曰く付きの土地にて、学校の前に住んでいた頃の話。
お盆の頃、夜中に「ギャー」と言うような悲鳴が聞こえて目が覚めた。
悲鳴と言ったが、目覚めて聴いてみると赤児の鳴声の様にも聴こえる。発情期の猫にしては、時期が違うし、複数では無い。
その「ギャー」と言う声が途切れる事無く続く。息継ぎが無い。
当時、一階の部屋で寝ていたが、その悲鳴は窓の向こうから聴こえる。
暫く、布団の中で色々考えてみたが、思い当たる原因も無い。
只々、「ギャー」と言う悲鳴だけが延々と聴こえて来る。
とりあえず、布団から出て、カーテンを開けたが、暗闇が広がるだけ。月も無く、向いには、ぼーっと建っている学校しか無い。
悲鳴は止まら無い。
流石に、ちょっと怖いので、机まで行き、般若心経典と銀のクロスを手にして、窓を開けてみた。
闇が広がり、悲鳴は直ぐ其処で聴こえる。
しかし、音源は不明。悲鳴が聞こえて来る所には何も無い。
気が付いたら、布団の中で朝を迎えていた。弟から、昨夜怖いって言ってたろ?と笑われた。。
じゃあ、怖く無かったのかよ?と聴くと、怖かったと。真顔で言われた。
今なら、小さな再生機へ仕込んでとか簡単なのですが、当時はカセットテープ位しかなく、人の悪戯にしては高難度。
作者斬麗魔
ここへは、合計15年位だか住んでましたが、今になって考え直すと、お盆の時期には必ずこんな感じの出来事がありました。