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とあるレストランで、美紗は尚弥と食事をしながら楽しく談笑している。
「でさ〜、っふふッ、香織ったらそん時またいつもみたいに、あ。」
カチャン。
話に夢中になりすぎて身振り手振りしていたら、テーブルの上のフォークを落としてしまった。
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『お客様、お取りいたしますので。』
身を屈めてフォークを拾おうとしていた美紗のそばに、近くにいたウェイターがサッと反応した。
「あ、すみません。」
美紗は恥ずかしそうに俯いて、ウェイターがフォークを取り替えてくれるのを横目で見ていた。
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「あー恥ずかしかった!」
ウェイターが離れるのを待って小声で呟く。
『相変わらずおっちょこちょいだな(笑)。で、その後どうしたの?』
尚弥が穏やかな笑顔で問かける。
「?。。。え?何が?」
キョトンとしている美紗。
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『もう(笑)。香織ちゃんが上司に怒られて、そしたらその後いつもみたいに香織ちゃんが。。ってとこまで話してたよ。続き続き。』
ニコニコしている尚弥。
「え?あたしそんな話 してた?」
『えっ?』
「えぇー、なんだろう、全然わかんない。香織ー?香織が上司に。。。そんなことあったっけ。。。」
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『えっ?美紗?大丈夫?さっきまで美紗が話してた事だよ?』
尚弥がすごく怪訝そうな顔をしている。
「えっ、あっ、だよね。。。。」
『。。。え?ホントに大丈夫?』
尚弥の顔がみるみる曇っていく。
『香織ちゃんが上司に怒られた事も、全然覚えてない?』
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「香織。。。香織が。。。上司に。。。香織。。。?」
『美紗?』
「。。。。香織って、誰?」
『えっ!?美紗どうしたの!?』
「香織さんて、尚弥のお友達?それとも尚弥の。。。」
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「。。。尚弥。。。?」
『。。。。美紗?』
「。。。。。あの。。。、どちら様ですか。。。?』
作者まりか
サラサラ、サラサラ、砂がこぼれるように。