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短編2
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山登り

俺と友人のAは某県にある山に登りに来た、Aは毎年この山に登りに来ておりこの山には非常に思い出があるらしい

最初に奥さんに出会った場所であり離ればなれになってしまった場所でもある。

俺「キツいなぁ…おっさんにはきついわこれ。」

A「大丈夫だよ、後少しで山小屋だ。」

俺「はぁ…はぁ…待ってくれぇ」

Aは慣れたように草木を掻き分け奥に進んでいく、長年誰も来てないのか草木が好きな方向にのび放題。

心が無の状態で歩き続けること30分ようやく山小屋が見えてきた。

結構大型で一回に20人は泊まれるだろう山小屋で中には布団と僅かな食料がある。

A「よし、明日になったら霧の谷行くか」

俺「霧の谷?」

A「幻想的な上に人の入れないようなとこにあるからすごいよ、あれ見なきゃこの山に来た意味がないよ。」

俺「へぇ…俺でも行けるの?霧の谷っての。」

A「断崖絶壁下るけど大丈夫だろ。」

俺「明日行くか」

A「今のうちに休んどけ、お休み」

俺「お休みー」

寝返りを打って俺に背を向けた。

……………………………………

屋根に細かいなにかが当たる音、窓で見ると風が吹いて砂や砂利が当たったのだろう。

俺「なぁ行くのか?霧の谷」

A「まぁな、この風なら大丈夫だろ。」

俺「ふうん…」

A「強くならないうちに行こうぜ」

俺「それもそうだな、行くか」

歩くにつれ霧が濃くなり行き止まりの所に来るとくるりと右を見た。

A「ここおりるぞ。」

俺「ええ!?」

少なくとも5メートルはあるであろう崖があり、下も霧で見えないからもっと高い、落ちたら骨折ではすまないような崖だ。

A「無理ならべつにいいけど…どうする?」

俺「やめとくよ…無理に行って怪我するのもやだ」

A「俺は行くよ、折角だから写真取っとけ。」

頷いて下を覗き込みカメラを取り出す。

背中を強く押される感覚、フワッと中に浮き背中を打つ、背中が痛い、頭から血も出てる…ああ…俺は落とされたのか…

薄くなる意識…目が覚めると病院…ではなく錆びたスコップとAが目に入る。

ザクザク…ザクザク…

俺「うっ……」

A「不味い!お前…起きたのか…」

俺「お前が落としたのか?…」

A「あははは!!そうなんだよ!ちなみに妻を殺したのも俺!お前の横に居るよ!」

俺「お前…」

A「妻が生き返らないように毎年来てるのさ!さて、知られたら生かすわけにはいかないよ!」

錆びたスコップで顔面を何回も殴られまた意識を失う。

俺「ハッ!」

目が覚めると山小屋だった。

俺「リアルな夢だなぁ…内容まだ覚えてるし、A…外か、ストレッチでもしてるのか…」

俺は山小屋を出てストレッチに付き合うことにした。

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