夏も終わりに差し掛かった頃の話。
納涼にと、友達に誘われキャンプに行った。
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日も暮れかかり、バーベキューに興じて酒をあおっている時だった。
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暗がりから、小学校低学年ほどの年頃の女の子が飛び出してきた。
ただ事ではない様子で、震えているその子は我々を見ると、「お母さんを助けて下さい!」と顔面蒼白で訴えかけてきた。
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その様子を察し、我々は数人で女の子の先導により後をついて行った。
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鬱蒼と茂る木々の中を急いで5、6分進むと、その女の子はある木を指差して立ち止まった。
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その指先を見ると、女の人がぶら下がっていた。
縄は首に深く食い込み、体の重みで首が伸びてしまっており、数日は経っているであろう状態で、顔は土気色をしていた。
これはもう…
と思いながら、我々は110番をしている時だった。
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気付くと、我々を連れてきた女の子が見当たらない。
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付近を探すと、なんと近くの木に先ほどの小さな女の子までもが、黒ずんだ顔をして、縄でその小さな首をぶら下げていたのであった。
作者帰り道の暗がり