よしこは連日の仕事の疲れから、ぐったりとしており
nextpage
帰宅後、気づいた時には寝てしまっていた
nextpage
…
…
ふと、かすかな衣擦れのようなおとが遠くから聞こえるような気がして目を覚ました
nextpage
時計を見ると深夜12時である
nextpage
一人暮らしのよしこは、音の出所を探るため居間に様子を見に行った
nextpage
…
…
すると、普段休みの日に使っているバランスボールがなぜか定位置から転がって、テーブルの片隅にあるのである
nextpage
不思議に思ったよしこは、バランスボールを元の位置に戻す
nextpage
隙間風でも吹いたのかしら?
nextpage
よしこは自分を納得させ、寝床に戻る
nextpage
…
…
おかしなことに
またあの音がするのである
nextpage
冷んやりとした恐怖に背中を包まれたまま、意を決して居間に様子を見に行くよしこであったが、
nextpage
……
またしても、転がっているのはただのバランスボールである
nextpage
妙な戦慄を覚えつつ
定位置に戻したバランスボールをしばし眺めるよしこであったが、
nextpage
目の前でこちらにバランスボールが転がってくる
nextpage
よくよく目を凝らして見てみると、定位置にあった場所には
nextpage
wallpaper:4527
肘から先の太い腕が手招きしていたのである
作者帰り道の暗がり