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七不思議… ~赤く染まる川~

中編3
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七不思議… ~赤く染まる川~

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七不思議…

そんなもの世間には溢れてる…

学校…、病院…、そして地域…

俺の暮らす町にも七不思議がある…

別に大人は大して気にしてはいない…

面白おかしく騒ぎ立てるのは子供達…

そんな話しを1つ…

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俺の住む町は山陰地方の田舎町…

人口は1万人にも満たない小さな町…

その町の中でも俺の住む集落は少し大きな集落だ…

その集落には子供の頃に聞かされた不思議な話がある…

①観音堂の銀杏の木の下には着物姿の女の子が出る

②ある家にある古井戸には死体が眠ってる…だから井戸には蓋がされ、御札が貼ってある…

③神社には3匹の白蛇が居る…

④神社にある雛人形が夜な夜な動き出す…

⑤集落を流れる川が真っ赤に染まる…

⑥観音堂裏の森に入ると何かがおこる…

⑦外れにある空き家には幽霊が出る…

どれもこれもありがちな話し…

大人達が危険な場所に子供達を近づかせないように言い出した話だろう…

その中に気になる話が幾つかある…

まずは、赤く染まる川…

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この川は、中国山地を源流として、日本海に流れる大きな川…

一級河川で、鮎釣りのシーズンになると県外からもたくさんの釣り人が集まる川だ…

子供の頃に聞かされた話しはこうだ…

『あの川は、水面が赤く染まる事がある…

そんな時は、川に近づいては行けない…

あれは血の色… 誰かが川で死んだか、これから誰かが死ぬって証…』

同じ学校に通う川の向こうに住む同級生に聞くと、そんな話しは聞いたこと無いって言う…

子供心に、迷信だと知る…

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ある夏休みの終わりの出来事だった…

夕方、遊ぶ俺たちの上をヘリコプターが飛んでいた…

どこかで救急車のサイレンが聞こえる…

俺達はその音のする方へ向かう…

例の川の土手だ…

救急車、消防車、パトカーが何台も停まってた…

消防隊の人だろうか?

川にロープを張り、何人かが胸まで水に浸かり何かを探してる…

川岸には見覚えのあるおじさんが、毛布にくるまれて、川を見つめてる…

その横でそのおじさんの奥さんが大声をあげて泣いている…

誰かが川で流されたんだ…

子供でも理解できる光景だった…

俺達はそこから少し上流側に向かい、橋の歩道から川を見下ろす…

そこには大勢の野次馬が居た…

隣の近所のおじいさんが呟く…

「川が真っ赤に染まっとる…」

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親が迎えに来た…

「もう、日が暮れるからとりあえず家に帰れ」

俺達は有無を言わさずに家に帰らされた…

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家に帰り、聞かされたのは同じ集落に住む女の子が流されて行方不明になってるってこと…

日が暮れるから、1度捜索を中断して明日の夜明けから再開するということ…

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次の日の午前中、女の子は川の底に沈んでいるのを発見された…

流された場所から、3㎞も下流で発見された…

もうすでに息は無かった…

翌日ともなると、色々な事実がわかってくる…

川へは、亡くなった女の子と妹、そしてお父さんと3人で遊びに行ったらしい…

そして最初に溺れたのは妹…

慌てた父親が、助けに向かい無事救出…

川から上がると、お姉ちゃんの姿が無かったらしい…

鮎釣りの季節だったため、声を聞いた釣り人が何人か駆け付けたがその時にはお姉ちゃんの姿は無かったそうだ…

助かったと思ってホッとしてたら、お姉ちゃんがいないって父親が取り乱すもんで、慌てて通報したらしい…

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これがその時に起こった話し…

確かに川が真っ赤に染まってるのを俺達は見た…

因果関係があるのかどうかはわからない…

夏の終わりの夕焼けが綺麗な時期に、あの橋から川の下流側を見ると、夕焼けが反射して川は赤く染まる…

この時期の天気のよい日はいつもだ…

ただあの日見た川の色は、いつもより赤く感じた気がする…

多分気のせいだろうけど…

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