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苦しい。。。
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苦しい苦しい苦しい!!!
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なんで!
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どうして!!
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弥生。。。どうして。。。
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「由佳、明日と明後日って、ヒマ?」
『うん、特に用事もないけど、どうしたの?』
「仕事おわったらさ、由佳んちに泊まりがけで遊びに行きたいなって思って。ダメ?』
可愛らしく小首をかしげて弥生が訊いてくる。
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尚人は明後日休日出勤だと言っていたし、何をしようか悩んでいた由佳は二つ返事で
『いいよいいよ!ちょうど見たいと思ってた怖いDVDがあるんだけどさ、一人だと怖くて見れなくて(笑)
一緒に見よう!』
と了承した。
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弥生とは、今の会社で知りあった。
由佳の方が先に入社していたが、ほんの数カ月の差。
年齢が同じという事も相まって、すぐに打ち解けた。
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仕事帰りに晩ご飯がてらちょっと飲みに行ったり、
休みの日には、ショッピングやカラオケに行ったり。
由佳には弥生と知りあう前から付き合っている恋人がいる為、デートが入っている日は会わないが、
それ以外のほとんどを弥生と過ごしていると言っても過言ではなかった。
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「今日は尚人君大丈夫なの?』
昼休み、一緒にトイレを済ませた後、手を洗いながら弥生が訊いてきた。
『うん、予定があるって言ってある。』
ほんの一瞬間を開けて、由佳は答えた。
「そっか。」
弥生はにっこりと微笑んで、トイレから出て行った。
尚人とは、由佳の恋人である。
正直、由佳は弥生から尚人の名前を出される事だけは、
良い気持ちがしない。
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以前はよく3人で遊んだりもしていたのだが、
ふと気付くと、弥生の尚人を見る視線が、
熱を帯びているように感じ始めた。
心なしか声も上ずっているように感じてモヤモヤとしていたのだが、
ある日、由佳をそっちのけで2人が趣味の話で盛り上がってしまった。
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少し前から弥生の尚人に対する態度に違和感を覚えていた由佳は、悟られまいと必死に冷静を装っていた。
その時だった。
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「あっ!ごめんごめん由佳!置いてきぼりだったねー。
話変えよっか尚人君♫」
不意にこちらに向いて、片方の口の端を吊り上げながら、
勝ち誇ったような笑顔で弥生が言ったのだ。
それも、尚人の肩に触れながら。
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その瞬間、由佳の心をものすごい不快感が埋め尽くし、そして確信した。
弥生は、尚人に好意を抱いている。それも特別な。
このまま弥生を尚人に引きあわせ続けたら、どんどん弥生の態度はエスカレートしていくかもしれない。
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もちろん尚人がそんな事で揺らいだりする事はないだろうが、
目の前で堂々と恋人にアプローチされるのを黙って見ていられるほど、
由佳の心は広くない。
それとなく、自然に尚人と会わせないようにしていった。
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それを感じたのか、弥生と遊ぶと弥生の口から尚人の近況を訊かれる事が増えていた。
由佳はなるべく平静を装いながら言葉を濁し、
あまり詳しく話さないようにしていた。
〜泊まりに来るなら、写真とか見られたりするかもしれないな。。。〜
ぼんやりそんな事を考えていた。
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仕事が終わり、帰り道のファミレスで食事をした後、
由佳と弥生は由佳の部屋でDVDを見ながらビールを飲んだ。
少しほろ酔いになった頃 お風呂に入る事になり、
由佳はバスルームにお湯を張りに行った。
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そろそろ貯まったかな?
と、由佳がバスルームへ様子を見に行った、その時。
お湯を止めようとバスタブに手をついて、少し前のめりになった由佳の体は、
背後からいきなり押さえつけられた。
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不意打ちだった為、反射的に息を吸い込もうとしてしまい、
思い切り水が肺に入り込んでくる。
とてつもない苦しさに、由佳は暴れまくった。
自分の頭を力任せに押さえつけている腕を、
何度も何度も引っ掻いた。
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削り取られた肉が爪に入り込む感触。
バタバタと暴れ、その辺の物が足に当たる感触。
何よりも、苦しくて酸素が欲しくて、水の中で無意識に息を吸ってしまい、
余計に苦しくなるのがたまらなく地獄だった。
由佳は、自分を今押さえつけているのが誰なのか、考えたくなかった。
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自分を殺したいと思うほどに、それほどまでに、
弥生は自分を嫌っていたという事を、認めたくなかった。
もがき苦しみながら、薄れゆく意識の中で、弥生の笑い声を聞いた気がした。。。
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気が付くと、由佳は天井から弥生を見下ろしていた。
一心不乱に部屋を荒らしている。
おそらく、自分が殺した事を隠蔽する為の工作だろう。
黙って様子を見ていると、弥生は一人で笑い始めた。
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「ふふふ。。。あははっ。馬鹿な由佳。殺されるなんて思いもしなかったでしょう。
これでもう邪魔者はいない。尚人はワタシのものよ。
ワタシと尚人が抱きあうのを、
指を咥えて見てなさい。
あははっ。あははははは。。」
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由佳は弥生の後をついてきていた。
今はもう夢の中に誘われているであろう弥生が、ベッドで寝息を立てている。
〜友達だと思ってた。
それは、私だけだったのね。
アナタは、私の隙ができるのを、ずっと待っていたのね。。。〜
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由佳の瞳には、涙が浮かんでいる。
〜アナタだけは許さない。〜
由佳はゆっくりと、弥生の体へと手を伸ばした。
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〜FIN〜
作者まりか
今回もたくさん画像をお借りしています。
ありがとうございます┏○ペコ
今回は「仄暗い場所。」の由佳目線のお話です。
こっちのほうが難しかった.˚‧º·(´ฅДฅ`)‧º·˚
頭バーストしてます(笑)
最後までお読みくださった方、またいつも怖いやコメントをくださる方、本当にありがとうございます。