
しかし、直ぐに顔を上げ言った。
「知ってる。でも今どうにかしないと。」
「コンソメがわざわざそんな事しなきゃならない訳は?それにあいつは好きであのキャラやってんだろ。邪魔してやるなよ。」
僕は思わず顔をしかめた。
どうやら機嫌が悪いらしい。
「・・・どうした?」
フン、と薄塩が鼻を鳴らした。
「別に?当たり前の事言ってるだけだろ。」
あぁ。やっぱり機嫌が悪い。
・・・て事は今は何を言っても無駄か。
ピザポが心配そうな顔をこちらに向けて来たが、無視させてもらった。
ここでピザポの方を向いたら益々薄塩の機嫌が悪くなるだけだ。
「何かあったか?」
薄塩はまだ不機嫌そうな顔をしていた。
暫く経つと、チャイムが鳴り響いた。
「・・・もう行くわ。」
結局、薄塩は教室から出て行ってしまった。
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・・・・・・・・・。
放課後。
申し訳なさそうな顔をして、薄塩が僕等のクラスを訪れた。
「・・・・・・さっきは悪かった。」
「ああ。」
薄塩の不機嫌は大体30分もあれば治るのだ。
「・・・クラスの空気が悪い。」
「そうか。」
「・・・姉貴の機嫌も。」
「大変だな。」
「・・・・・・悪かった。」
「何時もの事だろう。」
薄塩が言った。
「高梨・・・だっけ?協力する。」
「ありがとうな。」
僕が礼を言うと、薄塩は小さく頷いた。
ふと、横から声がした。
「俺空気・・・(´・ω・`)」
あ、ピザポを忘れてた。
「すまん。忘れてた。」
「・・・(´;ω;`)」
「後で何か奢るから。」
「ドーナツ!!(`・ω・´)」
「了解。ドーナツな。」
「ちゃんとイースト使ったやつ!!シナモンは抜きで!!(`・ω・´)」
「・・・作れと?」
「無論!!(`・ω・´)」
「・・・はいはい。」
僕は、ふぅぅぅ、と大きな溜め息を吐いた。
イースト発酵は少し苦手なのだ。
揚げ物も嫌いだし。
僕が少しだけ顔をしかめていると、薄塩がコホン、と咳払いをした。
「・・・で、話を戻すぞ。その高梨君とやら、まず《見えてる》のか《見えてない》のかを調べる必要があるな。さて、どうする?」
ピザポが
ピシッッ
と手を挙げて言った。
「それなら、分かりやすい方法がある!!」
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・・・・・・・・・。
そして今、僕は眼鏡を掛け、手にタロットカードを持って高梨君から見える位置に立っている。
持っているタロットカードを
グシャッッ
と握り潰す。
と、同時に小声で、でも力を込めて、僕は言った。
「ペル○ナ!!」
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ブフォォッ
ゴフゥッッ
薄塩とピザポが同時に噴き出す。
そう。
この芸は《見える》人は十人中十人が何らかのリアクションをする僕の鉄板ネタだ。
・・・そう。
リアクションをせざるを得ない。
何故なら。
僕が「ペルソナ!!」と叫ぶと同時に、僕の背後からミズチ様が飛び出して何らかのアクションをしている(らしい)からだ。
・・・僕には何も見えてないけど。
「ちょwwwwwwww」
「格好いいwwww超格好いいwwww」
ミズチ様は一体何をしているんだろう。
色々な意味で。
チラリと高梨君の方を見たが、反応は無かった。
・・・見えていないんだろう。
別に僕が滑った訳では無く。
ただ単に見えなかっただけだろう。
「・・・見えてないっぽいな。」
ほら、薄塩もこう言っているし。
「・・・だね。」
ピザポだってこう言っているし。
それに、少なくとも二人は笑ってくれた。
だから僕は断じて滑っていない!
滑ってなんか・・・
「コンちゃん?」
「・・・っおお。」
ピザポが心配そうにこちらを見てきた。
「どしたの?」
「・・・いや、何でもない。」
答えると、ピザポは顔をしかめながら言った。
「やっぱり見えてないっぽいね。ただの中二病かな。」
薄塩も溜め息を吐いた。
「面倒だな。・・・よし。コンソメ。」
「ん?」
僕が返事をすると、薄塩が聞いてきた。
「お前、あいつとそこそこ仲良かった筈だよな?」
「まぁ・・・そうだな。」
「あいつを治したいんだよな?方法は何であれ。」
え?何この質問。
なんか怖い。
僕は恐る恐る答えた。
「・・・・・・ああ。」
薄塩は
「そうか・・・。」
と言って数回頷いた。
そして一言。
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「姉貴にでも襲わせるかな。」
と言った。
・・・・・・え?
ええええええ?!
「ちょ、薄塩何言ってんの?!」
ピザポが絶叫した。
「薄塩、それ冗談か?」
僕が聞くと、薄塩はしれっと
「本気。」
と言った。
「ああいうのは下手に治そうとするより一回位恐怖のどん底に落とすと良いんだって。命の危険を感じれば、身を取り繕ってる気なんて失せるだろ?」
いや確かにそうかも知れないけど!
思わず叫んだ。
「死ぬぞ!!肉体的にも精神的にも!!」
「俺の姉貴は化け物か?」
「違う!でも限り無く近い!!」
「確かにな。」
薄塩はつまらなそうに言った。
「仕方無いか・・・。」
そして、誰かに電話を掛け始めた。
いや、誰かと言っても相手はほぼ決まっている。
「あ、もしもし姉貴?」
薄塩の姉である、のり塩ーーー通称のり姉である。
「うん。ちょっと頼みがあって。うん。」
彼女に頼るという事は、今回もきっと面倒な事になるのだろう。
僕は小さく溜め息を吐いた。
「おお。今代わる。・・・はい、コンソメ。」
「え?・・・え??」
突然手渡されたスマホを持って僕がわたわたと慌てていると、薄塩が言った。
「さっきも言ったけど今姉貴、機嫌悪い。俺は話したくないから頼むなら自分で。」
恐る恐る耳に当てると、のり姉の声が聞こえた。
「コンソメ君ー。コーンーソーメー君!」
「あ、はい。コンソメです。」
聞こえて来た声は、予想より明るかった。
「頼み事があるんだってー?何?また何かに頭突っ込んだのー?しょーがないなー。」
ああ、やっぱり結構大丈夫そうだ。
僕は安堵した。
「はい。実は斯々然々で。」
「ふーん。成る程ねぇ。確かにそれ、厄介かも。」
のり姉が、むぅ、と唸った。
僕は聞いた。
「・・・厄介て、中二病が?」
「ううん。ちょっと違うかな。・・・話によると、その子、今現在かなりの数が寄って来てるんでしょ?」
僕は頷いた・・・が、頷いても電話なのであちらには何も見えていない事に気付き、慌てて返事をした。
「あ、はい。そうみたいです!」
「みたい?・・・ああ、そかそか。コンソメ君普段は見えないんだっけ。便利だよねー。ミズチ様フィルター。」
「・・・ごめんなさい?」
「謝んないでよwww」
「ごめんなさい・・・。」
「だから謝んないでってwwww」
もう、とのり姉は楽しそうに笑った。
「あのね、多分その子、色んな心霊スポット行きまくってるんだと思う。」
「え?」
のり姉がニヤリと笑った様な気がした。
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・・・・・・・・・。
ねぇ、コンソメ君。
その子に引っ付いてるの、何人位居る?
うん。正確な人数で。
・・・8人?
凄いね。
本人はまだ気付いて無いっぽい?
・・・そう。
なら結果オーライかな。
あ、いきなりでごめんなんだけど、コンソメ君《除霊にファブリーズが効く》て話、知ってる?
・・・・・・ああ。うん。確かに今更だよね。
じゃあさ、コンソメ君。
《ファブリーズ何かで霊を祓える訳無い》って、知ってる?
・・・んー。確かにね。
日々ファブリーズ様の恩恵に与っておきながら何言ってんだ!
って、感じだよねー。
でもあれってさ、良くも悪くも只の消臭スプレーでしょ?
秘密の成分って言ってもそんな物凄い何かは入ってないし。
じゃあ何で効くかって?
・・・そうだなぁ。
《言葉の力》とか言うと、格好いいかもね。
・・・意味が分からないよって?
うん。一言で纏めんのって難しいねー。
今から詳しく話すよー。
・・・説明しよう!
なんてwwww
・・・ごめんごめん。
あのね、例えばコンソメ君。
《青信号は進め、赤信号は止まれ》だよね?
・・・ああ。うん。
当たり前だね。
でもさ、そんなの誰が決めたの?
・・・うん。
え?160年前?
イギリスの鉄道会社??
そうなの?え?
ちょ、・・・何でそんな事知ってんのコンソメ君。
・・・・・・いや別に?
別に焦って何か無いけど。
うん。本当。
冷静冷静。うん。
えっと・・・言い方変えるね。
もしも、コンソメ君以外の人全員がさ、
《青信号は止まれ、赤信号は進め》だって言ったら、どうする?
・・・うん。
皆。全員。薄塩もピザポ君も私も両親も。
・・・・・・。
そうだよね。
順応して、皆と同じ意見になるよね。
私もきっとそうするよ。
そう。
世の中の人の大半はさ
《約160年前にイギリスの鉄道会社が信号の色を決めたとされている》
何て知らなくて、只
《皆が、青信号は進め、赤信号は止まれと言っているから》
って理由で信号を渡ってると思うんだ。
それが《一般的》で《常識》だからって。
でもさ、考えてみなよ。
《常識》や《一般的》なんて住んでる場所や民族、もっと細かく言えば個人個人で違う物でしょ?
でも、それじゃ世の中がグチャグチャになっちゃうよね。
だから、人々は考えを統一して、《常識》にする事にした。
意図的か、非意図的かは分からないけどね?
例えば信仰。
例えば言語。
ね、そうでしょ?
さっき私が言ったファブリーズもそう。
元々何の力も無かった物が、多くの人から信じられ、伝えられた事で本当に力を得た。
只の音や線の羅列が、思いを伝える最大のツールとなった言葉の様に。
救われると信じられて、救えると信じ続けて、本当に何かを救う事が出来る様になった神の様に。
だったら、《自分は霊が見える》と信じ続け、周りの霊からも《彼なら自分を見てくれる》と信じられ続ければ、その少年がどんな力を得るかーーーーーー
・・・想像、つくよね?
引っ付いてるのが、十人を越えたら、少し大変かも知れないよ。
・・・・・・。
大袈裟?
確かにそうかも知れないね。
信じたからって、何でも出来る訳じゃない。
でも、信じなきゃ何も出来ないんだよ?
・・・でも、少し心配だなー。
普通の人がそう簡単に《見える》様になれる訳無いんだけど・・・
・・・もしかしたら、《常世の理》が崩れ始めてるのかな・・・。
と、したらヤバいかも。
《闇姫》が目覚めたか、はたまた
《花散る夜》が、近づいたか・・・。
いや、どっちにしても一大事に変わりは無いか。
私も《ヤトノカミ様》を、呼ばなきゃ駄目かな。
・・・・・・。
コンソメ君!!
大切な事を伝えるよ!!
今から私が言う事をよく聞いて!!
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・・・・・・・・・。
僕はのり姉の話を聞きながら呆然としていた。
何だか話が偉い事になっている。
のり姉が、ふぅぅ、と息を吸った。
僕はゴクリ、と唾を飲み込んだ。
のり姉が、ゆっくりと口を開いた。
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「・・・て言うのが、真性の中二病だから、多分その子はまだまだ大丈夫www!!」
「・・・へ?!」
のり姉が、向こうで噴き出した。
思わず僕は尋ねた。
「え?何?どういう事ですか?!」
「本気で言ってると思ったのwwww?」
「嘘だったんですか?!」
「いや、適当だから 。合ってるのも間違ってるのも混ぜこぜwwwww」
「えぇ~~・・・・・・。」
のり姉の答えに、僕は溜め息を吐いた。
のり姉はまだ大声で笑っている。
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一頻り笑うと、のり姉はまた話を始めた。
「さあ、こっからは真面目な話!
正直、8人に取り囲まれて何も分からないなら、その子に霊的な何かがあるとは思えない!
でも、何も無いとも、言い切れない!
更にこのままでは人間関係に亀裂が生まれる!
で、最終確認ね。
コンソメ君、その子をどうにかしたい?」
「はい。」
僕は大きく頷きながら言った。
のり姉がまた、ニヤリと笑った様な気がした。
でも・・・。
もう、後戻りは出来ない。
のり姉が、これから僕がどうすべきかを喋り始めた。
「今から私が言う事をよく聞いて行動して。
あのね・・・・・・・・・。」
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後半に続く
作者紺野
どうも。紺野です。
期末テストのせいで此処に来れなくなってました。
覚えている方が居るかどうか、少し心配です。
前後編になってしまいましたね。
しかも怖い要素0。
中二病と言っても、僕も他人の事言えないですし。
本当にごめんなさい。
物語はまだまだ続きます。
良かったら、お付き合い下さい。