music:4
去年の6月の末。
私は、ある人に出会った。
この人が、今まで私に憑いていたものを落としてくれた。救われたから、私は生きてる。
ずっと、私に憑いていたもの
人ならざるモノ
つまり、幽霊…
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当時の私は、荒んでいた。
深夜に出歩くのは、当たり前
興味本位で夜の仕事の世界に飛び込み、それがきっかけで大学の連中にイジメられた。
行きつけのBARを見つけ、そこに通い詰め、自分の好きなことだけをやっては、親とケンカ
たまに◯会い系の人と会い、遊ぶ。
そして、夜の仕事で稼いだお金でBARにまた行く…
居場所を求めるが、そんなモノ、何処にもない。
そんな現実から逃げてはお酒に酔う。
そんな馬鹿みたいなことを繰り返していた。
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ある日、大学の講義を終えて電車に乗っていた時にLINEにいきなり電話がきた。
◯会い系のアプリのチャットで知り合い、LINEのIDを交換し、話をするものの、それっきりの相手だったから放っておいたのだが、どういうつもりだろうと考え、少し警戒し、今は電車に乗っているので電話出来ないと状況を伝え、LINEでメッセージのやり取りを始めた。
家に帰ってから電話をすることになり、やり取りを後にして、電車で寝る。
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家に帰り、夕飯を済まし、iPhoneのチェック
仕事先からメールで連絡があり、返事を済ませた後、昼間に連絡があった相手にLINEを送り、メッセージのやり取りし、電話をする。
話は弾み、その話の中で以前から聞いていたギターの話になり、音楽仲間のLIVEがあり他の人も来るが、良かったら来ないかと誘われ、okをし、あと事前にどんな人か知りたい、今から会わないかと話になり、応じた。
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支度を済ませ、親を無視し家を出て、
雨の中、傘を差して歩く。
最寄り駅の近くに待ち、連絡する。
もうすぐ着くとのこと。
待っている間に親からLINEが来るが無視。
数分後、相手から連絡があり、
「着いたよ。◯色の車だよ」と言い、
車を見つけて窓をノック
車のドアを開けてくれた。
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私:「こんばんは(^^)
すいません、こんな雨の中来て頂いて」
相手:「いいよいいよ、こっちこそごめんね。
いきなり会おうだなんて言って」
私:「いえ、私もどんな人か知りたかったので。 逆に良かったです。」
相手:「そっか、うーん、ドライブでもしながらお互いのこと話そうか?(^^)」
私:「はい(^^)」
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色々話をしているうちに、道に迷い、相手が言い出した。
この先は、心霊スポットがあるから別の道に行こうと。
別の道に行き、そこから話題が変えられ、自然と私自身の話になり、私の周りで起こっているおかしな話をし、そこで何を思ったのか彼は見える人であることを明かし、写真のこと(※前作参照)について聞いてみた。
相手:「青っぽいのは、嫌いです。怨みとか妬み、そういう負の感情が強い。赤は、怒りとかあるからなー…」
私:「やっぱり、色々あるんですか?」
相手:「あるね。映ってないけど、見える時は見えるし」
私:「へぇー。実際に人に憑いているモノは見えますか?」
相手:「見えるね」
そこで私は、興味本位で聞いてしまった。
私:「私を見て、何か見えるものはありますか?」
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今思えば、何故それを聞いた?失礼だろうと考える。
だが、それを聞かなければ今の私はいなかった。
相手:「言っていいの?」
私:「はい。」
相手は、車をコンビニの駐車場に停め、私の方を向いた。
相手:「…糸が見える。」
私:「え…?糸、ですか?」
相手:「うん。いっぱい見える。中途半端な糸から色々と」
私:「その糸って、なんですか?」
相手:「人との縁」
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私:「縁、ですか?」
相手:「その他にも見えるけどね。」
相手は、後ろの席に目をやる。
私:「…もしかして、憑いてますか?」
相手:「憑いてるね。」
私:「あの…どういうものが憑いているんですか?」
相手:「…言っていいの?」
私:「…はい。」
相手:「まず、女。次に男2人。あと狐。」
私:「…多くないですか?」
相手:「多いよ。だって、ずっと憑いてるもん」
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私:「ずっとって、もしかして私が車に乗った時から、ですか?」
相手:「うん。というか乗る前から憑いてる。」
私:「⁉︎Σ(゚д゚lll)」
相手:「乗り込んできたんだよ、一緒に」
私:「…( ゚д゚)」
相手:「狐はね、君の親代わりみたいな感じでずっと唸ってたよ、俺に」
私:「何で唸ってたんですか?」
相手:「昔から狐とは相性が悪くてね。それでだよ」
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私は、まさか自分が取り憑かれているとは思ってなかった。
昔から怖い話は好きだったが、自分が憑かれていることは到底、想像出来なかった。
相手:「ま、狐にはさっき離れてもらった」
私:「え⁈いつの間に…」
相手:「ずっと唸られても、嫌だし。話をつけた。でも、君はね、実は色々とヤバいよ」
私:「え?」
相手:「だって、君の守護霊、もう隅っこの方に追いやられて守りきれてない。直に君に影響してる。」
私:「どうして守りきれていないんですか?」
相手:「君が生まれた時からずっと憑いてるやつがいて、そいつが今いる中で一番強い。生霊もいるし、厄介なやつばかりいるからさ」
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いきなりの爆弾発言に、クラリときた。
楽しい話とドライブから一転。
LIVEの話どころじゃなくなった。
初めて自分の状況に気付き、焦りと不安、憑いているモノに対する恐怖が一気に押し寄せた。
続く。
作者退会会員
今回は、ある人との出会いの話です。
命の恩人、と言ってもいいかもしれません。
誤字脱字は、ご指摘をお願いします。
質問のある方は、感想の方に記載してくれればお応えします。