大学生の頃カナダのバンクーバーに留学していた時の話。
英語にも慣れ、現地の友達や他国の友達が増え始め、よく宅飲みを開くようになっていた。
その時に自国の風習などを語り合うことがあった。
ちょうど夏だったので、日本人の友達が日本の夏の風物詩である百物語や肝試しを皆に披露してみた。
そこでなぜかカナダ人が妙に肝試しに食いついてきた。
折角なので(私としては多少霊感のようなものがあるので勘弁して欲しいが)百物語までとはいかないものの、自国の怖い話や都市伝説などを語り合い、肝試しとやらに行こうという流れになってしまった…。
話を聞くと面白いことに日本の都市伝説と同じ話なども聞け、なかなかに興味深かった。
『ミイラ船良栄丸』は日本でも聞いたことがある方がいると思う。
多少カナダの方が脚色は激しかったが(笑)
また韓国の都市伝説では日本でいう『口裂け女』や『トイレの花子さん』のような話もあり、こちらも興味深かった。
そんな話で盛り上がったところ、では肝試しに行くかということになってしまった(>_<)
肝試しの場所はバンクーバーから車で30〜40分の所にある廃棄となった。
肝試しはまあ百歩譲ったとしていいんですよ…ただカナダ人、韓国人の装備が( ¯−¯ )
これからサバゲーでもやるんですか?!という重装備。
エアガンにバールのような物、バイクのフルフェイスのヘルメット。
どこから出した?それ?状態。
日本人はみんな(꒪⌓꒪)←ポカーン。カナダ人、韓国人は訳のわからない盛り上がり具合。
それぞれの国の温度差が激しく、とても肝試しの雰囲気ではなかった。
廃墟とはいえ家の入り口には南京錠がかかり、これは入れないと日本人一同はしょうがないというムードに包まれたが…が!カナダ人は違った!
突然オーやワォーなどの奇声を発し、南京錠に向かってエアガン乱射のバールのような物を打ち付ける。
またもや日本人( °Д° )←ポカーン。カナダ人、韓国人ハイテンション。
かくして南京錠はいとも簡単に破壊された。
日本人はこれは不法進入ではと戸惑ったが、カナダ人と韓国人のハイテンションに押され、渋々廃墟へ突入。
前述した通り私には多少霊感があり、嫌な雰囲気や危険な場所はなんとなく察知することが出来るのだが、その廃墟には特に何も感じなかった。
カナダ人、韓国人、日本人の順番に廃墟へ突入。
廃墟は2階建ての一軒家で、日本の上流階級のような立派な建物だった。
1階から順に見て回ることになり、妙なハイテンションでエアガンを乱射しつつ進んでいった。
この時の私含め日本人の想いは、もう勘弁してくれの一言に尽きた…。
何事もなく1階を見て回っていたら、どこからかヒタヒタと足音が聞こえた。
私達の足音が反響してるのかと思い皆いっせいに立ち止まったが、それにも関わらず足音は響いてきた。
耳をすませてみるとどうやら2階から足音が聞こえる。
その足音に怖がるどころか、謎の現象にテンションMAX!
もう日本人にはカナダ人、韓国人を止められなかった。
彼らはエアガン、バールのような物を手に2階へダッシュ。
日本人置いてけぼり。
2階からはエアガンの乱射音や訳のわからない叫び声。
共通言語は英語にしていたが、英語やら韓国語が飛びかっていた。
私達日本人もただ事ではないと2階へダッシュ。
そこで見た物は…疲れ果てたおっさんだった。
私は感じることが出来ても滅多なことでは見ることなんてなかったが、よほど波長があったのか、少しでも感じる私におっさんが助けを求めたのか、兎に角見てしまった!
疲れ果てたおっさんにエアガン乱射攻撃。
流石におっさんがかわいそうになり、慌てて止めに入ったが、みんなハイテンション過ぎて私にもエアガン乱射(›´A`‹ )
そこでやっとみんな正気に戻り攻撃停止。
私は軽傷を追ったが、おっさんは無事に助けることが出来たらしい。
廃墟に突入する前に何も感じなかったのは、やはり他国の霊とは波長が合いにくく、またおっさんが悪霊の類いではなかったのではないかと思う。
その辺は今だに不明だが。
かくして第1回肝試しinカナダはテンションMAXという結果を残し、無事?に終わった。
その後の話もまだまだある。
日本の怪談に興味を示し、第2回肝試しやコックリさんに付き合わされたのはまた別のお話。
作者宵闇-2
怖いというかギャグになってしまった気が…。
これは全て実話です。
皆様の怖い話の中の箸休めになればと思います。