この話は実際僕が見聞きした話です。
落ちもなければ怖くないかもしれませんが事実です。
数年前、実家に帰省した時の話です。
お昼くらいに祖母のところに行き夕方実家に向かいました。
家に着くと母は台所で夕飯を作り、父はお風呂に入る準備をしていました。
僕「ただいま~」
母「おかえり」
僕「のど乾いた~。なんかない?」
母「ビールあるよ~」
僕「飲む!」
僕はビールを手に、テレビを見ながら夕飯を待っていました。
数分後、父がお風呂からあがり、他愛ない話をしていると
母が台所から出てきてこんなことを言いました。
母「今だれかため息ついた?」
僕と父は話してはいましたがため息などついていなかったので
僕「いや。ついてないよ。」
そう返事をしました。
母は不思議そうにまた台所に戻り、夕飯の準備をし始めました。
更に数分後、また母がでてきて
母「やっぱりため息ついたでしょ!?」
すこしあわてた様子で言ってきました。
ここで僕はあることに気づき母に言いました。
僕「ここでため息ついてもそっちまで聞こえないんじゃない?」
確かに僕たちがいる部屋の話し声は、台所からはわずかに聞こえる程度で
ため息ほど小さな音や声は聞こえるはずはなかったのです。
母「でも聞こえるし。え~。も~。こわい...」
怖がりながらも夕飯の準備はしなくてはいけないので、しぶしぶ台所に戻っていきました。
父は、気のせいだと言っていましたが、今度はすごい勢いで母が出てきました。
母「やっぱり聞こえる!」
母の話では、台所に立っていると
「はぁ...」
と、男の人のため息が聞こえたそうです。
「えっ?」と思い振り返ってもなにもなく、また準備を始めると
「はぁ...」
と聞こえたそうです。
最初は僕たちだと思っていたのですが、
その声が、僕たちのいる部屋の方からではなく、
耳元で「はぁ...」と聞こえることに気づき、怖くなって台所から飛び出してきたそうです。
あまりに怖がるので、夕飯の準備が終わるまで僕は台所にいました。
そこからはもう聞こえないみたいでしたが、あれがいったいなんだったのかは分かりません。
今はもう引っ越しをしてその家には住んでいませんが、古い日本家屋の家で、
僕や家族も住んでいた時は不思議な体験を何回かしました。
開けたくないドアや寄り付きたくない場所もありましたが、
その話もまたいつか...
作者回天
この話は数年前の体験をできるだけ思い出しながら書いたものです。
これといった落ちはないですが当時はすごくこわかったです。
アドバイスや感想頂けるとありがたいです。