music:4
これは、私が小学5年生の話
学校と塾の宿題を仕上げて仕舞おうと
机に向かった時、名前を呼ばれた。
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sound:40
「牡丹狐」
…誰?
男の人の声。
でも、両親の声じゃない。
弟でもない。
誰の声?
ゆっくりと、恐る恐る振り向いたが誰もいない。
薄暗い室内と別の部屋へと続く白いドアが見えるだけで、声を発した者はいない。
姿は見えない。
でも、ハッキリとした声が聞こえた。
急にゾッとなり、慌てて一階へ駆け下りると
そこには母がいた。
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母:「どうしたの?そんなに慌てて」
私:「さっき、二階に来た?」
母:「来てないよ」
私:「あたしのこと、呼んだ?」
母:「呼んでないよ」
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<呼んでない>
それもそのはず
母の声とは明らかに違う声色だったのだ
「そっか、分かった…」
それだけ言うと二階に行き、自分の部屋の机に向い、宿題に取りかかったが、内容が進むことはなかった。
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あの声は、あの時に聞こえたきり、
もう聞いていない。
ただ、声は、忘れてない。
気味の悪い、ねっとりとした声だったから。
でも、その声の主が私にとって厄介な存在であることを、まだ知らなかった。
作者退会会員
こんばんは。
牡丹狐と申します。
初投稿なので、読みづらく、分かりずらいかもしれませんが、良かったら、呼んで下さい。
また、誤字脱字などありましたら、ご指摘頂ければ幸いです。