それから、数日間誰かが酷い目に会うことは無かった。
いや、彼の苛めは続いていた。
つまり、彼はまだ酷い目にあっていた。
それから数日後、
苛めの主犯が行方不明になった。
捜索願い等は何故か出されなかったからなのか、
事件にはならなかった。だが、
苛めッ子達が次々不幸な目に会うから、
「青年が彼等に呪いを掛けた。」
と言う噂が立ち始めた。
だが、それは違った。
何故なら次の犠牲者が、
青年を気にかけている彼女だったから。
彼女が青年を気にかけている事は殆どの人が知っていた。
だからこそなのか、彼の苛めが無くなった。
それども、いや、それどころか被害者は増えた。
苛めに加担してた人だけじゃなく、
苛めを見て見ぬふりをしている人も不幸な目に会った。
私はまたしても彼に聞いてみた
私「本当に彼等に呪い等を掛けてないんだな」
青年「掛けてない。」
私「本当に?君が知らない所で・」
青年「知らない!そもそも、
何で僕がこんな目に会わなきゃいけない。僕は何も知らない!」
私「そう、分かったよ。」
それからも不幸な目に会う人は増え続けた。
私「君が彼等に呪い等を掛けたのか?」
彼女「私?じゃあ何故私は怪我をしているの」
私「そりゃそうか。」
それから、数日後。
最後の被害者は青年自身だった。
彼は夜道を歩いてる時、車に轢かれ、体の半分を失った。
青年「惨めだろ。皆を呪った張本人がこんな姿になるなんて。」
私「君は誰も呪ってないだろ」
青年「僕が呪って無いなら誰がこんな事をやったんだよ」
私「じゃあ、彼女はなんだ。無関係だぞ。いや、君を助けようとしてた。」
青年「・・・・・・」
私「分かったよ。」
私は病室を出た。
その際、彼が何か言おうとしてたが、私は振り返らなかった。
そして、彼が学校に来ることもなかった。
···········
それから、数年後
私「彼はどうなったの?」
彼女「さあね、居なくなったから。」
私「居なくなった?」
彼女「自殺よ」
私「そう。」
彼女「バカよね。彼がやった事じゃないのに。
彼は被害者側なのに。」
私「でも、これで良かったんだ。
もし、彼が生きてたら、罪悪感に押し潰されてた。」
彼女「でもっ!」
私「それでいいんだ!。彼は自分の意思で死んでいった。
彼の意思を尊重してやろう」
こんな事を言ったが
私は彼を救えたのに救わなかったという事ばかり考えていた。
私「お前が救いを求めても誰もお前を救えない。」
彼女「なにそれ?」
私「昔見た映画の台詞。でもこれは、間違いだよな。」
彼女「どうして?」
私「君は私に、彼を助けて、と言ったろう。」
彼女「ええ、それが。」
私「その時点で彼を助けていればこんな事には、
ならなかった。」
彼女「それでも、助けられなかったら?」
私「どっちにしろこんな惨事にはならなかった。」
彼女「そうね·····」
私「彼の墓ってどこにあるの」
彼女「すぐ近くよ。なに、墓参りにでも行くの?」
私「まあね、」
私達は彼の墓へと向かった。
作者退会会員
多少の脚色はしてますが殆ど実話です。
呪いは自然に産まれる事も在りますので、
怖いんですよね。