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(大学二回生の冬、父が急死した。
死因は急性心不全、
この後あった出来事は、「それで何をしたい?」という題で、怖話に投稿しているが、それは私の体験、これは母親が見た夢の話。)
母親が近くの川の土手の道を自転車を押しながら歩いていた。
その頃は家に帰ると気が滅入るので、用事や買い物の行き帰りはぶらぶら遠回りしていたらしい。
土手と言っても車が通る道が付けられている。
あれこれ考えながら歩いていると、後ろから急にクラクションの音、
振り向くと車種はわからないが、大きな白い外車である。
その外車が母の横に停まり、窓が開く。
あゝ、また道訊かれるな、面倒くさと思っていると、ひょっこり顔を出したのが父親、
笑いながら、
「おまえ久しぶりやな。元気してるか?」
母は呆れてしまった。それで皮肉混じりに、
「ええ車乗ってるやん、向こうでええ生活してんやね〜」
すると父は、
「いやいや、わしな、今はあっちで送り迎えさせられてるんや。空き時間は好きに車使うてええことになってるよって、ドライブしてんねん。それで久しぶりに会うたから、一緒にドライブせんか?高級車やから乗り心地ええで〜」
「うるさいわ!それ乗ったら戻れんやろ?」
「あ、わかった?」
連れて行く気満々やなぁ。と半ば呆れながら、
「で、仲の良かった元の同僚さん(父に濡れ衣着せて失職させた連中)とか、可愛がってたS先生(父の浮気相手)とドライブせえへんの?」
と聞くと、
「なんかみんな顔色変えて怖がりよる。絶対嫌です助けてください。許してください、言うてな、なんでやろ?」
母は馬鹿らしくなって、
「そりゃみんなあんたより賢いからな」
そう言うと、
「それでも、Hさんの息子が『どうしても乗せてくれ』ていうんや、
『やりたい仕事があったのに親に無理やり教員にさせられる』
よう分からん。休みは多いし、空き時間は好きなことできるし」
母はため息ついてから言った。
「それで結局乗せたんやね……」
(私の同級生で父の同僚の息子さんが亡くなったのは、産休補助教員として初出勤する朝、布団の中で冷たくなっていたそうです。
父や母と同僚だった元教員の住職さんにこの話をすると、
「あなたが知らないだけで、お父さんに関わった人や身内さんが連れて行かれてますよ。
その話は氷山の一角ですなぁ!連れて行かれた人はいわば自業自得です」
と笑われました。)
作者純賢庵
Facebookのグループに投稿したら、コメントをいただき、ある方の恩師が白い外車で現れたようです。
案外普通の事例らしい気がします。
昔は牛車がお迎えしてた話が伝わっていますが、今は自動車なんですね。
遭遇しても乗るか乗らないかの選択は、自己責任でお願いします。
乗れば、地縛霊や浮遊霊にならずにあっちの世界にいけるんでしょうね。
くれぐれも、この世にやり残した事や未練を残さないよう生きたいです。