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短編2
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かえらず

〈コックリさんやるから見張ってて〉

友人のKはいつもそう。唐突に言ってくる。ついこの間、彼女の後輩の件(お土産の小瓶)で私を巻き込まないと言っていたはずなのに。どうやら、いつものその場しのぎだったらしい。

『何故、私に頼む?』

〈Faust、そういうのに強いじゃん〉

(そういう問題じゃない)と内心、突っ込む。

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“見張る”というのは、つまり、“もしかした時に何とかしてくれそうな奴”ということだ。そんなに不安なら、やらなければ良いのにと思う。

『Nは?』

〈Nは、忙しいから無理だって。〉

…逃げた。そう思い、さり気なくNを見ると楽しそうにこっちを見て笑っていた。

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『やめとけ、やめとけ。子供じゃあるまいし。好奇心でやるもんじゃn』

〈みんな!やるよ!〉

『聞いてんの⁇』

集まりだすKの友人方、5人。お馴染みの10円玉と50音表。

〈〈〈〈〈コックリさん、コックリさん、いらっしゃいますか〉〉〉〉〉

__彼女ら曰く“遊び”に付き合わされることになった。

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好きな人→あの子はどう思っているのか→失せ物探し→etc…

かたっぱしから質問攻めにしている。

やらないこっちは見ていて恥ずかしい。

不意に耳鳴りがした。いつもと若干違う耳鳴りが。

(マジかよ。誰だ?あいつは。)

Nも気づいたのか、そっとコッチに来た。

そこにいたのは、のっぺりとしたつかみどころのない男。正直、気味が悪いという一言では終わらない。完全に《無色》。呼んでしまった形だ。

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「アレ、まずくない?」

『ヤバい。』

「帰らないルートだよ。絶対。」

そうNが言うのに合わせるかの様に

〈何で帰ってくれないの⁉︎〉

Kの声がした。ありゃ、やっぱり。

男は相変わらず50音表を眺めている。

『落ち着け。指は絶対はなすな。そんで、質問を続けるの。』

〈もう、ないわ!!!!!!!〉

「『いいから!!!!!!!』」

____しばらく、確かにどうでもいい質問を続けていた。男は何処か楽しそうに答える。

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やがて、男は満足したのか、飽きたのか。雰囲気が変わった。

『もう…止めていい…』

K達は待ってましたとばかりに帰りを促し始めた。

次は直ぐに帰り、参加者は半泣きで皆帰った。残されたのは、Nと私。そして、もう一人の視線。

「うわっ」

『どうし…た…?』

視線に目を向けながら言った言葉はきっとNには聞こえてないだろう。視線。そこには、

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ニタァっと笑うアノ男がいたのだから。

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