短編1
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深夜のバランスボール

よしこは連日の仕事の疲れから、ぐったりとしており

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帰宅後、気づいた時には寝てしまっていた

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ふと、かすかな衣擦れのようなおとが遠くから聞こえるような気がして目を覚ました

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時計を見ると深夜12時である

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一人暮らしのよしこは、音の出所を探るため居間に様子を見に行った

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すると、普段休みの日に使っているバランスボールがなぜか定位置から転がって、テーブルの片隅にあるのである

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不思議に思ったよしこは、バランスボールを元の位置に戻す

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隙間風でも吹いたのかしら?

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よしこは自分を納得させ、寝床に戻る

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おかしなことに

またあの音がするのである

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冷んやりとした恐怖に背中を包まれたまま、意を決して居間に様子を見に行くよしこであったが、

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……

またしても、転がっているのはただのバランスボールである

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妙な戦慄を覚えつつ

定位置に戻したバランスボールをしばし眺めるよしこであったが、

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目の前でこちらにバランスボールが転がってくる

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よくよく目を凝らして見てみると、定位置にあった場所には

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肘から先の太い腕が手招きしていたのである

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