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短編1
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指先

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「よう」

 誰かの指先が肩を叩くのと同時の掛け声に、ああ、と気のない声を出してしまった。電車が入線するのを待っていた時だった。

「なんだよ、久しぶりなのに。まだあの会社にいんの?」

「まあね」

 退職願いを出したが、まだ辞めていない。

「佐奈川さあ、ユキちゃんとは終わったの?」

「え」

「宮川 由貴嬢だよ。ミスコンの。付き合ってたよな。とっくに別れてんだ?」

 大学生の時の話じゃないか。三年前だ、ミスコントップが恋人だったのは。半年くらいは一緒にいた気がする。

「昔の話じゃないか」

「あ、そうか。そうだよな。俺は今だに一人だよ。誰かいない?」

 今はストーカーしか知り合いはいない。

「今日はもう帰るだけ? 飲みに行かないか?」

「すまん、今日は無理だな」

「そっか、じゃあ連絡するよ。俺だっていつも暇って訳じゃない」

 古い携帯電話を取り出して、番号は? と聞かれた。

「悪い、今、携帯ないんだ、壊しちゃってね。そっちのを聞かせてよ、書くから言って」

 手帳に書き付けるといい笑顔でさよならを言って入線してきた電車に乗り込んだ。振り向かないことにした。

 あいつ、誰だったかな。

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maeさん
コメントありがとうございます

怖かったですか、よかったです。

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まさかの終わり方・・・w
普通の恐い話よりよっぽど恐いです。何これ超恐いwww

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