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短編2
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閉じ込められた世界

私の住む世界は、いつから変わってしまったのだろうか。

淀んだ空気、汚れた水、枯れ果てた草、腐った食糧。

天を仰げば、四角い空がただそこにあるだけであった。

初めは、家族や仲間もたくさんいたが、随分と減ってしまった。

生きるのは困難だが、それは世の中の道理であり、そんな中でも普段の食事にも困らず、悠々自適な生活を送っていたのに。

世界が汚れ、食糧も無くなりかけると、当然争いが起きた。

家族や仲間同士で殺し合い、自分が生き延びる為にその肉を食べた。

ーーー殺して、食べて、生き延びる。

自然の摂理ではあるが、私はそんな世界を呪った。

ーーーいつからだろう、

こんなにも世界が汚くなってしまったのは。

こんなにも、食糧が無くなってしまったのは。

こんなにも世界が狭くなってしまったのは。

そして、私が最後に食事をしたのはいつだっただろうか。

ギリギリの所で理性を保っていたが、もう我慢の限界であった。

気づけば、我が子を必死に貪る自分がそこにいたのだ。

誰かの犠牲の上に立って、また明日を迎える事ができるこの世界で、私はいつまで生きなければならないのだろうかーーー

ーーーそれから何日経っただろうか。

周りを見渡しても私以外、誰もいない。

あるのは腐った水と草、そして我が子の骸だけである。

限界だった。

身体も既に動かせない。

しかし、これで良かったのかもしれない。

もうこの世界で生きていくのに疲れ果てた私は、四角い空を見上げながら静かに目を閉じた。

その時、薄れゆく意識の中、空から声が聞こえたのを、私は確かに聞いた。

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ーーーお母さん、お母さん、また死んじゃったよ。

ーーーだから、生き物は嫌なのよ。酷い匂いね、捨ててきちゃいなさい。水槽は洗っておくのよ。

ーーーはーい。

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